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KiCadは回路図で部品同士の接続を整理し、その情報をPCBレイアウトへ引き継いで基板を設計するツールです。画面操作とあわせて、回路図と実物の部品を正しく結び付けることも大切ですよね。
初めて基板を作ると、シンボルとフットプリントの不一致やコネクターの向きの取り違えが起こります。実作業では、操作と確認を一緒に学べる本が心強いものです。
KiCad本のおすすめを探す方へ、回路図からPCBレイアウト、基板製造までを扱う4冊を紹介します。価格や演習例を見れば、それぞれの学べる範囲がつかめます。
4冊の早見表
| 書籍 | 主な内容 | 参考価格(税込) |
|---|---|---|
定番プリント基板設計 KiCad入門 | KiCad 8.0.6、LED・Arduino互換基板、発注まで | 3,300円 |
KiCad×LTspiceで始める本格プリント基板設計[DVD付き | LTspice、GND、ノイズ、放熱、基板製作 | 2,640円 |
回路図の描き方から始めるプリント基板設計&製作入門 | KiCad 5.1.4、アナログ・ディジタル・FPGA | 2,640円 |
一人で始めるプリント基板作り[完全フリーKiCad付き | 回路図入力から設計ルール検査、発注まで | 2,970円 |
掲載価格は公式の希望小売価格・定価(税込)を目安にしています。実売価格は時期や店舗で変わるため、購入時は各店で確認してください。
4冊はKiCadの操作、回路性能、発注や検査など扱う範囲が異なります。DVD-ROMやCD-ROMが付く本は、今使っているパソコンで読み出せるかも確認したいところです。
本は画面の手順を追う教材で、設計上の判断を学ぶ資料でもあります。刊行時に扱うKiCadの版が古くても、配線幅やGND、外観検査の考え方は今の設計に生かせます。
回路図と基板設計
回路図には電気的な接続を描き、PCBレイアウトでは部品の位置と銅箔の経路を決めます。同じ回路でも、部品の向きや配線経路によって組み立てやすさや性能は変わります。
回路図では電源の極性、部品値、未接続端子を確認します。基板へ移ったらシンボルに割り当てるフットプリントの足数やピッチを、実物のデータシートと照合しましょう。ここで取り違えると実装できない場合もあります。
たとえば2.54mmピッチのコネクターでも、表裏や挿入方向を取り違えるとケーブルが反対を向きます。信号名に加えて実物の向きも確認しましょう。回路図と基板を交互に見る習慣が、組み立て時の間違いを防ぎます。
KiCadのデザインルールチェックは設定した間隔や未接続を検査し、ルール違反を示します。部品の極性や穴位置は人の目で確かめます。目視検査も欠かせません。
KiCad 8を実例で学ぶ
『定番プリント基板設計 KiCad入門』は常田裕士著で、2025年5月刊のA5判336ページです。KiCad 8.0.6をベースにLED基板とArduino互換マイコン基板を例にして、回路図から製作までを解説します。
基板発注から完成までの章があり、ガーバービューアーを含む機能リファレンスも載っています。操作に迷ったとき、対応する機能を調べ直しやすい構成でしょう。
DVD-ROMには基板データとシミュレーションデータを収録しています。実例を画面で確認しながら、回路図の部品配置からPCB配線へ情報がどう渡るかを一続きに学べます。
LTspiceで設計を深める
『KiCad×LTspiceで始める本格プリント基板設計[DVD付き]』はトランジスタ技術SPECIAL編集部編で、B5判176ページ、2018年4月刊です。LTspiceや実験を踏まえた基板設計を扱います。
配線幅やビア、GNDベタを取り上げ、ノイズ対策と放熱も解説します。電流の流れや熱の逃げ道を考える材料があり、基板性能に関わる設計を学べます。
ラズベリーパイ拡張基板などの製作例もあります。DVD-ROMには手順動画や設計データ、フットプリントライブラリを収録。実験結果を設計へ反映する考え方を学びたい方に役立ちます。
回路図から製造へ
基板設計ではプロジェクトを作成し、回路図シンボルを選んで接続を描きます。回路図の整合を確認したら各シンボルにフットプリントを割り当て、PCBへ反映します。
部品配置ではコネクターやスイッチの向きに加え、ねじ穴とはんだ付けの空間を確かめます。部品を詰めると基板は小さくできますが、組み立てにくくなることも。完成後に触りやすいかも気にかけたいですね。
配線では回路の役割と電流を踏まえ、線幅や経路を考えます。電源やGNDの配線は見た目に加え、ノイズや電圧降下にも関係します。必要な間隔は製造先の仕様に合わせましょう。
製造用にはガーバーデータやドリルデータを出力し、ビューアーで層と穴の位置を確認します。回路図の接続が正しくても、基板外形や文字の向きが崩れていれば完成後に困ります。発注直前にデータを見直してください。
基板の性能を考える
GNDベタは空き領域をGNDにつなぐ設計手法です。回路や配置によって効果は変わりますが、信号の戻り道やノイズの回り込みを考える手掛かりになります。銅箔の広さに加え、分割や接続位置も確認しましょう。
ノイズが気になる回路では信号経路やGNDの戻り方、部品間の距離が関係します。発熱する部品のそばに熱に弱い部品を置かない、放熱用の銅箔を確保するなど、配置にも判断が必要です。
完成後の不具合調査には手間がかかります。シミュレーションや実験で回路の動きを確かめ、その結果を配線幅や部品配置に反映すると、設計意図を説明しやすくなります。
設計例を広げる一冊
『回路図の描き方から始めるプリント基板設計&製作入門』はトランジスタ技術SPECIAL No.148で、編集部編のB5判208ページです。2019年10月刊で、回路図記号や作図の作法から部品配置と配線まで扱います。
掲載例はアナログ回路と汎用ディジタル回路、100MHzを超えるFPGA基板まで幅広くそろいます。回路の種類ごとに設計例を追い、配線の考え方を比べられます。
発注前の設計データ確認項目は34項目です。基板発注の手順と納入後の外観確認も扱います。付属DVD-ROMにはKiCad 5.1.4とフットプリント作成ツール、設計データを収録しています。
手順に沿って基板作り
『一人で始めるプリント基板作り[完全フリーKiCad付き]』はトランジスタ技術SPECIAL No.127で、編集部編のB5判248ページです。2014年7月刊行で、インストールから回路図入力、フットプリント割り当て、配置と配線まで順に解説しています。
設計ルールの設定やレイアウト後のデザインルールチェックに加え、目視確認も取り上げます。検査結果を見て、さらに基板を目で点検する流れが分かります。
USB DACヘッドホンアンプなどの設計例を載せ、発注データの作成から発注までを扱います。付属CD-ROMにはKiCadインストーラーを収録。刊行から時間がたち画面表示は現在と異なりますが、作業の流れをつかめます。
結論
初めてKiCadで回路図を描き、PCBレイアウトから発注まで学ぶなら、『定番プリント基板設計 KiCad入門』をおすすめします。2025年刊でKiCad 8.0.6をベースに、LED基板とArduino互換マイコン基板の実例、機能リファレンスが載っています。
基板性能やノイズ、放熱を重点的に学びたい方には、LTspiceと実験を扱う本をおすすめします。多様な回路例や発注前後の検査を知りたい方にはNo.148を、インストールから製造まで手順を追いたい方にはNo.127をおすすめします。
画面操作と回路・レイアウトの考え方のどちらを学びたいか、手元の課題に照らすと本を決めやすくなります。古い版では画面表示が異なる場合もありますが、フットプリント確認や配線、検査の基本は現在の基板設計にも役立ちます。
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