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機械設計で試作品をCADに起こしても、曲面や鋳肌、既存部品との取り合いは画面だけでは読み切れないことがあります。3Dスキャナーなら現物の形状を取り込み、設計のたたき台にできます。
スキャンしたメッシュデータと編集可能なCADモデルは役割が異なります。必要な精度や形状、後工程で使うソフトまで見て機種を決めると、試作から設計へ戻る作業を進めやすくなります。
小型の精密部品から大型の機械試作品まで、用途の異なる5機種を紹介します。数値に加えて、表面への対応やデータ連携にも目を向けてみましょう。
おすすめ機種
各機種の対象サイズと主な特徴を一覧にしました。精度は測定条件によって意味合いが異なるため、対象サイズや得意な作業と合わせて確認すると判断しやすくなります。
| 機種 | 対象サイズの目安 | 精度などの仕様 | 主な強み |
|---|---|---|---|
| MIRACO Plus | 10 mm角〜4 m角 | 単一フレーム正確度0.04 mm、精度0.02 mm | 単体動作。小物から大型物まで対応 |
| MetroX Pro | 10 mm角〜1 m角 | 正確度0.02 mm、精度0.01 mm | 光沢面・暗色面をレーザーで取得 |
| EinScan Libre | Laser HDは約5 cm〜、IRは最大約10 m | 容積精度0.04 mm+対象長さ1 mごとに0.06 mm加算 | モード切替とPCなしの作業 |
| Artec Spider II | コイン程度〜エンジン部品 | 正確度・解像度0.05 mm | ターゲットなしで小物を取得 |
| HandySCAN 3D MAX EVO Elite | 推奨1〜15 m | 正確度0.075 mm、容積精度0.075 mm+対象長さ1 mごとに0.010 mm加算 | 大型物を現場で測定 |
容積精度は、対象の長さに応じて誤差が加わる仕様です。MetroX Proは対象長さ1 mなら0.02+0.04×1で0.06 mm、MIRACO Plusのフォトグラメトリ長さ精度は同じ長さで0.07 mmが式からの目安になります。
価格は販売時期や地域、ソフトと付属品の構成で変わります。Geomagic Design X Goのライセンスセットなども含め、同じ条件で見積もると導入費用を具体的に比べられますよ。
試作品の再現性
3Dスキャナーの利点は、ノギスでは追いにくい自由曲面や複雑な外形を面として取り込めることです。カバーや鋳物の形状を設計に反映するとき、採寸点を増やす手間を抑えられます。
穴径や軸径、嵌合部の公差は、スキャンに加えて測定器でも確認します。全体形状をスキャナーで押さえてから重要寸法を別に測れば、試作の手戻りを減らしやすくなります。
正確度は実物寸法への近さを表します。点間隔は細部をどこまで細かく表せるかの目安です。細かな点を取得できても、寸法が正確とは限りません。
表面の反射や暗さ、細い溝、裏側などは光が届きにくく、取得が難しくなります。穴の奥や薄いリブは欠ける場合もあるので、モデル化の前に試作品と照らし合わせておきましょう。
小型形状の細部
コインサイズの部品や薄い羽根、複雑なコネクターでは、細部をどこまで取り込めるかが重要です。小物を机上で測るなら、対象に近づけて扱えるハンディ機が便利な場面もあります。
Artec Spider IIは青色LED構造光を使うハンディ型です。コインほどの小物からエンジン部品までを想定し、正確度と解像度は最大0.05 mm。作動距離は0.19〜0.30 mです。
形状とテクスチャを使って追跡するため、ターゲットを貼らずにスキャンできます。リアルタイム融合は最大30 fps、取得速度は毎秒最大800万点。マーカーを貼りにくい複雑形状の測定に役立ちます。
小型部品から大きな対象まで一台で扱うなら、MIRACO Plusがおすすめです。対象サイズは最小10 mm角から最大4 m角で、スキャンは本体だけで進められます。対象の幅を重視する設計部門にも合います。
金属面の部品
切削加工した金属部品は、黒色や光沢のある面でスキャンが不安定になりがちです。光沢面を含むワークを日常的に測るなら、表面への対応方法も確認したいところです。
MetroX Proは青色レーザーと青色構造光を使い、最大1 m角の対象に対応します。単一フレーム正確度は最大0.02 mm、精度は最大0.01 mm。取得速度はレーザーで毎秒最大200万点、構造光で最大700万点です。
クロスレーザーと平行レーザーのモードでは、光沢面や暗色面をスプレーなしで取得できます。反射する加工面を前処理せずに測れるのは便利ですね。色の取得には2 MPカメラを使い、自動ターンテーブルモードにも対応します。
PLY、OBJ、STL、3MFなどで出力でき、Geomagic、PolyWorks、Fusion 360などへデータを渡せます。金属部品の形状をCADや検査ソフトへつなぐ用途なら、MetroX Proがおすすめです。
現場の大型試作
大型の筐体や治具は、測定室まで運ぶのが難しい場合があります。対象を現場に置いたまま測れるハンディ機なら、設計変更の判断を早められます。PCなしで処理まで進められる機種は、作業場所も選びません。
EinScan Libreは画面と処理装置を内蔵したワイヤレス機です。PCなしでスキャンからメッシュ化まで進められ、Laser HD、IR Rapid、IR Adaptiveの3モードを使い分けます。IRモードでは最大約10 mの対象に対応します。
Laser HDの点間距離は0.05〜3.0 mm、IR RapidとIR Adaptiveは0.5〜10 mmです。細部の取り込みと広い範囲の把握を同じ機体で行えます。IR Adaptiveは暗色・反射面に対応し、48 MPカメラで色も取得します。
MIRACO PlusもPCなしで動作し、最大4 m角の対象を扱えます。大型物では付属のフォトグラメトリ計測キットを使う長さ精度仕様があり、48 MP RGBカメラで色を取得。暗色、反射、透明の対象にはスキャンスプレーを使います。
推奨サイズが1〜15 mのHandySCAN 3D MAX EVO Eliteは、大型で複雑な部品を現場で測る機種です。38本の青色レーザーと統合フォトグラメトリを使い、スキャン範囲は最大2.0×2.4 m。作動距離は0.30〜2.50 mです。
正確度は0.075 mmで、容積精度は0.075 mmに対象長さ1 mごとに0.010 mmを加えた値です。AIによるターゲット検出と動的リファレンス機能を備え、表面前処理なしで測定できます。SOLIDWORKS、CATIA V5、Creo、NXなどとの連携にも対応します。
結論
卓上で金属の小部品を高精度に取り込むならMetroX Pro。コインほどの形状をターゲットなしで細かく測る作業には、Artec Spider IIをおすすめします。小物から大型物まで一台で扱うならMIRACO Plusが合うでしょう。
PCなしの現場作業とモードの幅を重視するならEinScan Libre、大型試作品を日常的に測るならHandySCAN 3D MAX EVO Eliteです。用途に合う機種とメッシュからCADへ戻すソフト環境をそろえることが、試作設計の改善につながります。
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