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個別株を調べようとExcelを開いても、売上や利益を並べるだけでは株価の見通しを立てにくいものです。そんなもどかしさ、ありますよね。財務モデリングの本では予測の根拠を式に分け、どの前提が結果を動かすかを確かめられます。
ただし、財務モデリングを学ぶ本と株式投資の分析を扱う本では、身につく内容が違います。Excelの基本から財務三表、個別株分析まで、5冊の内容を整理しました。
早見表
| 書名 | 主な内容 | 参考価格(税込) |
|---|---|---|
外資系金融のExcel作成術 表の見せ方&財務モデルの組み方 | Excelの基本、財務モデル、分析 | 1,980円 |
ファイナンスのプロになる Excel財務モデリングの教科書Ⅰ ミスを減らせるルール編 | ブックや数式の設計ルール | 2,970円 |
ファイナンスのプロになる Excel財務モデリングの教科書Ⅱ 財務三表モデルを組む実践編 | 将来予測と財務三表の連動 | 3,960円 |
Modelling プロフェッショナル財務モデリング 入門と実践 | 全体像、構築手順、ケーススタディ | 1,980円 |
Excelでここまでできる! 株式投資の分析&シミュレーション[完全入門] | 個別株分析、投資計画、検証 | 2,178円 |
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5冊はどれもExcelを扱いますが、内容の幅はそれぞれです。モデルの組み立てを掘り下げる本もあれば、株式投資の分析全般を扱う本もあります。
財務モデリングを学ぶと、業績予測を筋道立てて計算できます。個別株を調べる際は、企業の決算資料に照らして前提を確かめる視点も大切ですね。
財務モデルの基本
財務モデルは、売上や費用の前提から利益、資産、現金の動きを計算するExcelの仕組みです。過去の数字も使いつつ、業績を動かす要因を見える形にします。
個別株の予測では売上高に加え、原価、人件費、設備投資、借入金も関係します。利益が増えても売掛金や在庫が増えると、手元資金の動きは別の姿になります。ここも見落とせません。
入力する前提と計算式を分けるのが、モデルの基本です。売上成長率を変えたとき利益まで連動すれば、修正の理由や影響を追えます。
モデルが示すのは会社の業績や現金の動きです。株価には市場の評価や金利なども影響するため、計算結果だけから将来の株価が決まるわけではありません。
基礎を固める本
慎泰俊著『外資系金融のExcel作成術 表の見せ方&財務モデルの組み方』は、2014年刊のA5判192ページです。Excelの基本ルールを押さえた後、初級者向けモデル、本格的なモデル作成、モデル分析へ進みます。
題材は架空のレストランチェーン。財務実績データを出版社サイトからダウンロードできるので、実際に手を動かせます。表の整え方に加え、数字をつないで考える練習にもなります。
服部浩弥著『ファイナンスのプロになる Excel財務モデリングの教科書Ⅰ ミスを減らせるルール編』は2020年刊です。「丸の内ルール」全27トピックを通じて、ブック、シート、数式、セルの設計を学べます。本書に登場するテンプレートもダウンロード可能です。
『Modelling プロフェッショナル財務モデリング 入門と実践』は、中尾宏規著、2024年刊のA5判68ページです。全体像や構築ステップを短く押さえられる一冊。二つのケーススタディに加え、ショートカットや関数も扱っています。
三表をつなぐ本
『ファイナンスのプロになる Excel財務モデリングの教科書Ⅱ 財務三表モデルを組む実践編』は、服部浩弥著、2026年刊です。第Ⅰ巻で示される財務モデリングのルールを前提に、将来予測を三表モデルへ落とし込みます。
題材は架空の高級輸入車ディーラーです。無料でダウンロードできるExcelファイルを使い、前提条件や過去実績を整理してから、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を予測します。
資産や負債の動きも反映し、三表を連動させるのが実践編の中心です。終盤ではダッシュボード設計を扱うため、予測結果を一覧で見る方法まで学習範囲に入ります。
財務分析や事業計画の実務スキルを高めたい人向けです。項目別の予測から三表統合まで進むため、Excelに慣れていない人は設計ルールを先に押さえると計算を追いやすくなります。
株式分析の本
藤本壱著『Excelでここまでできる! 株式投資の分析&シミュレーション[完全入門]』は、2019年刊、A5判304ページです。株式投資でのExcel活用を幅広く扱う入門書です。
ファンダメンタル分析に加え、テクニカル分析、投資計画、バックテストも扱います。本文の事例用サンプルExcelファイルがあり、分析やシミュレーションを自動化する株式投資アドインも使えます。
個別企業の調査から投資計画、過去データによるバックテストまで幅広く扱います。財務三表をゼロから連動させる手順とは、学べる範囲が異なります。
Excelで株式投資を始めたい初心者には、分析例を試せる構成が実用的です。財務モデルの構造を掘り下げるなら、売上や利益の予測から三表をつなぐ本も役立ちます。
個別株の予測軸
売上高を成長率ひとつで延長すると、予測の根拠が見えにくくなります。小売企業なら店舗数、客数、客単価のうち何が売上を左右するのか。前提を分ければ、予測の中身が具体的になります。
利益は売上以外の数字にも左右されます。仕入れ価格、人件費、広告費を分けて考えると、増収でも利益が伸びないケースを計算できます。決算説明資料や有価証券報告書が前提を考える手がかりです。
たとえば売上高100億円、営業利益率10%なら、営業利益は10億円です。翌期に売上が110億円へ伸びても利益率が9%に下がれば、営業利益は9億9,000万円。増収でも利益はわずかに減ります。
差を生むのが一時的な要因か、事業構造の変化かで見立ては変わります。基本ケースに売上成長率や利益率を変えたケースを加えると、どの前提が結果を大きく動かすか確認できます。
予測が外れる理由
企業の決算には、通常の事業活動以外の要因が混ざることもあります。一時的な特別利益や大型案件の計上をそのまま延長すると、翌期の利益を高く見積もってしまうかもしれません。
会社全体の数字だけでは見えにくい事業差もあります。決算資料でセグメント別の売上や利益、季節性を確認すれば、どの部門が全体の成長を支えているか整理しやすくなります。
為替や原材料価格、賃金、設備投資は、業績に表れる経路が業種ごとに異なります。会社の説明と過去の実績に照らし、どの項目に反映するかを分けて前提を置きましょう。
予測を実績と突き合わせると、前提の見積もりと数式のどちらを見直すべきか分かります。決算が出るたびに根拠を更新すれば、Excelモデルを継続して使えます。
結論
財務モデリングを一から学ぶ初心者には、『外資系金融のExcel作成術』をおすすめします。Excelの基本からモデル分析まで段階的に触れられ、ダウンロードできるレストランの事例で手を動かせるためです。
個別株の分析や投資シミュレーションをExcelで試すなら、『株式投資の分析&シミュレーション[完全入門]』が目的に合います。三表モデルまで学ぶ場合は、第Ⅰ巻で設計ルールを押さえてから第Ⅱ巻へ進むのが着実でしょう。
全体像を短時間で押さえるなら、68ページの『Modelling』が適しています。Excel設計のルールを丁寧に学ぶなら第Ⅰ巻をおすすめします。予測の前提は、実際の決算資料と照らして確かめましょう。
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