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通信が遅い、接続に失敗する。TLSの途中で止まる場合もあります。Wiresharkで調べるなら、必要なパケットを採取し、条件を絞って兆候を読む力を身につけたいところです。
本によって扱う範囲は異なります。キャプチャの基本、表示フィルター、TCPの再送や遅延、TLSハンドシェイクまで、どこを詳しく学べるかを見てみましょう。
紹介するのは日本語の実務書2冊と英語本2冊です。TCPの障害調査を軸にすると、扱う題材やTLSの詳しさの違いが見えてきます。
| 書名 | 言語・分量 | 得意分野 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
パケットキャプチャ実践技術 第2版 | 日本語・480ページ | TCP遅延、HTTPバージョン2、SSL・TLS | 3,740円(税込) |
実践 パケット解析 第3版 | 日本語 | 現場シナリオ、TCP、TShark | 3,520円(税込) |
Learn Wireshark: A Definitive Guide to Expertly Analyzing Protocols and Troubleshooting Networks Using Wireshark | 英語・606ページ | TCP・HTTP、グラフ分析 | — |
Packet Analysis with Wireshark | 英語・172ページ | TCP、TLS、HTTP | — |
表には日本語2冊の定価を掲載しています。実売価格は時期や販売店で変わるため、購入時に最新価格を確認してください。
TCPの兆候
通信が遅いとき、まず確認したいのが再送です。tcp.analysis.retransmission で該当パケットを表示し、同じデータが短い間隔で繰り返されていないか見ます。
tcp.analysis.duplicate_ack は重複ACKを探すフィルターです。再送と同じ時間帯に現れるか、どちらの端末から見えているかを追うと、データが欠けた区間を推測しやすくなります。
受信側の余裕を調べるには、tcp.analysis.zero_window が手がかりになります。この状態が続いても、すぐにネットワーク断とは判断できません。受信アプリや端末の負荷も確認したいところです。
キャプチャ地点にも目を向けましょう。片側だけの記録では往復の遅延や再送の見え方が変わります。端末側とサーバー側の時刻をそろえて比べれば、原因箇所を絞りやすくなります。
日本語で応用
竹下恵著『パケットキャプチャ実践技術 第2版』はリックテレコム刊です。2017年6月発売の480ページで、希望小売価格・定価は税込3,740円。キャプチャと解析の基礎から応用まで扱います。
キャプチャフィルターと表示フィルターを学び、HTTPバージョン2やTCPの遅延分析、障害の原因調査へ進めます。操作の基本を押さえたうえで、パケットから原因を考えたい人におすすめです。
SSLとTLSの解読も取り上げています。ダウンロードできるサンプルキャプチャファイルを使えば、実ネットワークを採取する前に再送やハンドシェイクの読み方を練習できます。
対応はWireshark 2.x系です。フィルターの考え方からTCP遅延分析、TLSまで一冊で学びたい人におすすめします。
現場例で学ぶ
Chris Sanders著『実践 パケット解析 第3版』は日本語版で、髙橋基信・宮本久仁男が監訳し、岡真由美が訳しています。2018年6月16日発売、定価は税込3,520円。ネットワーク管理を始めた人にも読みやすい構成です。
キャプチャ手法と二種類のフィルターを扱った後、実際のキャプチャを使う現場シナリオやトラブル解析へ進みます。症状に合うパケットを探す練習にもなり、用語と実例を結び付けやすい一冊です。
TCPの再送、重複ACK、ウィンドウ制御に加え、回線、クライアント、サーバーそれぞれの遅延も扱います。利用者の「遅い」という訴えを、測定できる兆候に分けて考える練習になります。
TSharkも扱っています。GUI解析から定期採取や自動化へ関心が広がったときにも役立つ内容です。Wireshark 2.xに対応し、TCP障害を調べる筋道も学べます。
英語で体系化
Lisa Bock著『Learn Wireshark: A Definitive Guide to Expertly Analyzing Protocols and Troubleshooting Networks Using Wireshark』はPackt刊の英語書です。2022年刊のペーパーバックで、606ページあります。
インターフェースや設定プロファイルから始まり、キャプチャと表示フィルターへ段階的に進みます。TCPやHTTPの解析も扱うため、自分の調査環境に合わせて設定を整えたい人にも参考になります。
Expert Systemや入出力グラフ、ストリームグラフを使った遅延調査も特徴です。時間や転送量の変化を図で追うことで、混雑や応答の偏りをつかむ視点が得られます。
本文は英語で、ネットワークやプロトコル、トポロジーの基礎知識を前提としています。英語に抵抗がなく、基本操作からグラフを使った障害調査まで学びたい人におすすめです。

Learn Wireshark: A Definitive Guide to Expertly Analyzing Protocols and Troubleshooting Networks Using Wireshark
Packt Publishing
Amazonで見るTLSを集中的に
Anish Nath著『Packet Analysis with Wireshark』はPackt刊の英語書です。2015年刊のペーパーバックで172ページ。Wireshark解析の要点をコンパクトに追えます。
GUIとコマンドラインでのキャプチャやフィルター例に加え、TCPの接続や遅延、HTTP解析を扱います。ネットワークの基礎とプロトコルのデコードに慣れている人なら、知識を調査手順に結び付けやすいでしょう。
SSLとTLSのハンドシェイク、復号、デバッグも取り上げています。TLSの流れを深く知りたい人には補助教材として便利で、TCPの問題と暗号化通信の調査を一緒に学べます。
刊行はTLS 1.3の標準化前です。現在のWireshark画面やTLS 1.3の手順は新しい資料で補い、ハンドシェイクやTCPの基本を理解する用途に絞ると、この本の短さを生かせます。
結論
日本語でパケットキャプチャからTCP遅延、HTTPバージョン2、TLSまで学ぶなら、『パケットキャプチャ実践技術 第2版』が本命です。定価は税込3,740円で、実売価格は時期や店で変わります。
現場シナリオや再送・重複ACKを追い、TSharkも学びたい人には『実践 パケット解析 第3版』がおすすめです。英語でグラフ分析を学ぶなら『Learn Wireshark』、TLSのハンドシェイクや復号、デバッグを短い英語本で読みたいなら『Packet Analysis with Wireshark』をすすめます。
表示フィルターの練習では、再送やハンドシェイクを表示し、通信の前後関係を追うところから始めましょう。自分が調べる症状に近い章がある本なら、読んだ内容を次の障害調査で試しやすくなります。
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