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Unreal Engineでネットワークゲームを作ると、レプリケーションとRPCの役割分担が早い段階で課題になります。C++の本なら文法に加え、サーバーとクライアントの挙動を実装で確かめられるかも確認したいところです。
UE5の通信機能を実装しながら学べる本もあれば、オンラインゲーム全体の設計を扱う本もあります。いま困っている範囲に合う1冊なら、読後すぐに自分のゲームへ知識を移せますよ。
おすすめ早見表
| 書籍 | 主な内容 | おすすめの読者 |
|---|---|---|
Multiplayer Game Development with Unreal Engine 5 | UE5のC++・Blueprint、レプリケーション、RPC、専用サーバー | ネットワーク実装を一通り学びたい人 |
Unreal Engine 5 Game Development with C++ Scripting | Unreal C++の基礎からPangaeaのマルチプレイヤー化まで | C++の基本とゲーム制作を一緒に学びたい人 |
Elevating Game Experiences with Unreal Engine 5 | UE5の幅広いゲーム開発とマルチプレイヤーFPS | ネットワーク以外の制作手順も知りたい人 |
オンラインゲームを支える技術 | ネットワーク設計、低遅延化、サーバーやインフラ | UEに限らないオンラインゲームの設計を知りたい人 |
UE5のレプリケーションを学ぶなら、まず目に留めたいのは1冊目と2冊目です。1冊目はネットワーク機能を掘り下げ、2冊目はUnreal C++の基礎からゲームのマルチプレイヤー対応へ進みます。
UE5通信の基本
ネットワークゲームでは、全端末の画面に同じ状態を表示するだけでは足りません。誰が値を確定し、何を相手へ送るのか。役割が曖昧なら、二重処理や画面の食い違いが起きます。
UEのレプリケーションは、サーバーが管理するActorや変数の状態をクライアントへ同期する仕組みです。体力や所持アイテムを共有する場合、値を確定する場所と送信先を定めます。
RPCは、サーバーやクライアントに特定の処理を依頼するときに使います。たとえば射撃入力をサーバーへ送り、命中判定もサーバーで行えば、端末ごとに異なる結果を確定する事態を避けやすくなります。
レプリケーションとRPCは役割が異なります。前者は継続して共有する状態、後者はその場で依頼する処理。違いを意識すると、サンプルコードの読みどころも分かりやすくなりますね。
通信実装を学ぶ本
Multiplayer Game Development with Unreal Engine 5は、UE5のネットワークゲーム実装を中心に学ぶ本です。Actorの権限や関連性、プロパティレプリケーション、RPCを扱い、専用サーバーの設定とデプロイまで進みます。
ネットワークエミュレーションやNetwork Profilerも取り上げ、帯域使用量の改善を学べます。通信が動いた後に遅延や負荷を測る手順まで分かるのが、本書の強みです。
全394ページ。執筆時のエンジンはUE 5.1.1で、それ以降のバージョンでも学習を続けられます。対象読者はUnreal Engine、Blueprint、C++の基礎を身につけた開発者です。C++をこれから学ぶ人より、基礎を知ったうえで通信実装へ進む開発者向けです。
ネットワーク機能を組み込んだゲームを一から作る流れを追えます。権限と同期、計測、専用サーバーまで一続きで学びたい人におすすめです。レプリケーションの仕組みから動くゲームへの組み込みまで知りたい人にも合います。
C++基礎から進む本
Unreal Engine 5 Game Development with C++ Scriptingは、Unreal C++の基礎を学びながらゲームのマルチプレイヤー化を進める本です。C++の文法やオブジェクト指向から始め、Pangaeaのゲームをネットワーク対応にします。
ネットワークの章では、サーバーとクライアントの起動に加え、Listen ServerとDedicated Serverのモードを扱います。Actor変数のレプリケーションやRepNotify、RPCも学べます。サーバー側のヒット処理や生成も含まれます。
メニューやHUDを組み込み、パッケージ化まで進む構成も実践的です。ゲーム内で同期処理を実装する流れを追えるので、通信コードがゲーム全体のどこに入るかも確認できます。
著者はZhenyu George Liで、2023年刊の全384ページです。C++の基本文法から復習し、ネットワーク専門書の前にUnreal C++とゲーム制作の基礎を学びたい人におすすめです。すでにUnreal C++を使い慣れているなら、1冊目で通信実装に時間を割けます。
ゲーム制作を広く学ぶ本
Elevating Game Experiences with Unreal Engine 5は、UE5のゲーム開発全体をプロジェクト形式で学ぶ本です。UE5の基礎に続き、ドッジボールや横スクロール、マルチプレイヤーFPSを制作します。
FPSの例ではサーバーとクライアントの通信を実装します。接続や所有権、ロールに加え、変数レプリケーションとRPCも扱います。ゲーム制作全体の流れの中で、マルチプレイヤー機能を学べる構成です。
全760ページ。C++の基本知識が前提です。書中ではUE 5.0を使用し、Windows環境が推奨されています。通信実装に絞って学ぶには範囲が広めですが、UE5全般も学ぶなら選ぶ理由があります。
おすすめなのは、UE5のゲーム制作全体を学び、マルチプレイヤーFPSも作りたい人です。レプリケーションやRPCの手順を集中して追う場合は、1冊目が目的に合います。
設計の背景を知る本
オンラインゲームを支える技術 ―壮大なプレイ空間の舞台裏は、UE5のAPIを扱う本ではありません。クライアント・サーバー型MMOやP2P型MOを例に、ネットワーク基礎と低遅延化を解説します。サーバー構成やインフラも扱います。
UEのレプリケーション実装コードを探す人には、直接の手順を得られません。クライアント・サーバー型とP2P型の例から、サーバー構成や遅延、運用を考える材料が得られます。
2011年刊で、掲載サンプルの動作環境はMac OS X v10.6です。UE5のAPI手順を学ぶ本としては使えません。ネットワーク設計の考え方を補い、UE5向けの実装書と併読すると知識を結びつけられます。
参考価格は3,168円(税込)で、公式の希望小売価格です。実売価格は時期や販売店によって変わります。全624ページ。オンラインゲーム設計の考え方を日本語で学びたい開発者におすすめです。
同期時の注意点
レプリケーションでは、変数に複製指定を付ける作業で理解を終えがちです。実装では、値を変更する権限を持つ側と同期先の両方を確認してください。
弾薬数をクライアント側だけで減らすと、サーバーやほかのプレイヤーには異なる値が見える場合があります。サーバーが発射を受け付け、残弾を更新してから値を複製すれば、全員の状態がそろいます。
RPCは呼び出すだけでは正しく動くとは限りません。クライアントから送るのは入力要求で、結果を確定するのはサーバーです。ヒット処理やActor生成の例を読むと、役割分担を具体的に確かめられます。
全員へ送らなくてよい情報が含まれていないか、通信の対象も確認します。Actorの関連性や帯域計測を学ぶと、参加人数が増えたときの通信量まで考えられます。
結論
C++でUE5のネットワークゲームを実装するなら、第一推薦はMultiplayer Game Development with Unreal Engine 5です。 Actorの権限や関連性からRPCとレプリケーションまで扱い、専用サーバーの構築や通信計測も学べます。通信実装を進めたい開発者におすすめです。
C++の文法から学ぶなら2冊目、UE5の制作全体とマルチプレイヤーFPSを学ぶなら3冊目がおすすめです。ネットワーク設計の背景を補う本として、オンラインゲームを支える技術も役立ちます。
最初の1冊は、優先する学習範囲で決められます。通信の実装を優先するなら1冊目、C++基礎からゲームを組み立てるなら2冊目を選んでください。自分の課題に合わせれば、読んだ内容を実装へつなげやすくなります。
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