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組み込み無線開発でUSB SDR受信機を探すなら、まず決めたいのは受信だけで足りるか、送信試験も行うかです。観測中心なら受信専用機、電波を送る試験も行うなら送受信機を選びます。
今回はRTL-SDR系の入門機から広帯域受信機、FPGA搭載の送受信機まで6製品を紹介します。価格は販売経路や時期、在庫によって変わるため、購入時には最新価格と納期を確認してください。
| 製品 | 受信範囲 | 帯域幅の仕様 | 送信 | 向いている開発 |
|---|---|---|---|---|
| NESDR SMArt v5 | 約0.1MHz~1.75GHz | 公称2.4MHz、最大3.2MHz | 不可 | 低予算での受信確認 |
| Airspy R2 | 24MHz~1.7GHz | スペクトル表示幅10MHz(最大9MHzをエイリアス・イメージなしで表示) | 不可 | VHF帯・UHF帯の広帯域観測 |
| RSP1B | 1kHz~2GHz | 最大10MHz | 不可 | VLFからLバンドの受信 |
| ADALM-PLUTO | 325MHz~3.8GHz | 最大20MHz | 可 | GHz帯の送受信実験 |
| LimeSDR Mini 2.0 | 10MHz~3.5GHz | 最大40MHz | 可 | 独自処理やFPGA連携 |
| USRP B206mini-i | 70MHz~6GHz | 最大56MHz | 可 | UHDを使った組み込み開発 |
NESDR SMArt
まず受信環境を試すなら、NooelecのNESDR SMArt v5がおすすめです。約0.1MHzから1.75GHzをカバーする受信専用機で、信号の観察やデコードに使えます。
HF帯も受信できますが、25MHz未満ではダイレクトサンプリングを使います。瞬時帯域幅は公称2.4MHz、最大3.2MHzです。狙った信号の確認には使いやすい一方、広い範囲をまとめて監視する用途には限りがあります。
R820T2またはR860チューナーとRTL2832Uを搭載し、周波数安定度は0.5ppmのTCXOです。RTL-SDR対応ソフトはWindowsとmacOS、LinuxとAndroidで利用できます。手元の端末を活用しやすいのも魅力ですね。
USB 2.0で接続し、アンテナ端子にはSMAメスを採用しています。アンテナは別売です。受信環境の立ち上げやソフトウェアの動作確認に使えます。
Airspy R2
VHF帯やUHF帯を観察したいなら、Airspy R2をおすすめします。24MHzから1.7GHzまで連続受信できる受信専用機で、周波数を切り替えながらの実験にも使えます。
スペクトル表示幅は10MHzあり、そのうち最大9MHzをエイリアスやイメージなしで表示します。広い範囲を同時に見られるため、狭い範囲を何度も走査する手間を抑えられます。
IQ出力は10MSPSで、ADCは12bit・20MSPSです。外部基準クロック用に10~100MHzのMCX入力を備え、機器間で周波数基準を合わせる試験系でも利用できます。
SDR#やSDR-Radioをはじめ、HDSDR、GQRX、GNU Radioなどのソフトに対応します。対応OSはWindows 10とWindows 11に加え、Linux、BSD、OS Xです。Raspberry Piなど低消費電力機器向けに、実験的な2.5MSPS IQ出力も使えます。
Airspy R2
Amazonで探すRSP1B
VLFからLバンドまで一台で受信したい場合は、SDRplayのRSP1Bがおすすめです。1kHzから2GHzを連続カバーするシングルチューナー受信機です。
スペクトル表示幅は最大10MHz。サンプリング速度は2~10.66MSPSで、2~6.048MSPSでは14bit ADCを使います。広い周波数範囲をカバーしつつ、受信条件を調整できます。
受信フィルターは11種類のバンドフィルターです。AM、FM、DABのノッチフィルターも切り替えられます。強い放送波などが近くにある環境では、帯域外の信号を抑える助けになります。アンテナ端子はSMAソケット1つです。
WindowsではSDRunoを利用できます。SDRconnectはWindows、macOS、Linuxに対応しています。APIの対応先はWindowsとLinux、macOS、それにRaspberry Pi 4と5です。バイアスTはソフトウェアで切り替えられ、4.7V・100mAを給電できます。
PlutoSDR
受信に加えて送信試験も行うなら、Analog DevicesのADALM-PLUTOがおすすめです。325MHz~3.8GHzに対応し、送信1系統と受信1系統を搭載しています。半二重または全二重で動作します。
瞬時帯域幅は最大20MHzで、ADC/DACは12bit、最大61.44MSPSです。送信信号と受信側の反応を組み合わせた試験にも使えます。送信時は減衰器などを使い、接続先に合わせて信号レベルを調整してください。
送信用と受信用のSMA端子をそれぞれ1つ備え、USB 2.0 Micro-USBから接続・給電します。MATLAB、Simulink、GNU Radioに対応します。libiio APIはC、C++とC#、Pythonから利用できます。
受信範囲は325MHz~3.8GHzです。HFやVHFの低い帯域は含みません。325MHz以上の送受信実験をソフトウェア制御とあわせて進めるなら、有力な候補です。
LimeSDR Mini
広い帯域幅で送受信し、独自処理も試したい人にはLimeSDR Mini 2.0がおすすめです。10MHz~3.5GHzに対応し、送信1系統・受信1系統で全二重動作が可能です。
RF帯域幅は最大40MHz。30.72MSPSで12bitサンプリングを行います。USB 3.0 Type-Aで接続し、5VのUSB給電に対応。組み込み先のUSBポートや電源も確認しておきたいところです。
FPGAはLattice ECP5 LFE5U-45Fで、44K LUTを利用できます。受信・送信処理に独自の処理を加える試験や、FPGA連携の開発に使えます。
Linuxを主にサポートし、Lime SuiteまたはLime Suite NGで扱います。GNU Radio用とSoapySDR用のプラグインも利用可能です。WindowsではUSB機器として利用できますが、ソフトウェア環境はLinux中心です。
USRP B206mini
組み込み無線開発でUHDや外部同期を使うなら、Ettus Research(NI)のUSRP B206mini-iがおすすめです。70MHz~6GHzを扱い、送信1系統と受信1系統を独立同調できます。全二重にも対応します。
瞬時帯域幅は最大56MHzで、IQサンプリングは最大61.44MSa/sです。ADCとDACは12bit。USB 3.0 Type-Cで接続し、バス給電で動作します。
FPGAはユーザーが書き換えられるAMD Spartan-6 XC6SLX150です。8本のGPIOとJTAGを備え、外部基準入力は10MHzとPPSに対応します。外部回路との接続や複数機器の同期を含む試験系を構成できます。
UHD 4.9以降に対応します。GNU Radio、C、C++のほかPythonから制御できます。UHDの対応OSはLinux、macOS、Windowsです。NI日本語ページでは購入と見積もりを受け付けていますが、表示リードタイムは12~13週間です。
結論
受信だけで信号を観察するなら、費用を抑えたい人にはNESDR SMArt v5がおすすめです。受信範囲の広さを重視するならRSP1B、VHF帯やUHF帯で広いスペクトル表示を使うならAirspy R2が合います。
送信を含むGHz帯の試作にはPlutoSDRが使えます。最大40MHz幅やFPGA連携を試すならLimeSDR Mini 2.0、UHDや外部同期を含む組み込み開発ならUSRP B206mini-iを選びましょう。
対象周波数、同時に取り込みたい帯域幅、使うOSやAPIを開発環境に照らして判断してください。価格や納期は変わるため、販売ページで最新情報を確認しましょう。
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