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株価の値動きを追うだけでは、会社がどう利益を出しているか見えにくいものです。決算の数字を事業と結び付けて考えるファンダメンタル分析は、初心者の個別株選びを支える考え方です。
5冊の早見表
| 本 | 主な視点 | 参考価格 |
|---|---|---|
株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版 | 四季報・決算書、成長株や割安株、株価指標 | 2,200円 |
知識ゼロでも大丈夫!基礎から応用までを体系的に学べる!株式投資の学校[入門編 | 基本用語から企業分析、PERの事例まで | 1,760円 |
会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方 | 四季報で成長株の候補を探す視点 | 1,540円 |
エミン流「会社四季報」最強の読み方 | 四季報を使った日本株投資と割安・クオリティ分析 | 1,870円 |
決算書×ビジネスモデル大全 会社の数字から儲かる仕組みまでいっきにわかる | 財務三表と企業の稼ぎ方を41社の事例で読む | 1,980円 |
価格はすべて税込の定価を目安に記載しています。実売価格は時期や販売店で変わるため、購入時には最新の表示を確認してください。
本ごとに学び始める場所は異なります。指標の意味を知り、決算書の数字を読めるようになると、銘柄分析につながります。
数字が事業にどう結び付くかを意識すると、本の内容を実際の企業分析に持ち込みやすくなりますよ。
分析の基本
ファンダメンタル分析では会社の業績や財務、事業の強さを調べ、株価に見合う価値があるかを考えます。まず見たいのは、利益を生む仕組みです。
出発点は売上高、営業利益、純利益、営業キャッシュフローの4つ。売上高は事業の規模、営業利益は本業のもうけを示し、純利益は最終的な利益、営業キャッシュフローは本業で得た現金の動きを表します。
決算短信には直近の実績と会社の業績予想が載っています。実績の伸びと予想の達成可能性は分けて読みましょう。会社予想は確定した結果ではありません。
四季報を使うと多くの会社を同じ形式で眺められます。ただし、短い紹介文だけで投資判断を決めるのは早計です。気になる会社は決算資料へ進み、利益の理由や財務の変化を確認します。
5冊が扱う視点
足立武志著『株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版』は2019年刊、264ページ。四季報や決算短信、財務三表を使い、成長株・割安株・復活株の見方とPER・PBR・ROEの注意点を学べます。
ファイナンシャルアカデミー編著の『知識ゼロでも大丈夫!基礎から応用までを体系的に学べる!株式投資の学校[入門編]』は2013年刊、256ページです。基本用語や四季報、決算資料を学べます。カカクコムやゲオのPER事例も掲載。
渡部清二著『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』は2018年刊。四季報誌面を使い、増収率や営業利益率、オーナー経営者、上場後の年数から成長株候補を見る構成です。
2024年刊のエミン・ユルマズ著『エミン流「会社四季報」最強の読み方』では、四季報の読み方と、日本株を割安さとクオリティの両面から見る視点を学べます。
矢部謙介著『決算書×ビジネスモデル大全 会社の数字から儲かる仕組みまでいっきにわかる』は2023年刊、272ページ。41社の分析を図解し、財務三表と稼ぐ仕組みを結び付けています。数字が稼ぎにどうつながるか知りたい人に役立つ本です。
売上と利益
成長性を見るなら、売上高と営業利益を一緒に追います。売上が伸びても利益が伸び悩む場合、値下げや仕入れ、人件費が利益を押し下げている可能性があります。
仮に売上高が100から110へ、営業利益が8から11へ増えたとします。売上成長率は10%、営業利益率は8%から10%へ改善。価格改定と販売数量のどちらが伸びを作ったか、資料で確かめます。
見る材料は業種で変わります。店舗を増やす小売なら既存店の売上と出店費用、サブスクリプション型なら契約の継続や顧客獲得費用を確かめると、成長が続くか考えやすくなります。
過去の成長率が高くても、そのペースが続くとは限りません。会社予想や次の決算で、伸びを支える要因が残っているか確かめましょう。
利益と現金
純利益が黒字でも、営業キャッシュフローが何期も弱い場合は、利益が現金になっているかを見てください。売上計上後の代金回収が遅れると、利益が手元資金に結び付きません。
売掛金や棚卸資産が売上以上のペースで増えていないかを確かめます。在庫増が新規事業の準備によるものなら、その理由を決算資料で説明できるかが判断材料です。
貸借対照表では現金、借入金、自己資本の動きを確認します。借入金の額は返済負担、本業の利益、現金収入と一緒に見て、無理なく返済できるかを確かめましょう。
ROEが高いと、利益を稼ぐ力まで強く見えます。ただ、借入や自社株買いで自己資本が小さくなると、数値が押し上がる場合もあります。負債やキャッシュフローも並べて判断しましょう。
指標の読み方
PERは株価を1株当たり利益で割った倍率で、利益と比べた株価の水準を示します。予想PERを見る際には、分母が会社予想か市場予想かも確かめてください。
株価が1,500円で予想EPSが100円なら、PERは15倍です。予想EPSが75円に下がると、株価が同じままでもPERは20倍になります。倍率から割安とは決められませんよね。
PBRは株価を1株当たり純資産で割って求めます。資産の大きな会社や金融業で参考になりますが、ブランドや技術など帳簿に表れにくい価値は数字だけでは測りにくいところがあります。
PERやPBRの適正水準は成長率、利益の安定性、業種で変わります。同業他社を比べる際は利益率や財務の強さもそろえて見ます。低い倍率だけを理由に買うのは避けましょう。
数字を検算する
気になる企業の数値は、決算短信、有価証券報告書、会社のIR資料で確認します。四季報の短いコメントから立てた仮説を、実績や会社側の説明と照らし合わせましょう。
複数の事業を持つ会社は、事業別の売上と利益も確かめます。伸びている事業が全社にどれほど貢献するのか、赤字事業が改善しているのかが見えてきます。
売上高と営業利益が伸びる一方、営業キャッシュフローが前年より減った企業を想定します。売掛金の増加が原因なら、次の期に回収状況が改善するかまで追うと、利益の質を判断しやすくなります。
本の企業事例や注目銘柄は執筆時点の材料として読みます。2018年・2019年刊の本も、新しい本の事例も、現在の業績と株価を最新資料で確かめてから判断に使いましょう。
結論
企業分析を一冊で学ぶなら、『株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版』がおすすめです。四季報や決算書、成長株・割安株、PER・PBR・ROEの注意点をまとめて学べます。
基本用語から学びたい初心者には、『知識ゼロでも大丈夫!基礎から応用までを体系的に学べる!株式投資の学校[入門編]』がおすすめです。
四季報の成長株事例を学びたい人には渡部清二氏の本、割安さと企業の質を知りたい人にはエミン・ユルマズ氏の本をすすめます。
財務諸表と事業の仕組みを結び付けたい人には、『決算書×ビジネスモデル大全 会社の数字から儲かる仕組みまでいっきにわかる』が合います。本を読んだ後は実在企業の売上、営業利益、営業キャッシュフロー、借入金を最新資料で確かめ、指標に理由を添えて説明できる銘柄を投資候補に残しましょう。
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