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組み込み開発では基板に合う電圧を出し、起動時の電流や負荷変動時の安定性も確かめます。測定値の見やすさも試作の進み方を左右します。卓上CVCC電源は、電圧と電流の変化を手元で見る基本機器です。
候補は4種類です。低ノイズの単出力機に加え、複数レール用の3出力機があります。自動試験向けと大電流型も並びます。定格値を回路構成や試験工程と照らすと、必要な機能を絞れます。
先に機種一覧
一覧では出力数や上限電圧・電流、主な機能を確認できます。単出力の低ノイズ機から3出力機、大電流機まで、それぞれ特徴が分かれています。
| 機種 | 出力構成 | 主な特長 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
TEXIO PPE32-3 | 1出力、32 V・3 A、96 W | 低ノイズ、リモートセンシング | 販売店・時期で変動 |
RIGOL DP932A | 32 V・3 A×2、6 V・3 A×1、計210 W | 3出力、USB・LAN・SCPI | 販売店・時期で変動 |
Keysight E36312A | 6 V・5 A×1、25 V・1 A×2、計80 W | データ記録、出力シーケンス | 販売店・時期で変動 |
| 菊水 PWR401L | 1出力、40 V・40 A、400 W | 広い出力範囲、PC制御 | 販売店・時期で変動 |
直流安定化電源の価格は販売店や時期、在庫、見積もり条件で変わります。購入時には販売店の最新価格を確認してください。
卓上電源の役割
卓上電源は基板へ安定した直流を供給し、本体で電圧と電流を確認する装置です。量産品に載せる前の動作確認や異常時の原因調査に使われます。組み込み開発の基本機器ですね。
試作基板では仕様上の入力電圧に加えて、起動時に必要な電流も把握しておきたいところ。電流制限を設定すると上限を設けられます。短絡や実装ミスの影響も抑えやすくなります。
実験によっては出力一つで足ります。ロジック回路とセンサー回路で電圧が違うなら、複数系統が便利です。複数出力機では各出力の独立性と共通端子の扱いも確認しましょう。
PPE32-3
TEXIO PPE32-3は0~32 V、0~3 A、96 Wを出す単出力モデルです。出力を一系統に絞った試作で、電圧や電流を細かく設定したい場合に使えます。
特徴はリップルノイズ0.5 mVrms以下の低ノイズ設計です。センサーのアナログ出力や微小信号を扱う回路では、電源ノイズが測定値に影響することがあります。ノイズを抑えた電源なら回路の動きを観察しやすくなります。
設定分解能は1 mV・0.1 mA、測定分解能は0.1 mV・0.01 mAです。OVP、OCP、OTP、逆極性保護を備えています。リモートセンシングは負荷線の電圧降下を0.5 V補償し、基板側の電圧を管理できます。
DP932A
RIGOL DP932Aは合計210 Wの3出力電源です。CH1とCH2は各0~32 V・0~3 A、CH3は0~6 V・0~3 A。ロジック用や周辺回路用など、複数の電源レールを一台でまかなえます。
CH1とCH2は直列接続で最大64 V、並列接続で最大6 Aにできます。試験に合わせて個別に使う方法と、連結して電圧や電流を上げる方法を選べます。カラータッチ画面で状態も確認できます。
USB、LAN、Digital入出力を備え、SCPIコマンドにも対応します。PCから複数出力を制御する試験を組み立てられます。各チャンネルにはOVPとOCPを設定でき、試作時の電流管理にも役立ちます。
E36312A
Keysight E36312Aも3出力ですが、構成はDP932Aと異なります。CH1は0~6 V・0~5 A、CH2とCH3は各0~25 V・0~1 Aで、合計出力は80 Wです。CH2とCH3は絶縁された独立チャンネルです。
複数の基板電源を個別に管理し、測定結果を記録できます。USBとLANを標準搭載し、データロギング、出力シーケンス、LISTモードを利用可能です。GPIBはオプションなので、既存設備につなぐ場合は構成を確認してください。
CH2とCH3は直列接続で最大50 V、並列接続で最大2 Aです。ライン・負荷変動率は0.01%。リップルノイズは350 μVrms・2 mVpp未満です。OVP、OCP、OTPに加えて2線式・4線式リモートセンシングも備えています。
PWR401L
菊水電子工業のPWR401Lは40 V・40 A・400 Wの単出力モデルです。出力範囲が広く、電流を多く必要とする回路やさまざまな電圧条件の試験に使えます。
40 Vと40 Aを同時に出せる電源ではありません。電圧と電流の組み合わせは400 W以内に制限されます。出力電圧と負荷電流を掛け、必要電力を見積もりましょう。
リップルノイズは5 mVrms・50 mVppで、PPE32-3などの低ノイズ機より大きめです。USB、LAN、RS-232Cを標準搭載し、設定の組み合わせを3件保存できます。本体には最大64ステップのシーケンスを1件保存できます。
CVCCの動作
CVは定電圧、CCは定電流を指します。CV動作では設定電圧を保つように出力し、負荷電流が設定上限内にある間は電圧を維持します。基板への通常の給電でよく使う状態ですね。
負荷電流が上限に達するとCC動作に移り、設定電流を超えないよう出力電圧を下げます。起動時に大きな突入電流が流れる回路では、電流制限が低すぎると電圧が立ち上がりません。その結果、基板が起動を繰り返すこともあります。
CVCCの動作と過電圧・過電流保護は役割が異なります。電流上限や保護機能のしきい値を確認し、基板と配線の許容値に合わせましょう。初回通電では電圧と電流の表示を見ながら異常がないか確かめます。
ノイズと配線
ノイズ値を比べるときは単位にも注意してください。PPE32-3の0.5 mVrms以下と、DP932AおよびE36312Aの350 μVrms未満は実効値です。2 mVppのようなピーク・ツー・ピーク値とは数字だけで大小を判断できません。
基板まで配線が長いと線の抵抗で電圧が下がることがあります。PPE32-3のリモートセンシングは負荷線の電圧降下を0.5 V補償します。E36312Aは2線式または4線式に対応し、負荷側の電圧を管理できます。
センサーの微小信号を測る場合は配線や測定器との接続も影響します。電源線と信号線を分けたり、基板側の電圧を測ったりすると、試験系全体でノイズの入り方を確かめられます。原因も見つけやすくなります。
自動試験の拡張
試験を自動化する際は、電源の通信端子と対応コマンドが重要です。DP932AはUSB、LAN、Digital入出力とSCPIに対応し、PC試験環境から設定や出力状態を制御できます。
E36312AはUSB・LANのほか、データロギング、出力シーケンス、LISTモードを備えています。一定時間の電圧変化や段階的な出力条件を試せます。GPIBが必要ならオプション構成を確認しましょう。
PWR401LはUSB、LAN、RS-232CでPC制御でき、本体に最大64ステップのシーケンスを保存できます。手動評価から自動試験へ移る場合は、PWR401Lの本体シーケンスも使えます。
最終判断
単一の試作基板を低ノイズで評価するなら、TEXIO PPE32-3がおすすめです。複数レールの給電にはRIGOL DP932A、測定記録や出力シーケンスにはKeysight E36312A、大電流試験には菊水 PWR401Lが合います。
試験内容に応じて、必要な出力数と合計電力を確認してください。電圧、電流、ノイズ、リモートセンシング、PC接続も条件に照らしましょう。PWR401Lは400 W以内か、3出力機は各チャンネルの定格内かが確認点です。
参考価格は販売店や購入時期で変わります。候補を絞ったら同じ条件で最新の見積もりを確認しましょう。低ノイズ評価、複数レールの記録、大電流負荷の試験のうち、開発で中心となる作業に合わせると卓上電源を長く活用できます。
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