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CAN FD対応のUSBアダプターは、最大通信速度だけを見ると選び間違えることがあります。PCで評価するのか、製品基板に組み込むのか、複数のCANバスを同時に記録するのか。用途によって形状や必要なチャンネル数が変わります。
CAN FDは、データ部を高速で通信できるCAN規格です。以下の早見表では、4機種の接続形態やチャンネル数、主な仕様をまとめました。絶縁や対応OSも各機種の紹介で確認できます。
まず早見表
| 製品 | 主な用途 | チャンネル数 | CAN FDの主な仕様 |
|---|---|---|---|
| PEAK-System PCAN-USB FD(USB-A版) | PCでの評価・計測 | 1 | データ部最大12 Mbit/s、ISO/非ISO切替 |
| Ixxat USB-to-CAN/FD Pro Module | 機器内の基板実装 | 2 | 最大8 Mbit/s、ISO/非ISO対応 |
| Kvaser U100 | 現場・車載での計測 | 1 | 最大8 Mbit/s、IP67、強化絶縁 |
| Kvaser USBcan Pro 5xCAN | 複数バスの同時計測 | 5 | 最大8 Mbit/s、1 μsタイムスタンプ |
価格の目安は、Kvaser U100が95,700円(税込)、USBcan Pro 5xCANが360,800円(税込)です。いずれも公式の希望小売価格で、実売価格は時期や販売店によって変わります。
PCAN-USB FD
PEAK-SystemのPCAN-USB FDは、USB-AでPCにつなぐ1チャンネルのアダプターです。CAN 2.0A/BとCAN FDを1台で扱えるので、既存機器とFD対応機器を同じ計測環境で確認できます。
最大500 Vのガルバニック絶縁があり、PC側とCAN側を電気的に分けられます。評価用PCと接続先の電位差が気になる計測環境では、この絶縁仕様が判断材料になります。
CAN FDはISO/非ISOをソフトウェアで切り替えられます。データ部は最大12 Mbit/s、CANビットレートは25 kbit/sから1 Mbit/sまで。相手側の通信条件も合わせて確認してください。
CAN端子は9ピンD-Subで、終端抵抗は半田ジャンパーで有効にします。Windows 10/11ではPCAN-ViewやPCAN-Basicを使え、Linux用ドライバーもあります。動作確認からアプリ連携へ進めやすい構成です。
基板内蔵型
IxxatのUSB-to-CAN/FD Pro Moduleは、機器の基板に実装する2チャンネルモジュールです。USBとCANの接続部を製品基板にまとめる開発に使います。PCに挿す完成品アダプターとは実装方法が異なります。
USBと2系統のCANは、2.54 mmピッチの基板用メスヘッダーで接続します。複数バスの通信機能を製品に組み込む場合は、基板側の接続設計に取り込めます。
CAN 2.0A/BとCAN FDに対応し、CAN FDはISO/非ISOの両方を扱えます。データレートは最大8 Mbit/sです。外付け製品とは使い方が違うため、接続方法と実装スペースを含めて設計してください。
絶縁は1 kV DCを1分間、動作温度は-40~+85℃です。Windows用VCI、Linux用ECIとSocketCANドライバーに対応します。RTOSで使う場合は問い合わせが必要なので、対応可否を事前に確認しましょう。
Kvaser U100
Kvaser U100は、CAN FDに対応する1チャンネルのUSBアダプターです。保護等級はIP67。車載や現場で筐体の保護性能を重視するなら、U100を検討できます。
強化ガルバニック絶縁を採用し、5000 VAC rmsを60秒間印加する設計検証が行われています。この試験電圧は通常の動作電圧と同じ意味ではありません。必要な絶縁条件や試験規格と照らし合わせてください。
CAN FDは最大8 Mbit/sです。CAN 2.0Aの11ビットIDとCAN 2.0Bの29ビットIDもサポートします。USB給電のため別電源を用意せずに使え、WindowsとLinuxに対応。LinuxではSocketCANを利用できます。
公式の希望小売価格は95,700円(税込)です。実売価格は時期や販売店によって変わります。IP67の筐体と強化絶縁を備えた1チャンネル機として、現場計測に使えます。
5チャンネル機
Kvaser USBcan Pro 5xCANは、5チャンネルを同時に扱えるCAN/CAN FDアダプターです。複数のECUや制御系統がある装置で、別々のバスを並行して記録できます。
本体の端子は26ピンHD D-Subで、5チャンネル分のD-Sub 9分岐ケーブルが付属します。ケーブルの取り回しと接続先を確認しておけば、測定時の配線を組みやすくなります。
CAN FDは最大8 Mbit/sに対応し、ガルバニック絶縁も備えています。タイムスタンプの分解能は1 μsです。複数バスのイベントを細かい時刻単位で追う解析に使えます。
WindowsとLinuxに対応し、LinuxではSocketCAN、WindowsではCanKing 7を使えます。USB給電が基本で、5チャンネル同時使用時は外部電源が推奨です。希望小売価格は360,800円(税込)、実売価格は時期や販売店で変わります。
結論
PCでCAN FDを評価するなら、USB-A接続で500 V絶縁とISO/非ISO切替を備えたPCAN-USB FDがおすすめです。基板への実装と2系統の接続が必要な製品には、Ixxatのモジュールを選んでください。
車載や現場で筐体の保護性能を重視するなら、IP67と強化絶縁を備えたKvaser U100が有力です。複数バスを同時に記録する開発には、5チャンネルと1 μsタイムスタンプを持つKvaser USBcan Pro 5xCANが適しています。
組み込み開発向けのCAN FD USBアダプターは、最大速度のほか、外付けか基板実装か、チャンネル数、OSとドライバー、絶縁仕様を確認して選ぶのが確実です。
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