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読みやすいコードの本を探すとき、命名や関数設計が日々の実務にどうつながるのか、気になりますよね。知識を得たうえで、次のコードレビューで直す点が見える一冊が欲しいところです。
取り上げる4冊は、日々の書き方を整える本から既存コードを安全に改善する本まで、得意分野が分かれています。書名が似た本もありますが、扱うテーマを見れば違いがつかめます。
変数名や関数の責務で迷うなら、読みやすさの基本と設計改善を分けて考えると、必要な一冊を見つけやすくなります。扱う深さにも注目です。
早見表
4冊の中心テーマと実務で扱う項目を並べました。参考価格は税込の定価で、実売価格は購入する時期や店舗によって変わります。
| 書籍 | 中心テーマ | 実務で扱う軸 | ページ数 | 参考価格 |
|---|---|---|---|---|
リーダブルコード | 読みやすさの基本 | 命名、制御フロー、テスト | 260 | 2,640円 |
[増補改訂]良いコードを書く技術 | 保守しやすい作法 | 命名、分割、抽象化 | 264 | 2,948円 |
改訂新版 良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門 | 設計の改善 | 命名、メソッド、重複 | 408 | 3,520円 |
リファクタリング(第2版) | 安全な構造変更 | テスト、条件分岐、API | 456 | 4,840円 |
ページ数は読み終えるまでの長さの目安になりますし、扱う話題の広さも伝えます。後半の2冊は、動いているコードを改善する方法まで掘り下げています。
日々の命名や関数設計を身につけるなら前半の本、既存コードの変更手順を学ぶなら後半の本、と分けて捉えられます。参考価格はいずれも税込の定価です。
読みやすさの考え方
読みやすいコードは、書いた本人の記憶に頼りません。数週間後の自分や初めて触る同僚も、名前と処理の流れをたどれば意図をつかめる。その状態を目指します。
業務コードは書いたあと何度も読み返され、変更時には周辺も調べることになります。その時間を減らすのが、意図の見える名前や追いやすい分岐です。
短いコードがいつも読みやすいとは限りません。条件を一行に詰めると文字数は減っても、読み手は意味を頭の中で組み立て直すことになります。
読み手が止まる箇所を探せば、改善点が具体的になります。迷いが名前にあるのか、処理の流れやテストにあるのかが分かれば、直す範囲も絞れます。
命名で意図を伝える
変数名は型を示すと同時に、値が何を表すかも伝えます。dataやflagでは役割が広くなりがちですが、overdueInvoicesやisEligibleなら使い道を想像しやすくなります。
関数名に目的や結果を入れると、処理の流れを追いやすくなります。process()だけでは作業が伝わりません。calculateInvoiceTotal()なら何を返すかまで読めます。
長い名前に変えれば問題が解けるわけではありません。一時変数に説明を足すより、処理を分けて役割ごとに名付けるほうが自然な場合もあります。
名前の意味を短い文にしてみると、曖昧さに気づけます。説明で条件や例外が次々と出てくるなら、名前だけでなく関数の責務にも手を入れる余地がありそうですね。
関数設計を考える
関数は、ひとまとまりの目的を読み手に伝える単位です。長さだけを基準に区切らず、処理に名前をつけると意味がはっきりする場所を探す。そこが分割を考える目安になります。
引数が増えると、呼び出し側で値の意味を見失いやすく、渡す順番も間違えやすくなります。関連する値をまとめ、戻り値を明確にすれば関数を使いやすくできます。
同じ処理が複数箇所にあると、片方を直したときに別の場所で修正漏れが起きます。見た目が似ている処理まで共通化すると例外が増えるため、まとめる範囲を考えます。
関数を変えるときは、呼び出し側とテストも合わせて確かめます。実装の一行を整えるだけでは足りません。入力から結果まで、意図がつながって読めるかも確認します。
リーダブルコード
『リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック』はオライリー・ジャパン刊。2012年発行の紙版で260ページです。命名やコメント、制御フロー、論理式、変数を扱います。
変数名や条件式を読み手の目で確かめる視点が、実務で役立ちます。意味の通る名前に直し、複雑な式を読みやすく整える。コードレビューでも話題にしやすい改善例です。
コードの再構成やテストの読みやすさまで収録し、日々の小さな改善を一冊で学べます。読みやすさを体系的に考え始める人におすすめです。
良いコードを書く技術
『[増補改訂]良いコードを書く技術 ──読みやすく保守しやすいプログラミング作法』は縣俊貴著。技術評論社から2021年に発行された紙版で、264ページです。対象は初級から中級のプログラマー。
良いコードを書く習慣や命名、コードの分割と集約に加え、抽象化、計算量、ユニットテストも扱います。日々の作法をまとめて学べる構成です。
増補改訂版ではコード例を現代化し、第7章「データ構造」を追加しました。命名の先にあるコードの組み立てやテストまで、基礎を広げたい人におすすめです。
良いコード/悪いコード
『改訂新版 良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門 ―保守しやすい 成長し続けるコードの書き方』は仙塲大也著。技術評論社刊、2024年発行の改訂新版で、408ページ、A5判の紙版です。
意味が分かりにくい命名や重複コードをはじめ、メソッドの分割、引数と戻り値を具体例から学べます。変更しにくいコードの問題と改善を順に追える本です。
テストを使ったリファクタリングも扱います。変更後の動作を確かめながら改善する流れが分かるので、後から変更しやすい設計を考えたい人にもおすすめです。
リファクタリング
Martin Fowler著『リファクタリング(第2版) 既存のコードを安全に改善する』はオーム社刊。2019年発行の紙版で456ページです。コード例にはJavaScriptを使います。
コードの不吉な臭いを見つける方法やテストの構築、カプセル化、条件記述の単純化を扱います。APIのリファクタリングにも触れ、動作を保って構造を改善する原則を学べます。
対象は初級から上級までのソフトウェア開発者やプログラマーです。既存コードを安全に直す人には、具体的な改善手順を調べる参考書としておすすめです。
結論
命名やコメント、条件式など毎日の記述を幅広く改善したいなら『リーダブルコード』がおすすめです。コード分割や抽象化、テストの基礎も学びたい人には『良いコードを書く技術』が合います。
悪い例から設計改善を学ぶ人には『良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』がおすすめです。動作を保ちながら既存コードを直す手順を深めるなら『リファクタリング(第2版)』をどうぞ。
読みやすいコードは、一度名前や関数を整えれば完成するものではありません。変更やレビューのたびに迷う箇所を一つ減らす。その繰り返しを支える本を選んでください。
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