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開発PCで接触型スマートカードを扱うときは、読み取り速度よりもPC/SC対応、カード形状、OS用ドライバーの組み合わせが作業の手間を左右します。どれかが合わないと、検証の段取りが増えます。
今回扱うのは、フルサイズのID-1カード対応が4機種とSIMサイズ用が1機種。マイナンバーカードやHPKIカードを試すのか、SIM形状の試験カードを使うのかで、候補は変わります。
製品早見表
先にカードがフルサイズか2FFかを確かめると、挿せない製品を候補から外せます。次にPCのポートとリーダーの端子を見比べれば、接続の組み合わせも分かります。
| 機種 | カード・接続 | 開発PCでの主な特徴 |
|---|---|---|
ACS ACR40U | フルサイズ・USB-AとUSB-C | PC/SC、T=0とT=1、メモリーカード対応 |
| Identiv SCR3500 C | フルサイズ・USB-C | 折りたたみ式、挿抜10万回 |
Identiv uTrust 2700 R | フルサイズ・USB-AとUSB-C | マイナンバー・HPKI対応案内、スタンド別売り |
HID OMNIKEY 3121 | フルサイズ・USB-A | 縦置き・横置き、OS標準CCIDドライバー |
| ACS ACR40T | SIMサイズ・USB-AとUSB-C | 2FF対応、約5〜7gの軽量設計 |
価格は販売店や時期によって変わります。USB-AとUSB-Cの型番や別売りスタンドでも差が出るため、掲載中の参考価格を販売時点の目安にしてください。
PC/SCの役割
PC/SCは、アプリケーションからスマートカードリーダーを扱うための共通インターフェースです。開発PCでは、アプリとカードの間にOSのPC/SCサービスや対応ライブラリーが入る構成が一般的です。
リーダーとOSの間をつなぐ規格がUSB CCIDで、PC/SCはアプリ側からカードを使うための仕組みです。両方の対応が明記された製品なら、一般的なPC/SC対応ソフトとの接続を見込みやすくなります。
ISO/IEC 7816のClass A・B・Cはカードに供給する電圧の区分で、T=0とT=1は通信プロトコルです。リーダーが対応していても、使うカードが要求する条件に合わなければ動きません。開発では両方の仕様を確かめる必要があります。
ACR40U
ACR40Uは、フルサイズの接触型カードを扱う標準的な開発用リーダーです。Class A・B・C、T=0・T=1に加えてメモリーカードにも対応し、種類の異なるカードを一台で試せます。
USB-AとUSB-Cのモデルがあり、USB 2.0 Full Speed(12 Mbps)で接続。本体は55×65×9mm、約40gの薄型です。評価用ボードやノートPCと一緒に持ち出す場面にもなじみます。
Windows、Linux、macOS、Android向けのPC/SCドライバーがあり、対応OSにはiOSとiPadOSも含まれます。ファームウェア更新や本体内ユーザーデータ保存にも対応しているため、基本的なカード通信から周辺機能の検証まで範囲を広げられます。
SCR3500 C
USB-C接続のSCR3500 Cは、折りたたみ式のコンパクトなリーダーです。本体は48×20×12mmで、フルサイズのID-1カードを挿入します。小型ながらカードは一般的なフルサイズです。
T=0・T=1に対応し、USB CCID、PC/SC API、EMV 2011 Level 1を備えています。EMV Level 1はリーダーの通信層に関する規格で、個別の決済アプリやカード処理全体の動作までは保証しません。
USB給電で、カード挿抜の耐久性は10万回です。対応OSはWindows 7、8、10、11、macOS 10.9〜14、Linux 2.6系・3.x・4.x・5.x、Android 8.0以降。USB-C搭載ノートPCでフルサイズカードを持ち歩いて検証するなら、この機種が合います。
Identiv SCR3500 C
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uTrust 2700 Rは、フルサイズの接触型カードを机上で扱う人に向いたモデルです。USB-AとUSB-Cの型番が用意されているので、PCの端子に合うものを使えます。
8ピンのスライド式接触部を備え、カード挿抜は10万回。USB CCID、PC/SC、EMV 2011 Level 1に対応します。データ転送速度はカードによって異なり、最大600 kbpsです。USBバスとカード側の速度は別の値ですよ。
メーカーの日本語ページでは、マイナンバーカードとHPKIカードへの対応が案内されています。本体は70×60×16mm、別売りスタンド装着時は70×63×62mmで、重量は約204gです。据え置くときはスタンド込みの寸法も参考になります。
OMNIKEY 3121
OMNIKEY 3121はUSB-Aケーブル付きの据え置き型です。ケーブル長は約1.5m、本体は80×67×28mm、約110g。PCのポート位置に縛られにくく、同じ席でカードを何度も抜き差しする作業に使えます。
交換式ベースで横置きと縦置きを切り替えられ、2色LEDで状態を確認できます。ISO 7816、T=0・T=1に加えて同期プロトコルのS=8・S=9・S=10にも対応。試験対象にこれらの通信方式が含まれるなら、OMNIKEY 3121を使えます。
USB CCIDに対応し、OS標準のCCIDドライバーを利用できます。追加ドライバーのインストールが不要なのは導入時の手間を抑えたい人に便利です。開発アプリ側もPC/SCに対応しているか確認しましょう。
ACR40T
ACR40TはSIMサイズの接触型カード(2FF)を一枚挿入するリーダーです。スロットがSIMサイズ用なので、ID-1カードを使うテストには適しません。SIM形状のカードを直接扱う開発向けです。
USB-Aモデルは48.9×17.7×8.0mm、約6.79g。USB-Cモデルは44.7×17.7×8.0mm、約5.32gです。どちらもスライド式の挿入口で、ノートPCと一緒に持ち歩ける軽さです。
Class A・B・C、T=0・T=1、メモリーカード、USB CCID、PC/SC、Microsoft WHQLに対応します。対応OSはWindows、Linux、macOS、iOS、iPadOS、Android。ファームウェアも更新できます。
ACS ACR40T
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対応OSは機種によって異なります。ACR40UにはWindows、Linux、macOS、Android向けPC/SCドライバーがあり、SCR3500 CやuTrust 2700 Rは対応OSのバージョンも示されています。
OSの対応表に名前があっても、使いたいアプリが動くとは限りません。OSのPC/SCサービス、リーダーのドライバー、アプリやライブラリー、カードの通信条件がそろって開発環境として機能します。
OMNIKEY 3121はOS標準CCIDドライバーを使えるため、専用ドライバーを追加する手順を減らせます。ファームウェア更新やメーカー独自の機能を使う場合は、対応ツールや運用上の条件も確認してください。
結論
フルサイズカードを幅広く試す開発PCには、USB-AとUSB-Cを選べてメモリーカードやファームウェア更新にも対応するACR40Uがおすすめです。机上で頻繁に抜き差しするなら、置き方とケーブル長に余裕があるOMNIKEY 3121を選べます。
マイナンバーカードやHPKIカードを含む国内のカード運用には、対応が日本語ページで案内されているuTrust 2700 Rがおすすめです。携帯性を重視するUSB-CノートPCにはSCR3500 C、SIMサイズのカードを扱う開発にはACR40Tが合います。
最後はカード形状、PCのUSB端子、OSとPC/SCライブラリーの組み合わせを確認してください。価格は販売店や時期によって変わるので、端子の型番や付属品も含め、購入時点の参考価格を目安にしましょう。
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