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組み込み基板のデバッグや初期設定では、USB UART変換アダプターが一台あると助かる存在です。PCで起動ログを読めますし、コマンド送信も簡単。信号電圧や端子配列が合わないと通信できず、接続先を傷めるおそれもあります。小さな基板でも確認は欠かせませんね。
今回はFTDI系のキット、CP2102N搭載品、CH343搭載品から4製品を取り上げます。早見表では、電圧や端子、特徴を先に見られるようにしました。
| 製品 | 信号電圧・チップ | USB・接続まわり | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 秋月電子通商 FT232RQ USBシリアル変換モジュールキット | 3.3Vと5V切替、FT232RNQ(旧版はFT232RQ) | Micro-B、6端子にはんだ付け | 最大3Mbps、VCCは5V出力 |
| Pololu CP2102N USB-to-Serial Adapter Carrier | 3.3V信号、信号入力は5V対応 | Micro-B、ヘッダー付属 | 最大3Mbps、RTS・CTS・GPIO |
Adafruit CP2102N Friend | 3.3V信号、CP2102N | Type-C、6ピンFTDI互換配列 | Linuxでドライバー不要、LED付き |
Waveshare CH343 USB UART Board | 3.3Vと5V切替、外部電圧で2.5Vと1.8Vも対応 | USB端子形状を選択、6ピンケーブル付属 | 最大6Mbps、保護機能を搭載 |
USB UARTの役割
USB UART変換アダプターはPCのUSBとマイコン側のUART信号をつなぐ機器です。USBはPCとの接続方式で、UARTは基板間のシリアル通信。アダプターを通すと、端末ソフトから文字を送受信できます。
UARTで基本になる線はTX、RX、GND。TXは送信、RXは受信です。アダプターのTXから基板のRXへ、基板のTXからアダプターのRXへつなぎ、両者のGNDも共有します。信号の基準をそろえるためです。
今回の4製品はTTLレベルのUART向けです。RS-232は電圧や極性が異なる方式なので、端子が似ていても直結できません。故障につながるおそれがあるため、基板の表示や回路図で信号方式を確かめてください。
FT232RQキット
秋月電子通商のFT232RQキットでは、現行品にFT232RNQ、旧版にFT232RQが使われています。DIPスイッチで信号レベルを3.3Vと5Vに切り替えられるため、両方のTTL機器を試せます。
USB端子はMicro-Bで、ターゲット側には6端子があります。接続にはピンヘッダーかピンソケットのはんだ付けが必要です。通信速度は300bpsから3Mbps。配線を自分で組みたい人に合うキットですね。
電源まわりではVCCに注意してください。信号を3.3Vに切り替えてもVCCの出力は5Vで、標準350mAです。別電源で動く基板へ安易に給電すると、電源同士が競合したり過電圧になったりするおそれがあります。信号線と電源線は用途を分けて考えましょう。
FTDIのVCPドライバーに対応し、Windows、Linux、macOSで使えます。3.3V系と5V系の基板を交互に評価したい人や、はんだ付けで配線を組みたい人にはこのキットがおすすめです。VCCが固定5Vという点は覚えておきましょう。
秋月電子通商 FT232RQ USBシリアル変換モジュールキット
Amazonで探すCP2102Nキャリア
PololuのキャリアはSilicon LabsのCP2102Nを載せ、3.3V信号を扱います。信号入力ピンは5Vに対応。接続先の5V機器が3.3VをHighとして認識する場合にも使えますが、アダプターの出力は3.3Vです。
ターゲット側には0.1インチ間隔のピンが並び、付属ヘッダーでブレッドボードや1×6端子へ接続できます。USB端子はMicro-B。ケーブルは別途用意してください。
通信速度は300bpsから3Mbpsです。RTS、CTSなどの制御信号に加えてGPIOも利用できます。TXとRXだけでは足りない機器でも、必要な制御線を使えます。フロー制御を組む場合は端子も見ておきましょう。
Windows、Linux、Mac OS X向けのSilicon Labsドライバーが用意されています。3.3V信号を使いながら、接続先からの5V入力も受けたい人におすすめです。
Pololu CP2102N USB-to-Serial Adapter Carrier
Amazonで探すCP2102N Friend
AdafruitのCP2102N FriendはUSB Type-C接続で、信号は3.3Vです。5Vシステムにも対応しますが、信号レベルの切り替えスイッチはありません。相手側が3.3VのHighを認識する構成か、接続前に確かめましょう。
ターゲット側はFTDIケーブル互換の6ピン配列です。直角ソケットとピンヘッダーが付属し、シリアルコンソール用の6ピン端子がある基板に接続できます。差す前に各ピンの信号名も照合してください。
Linuxでは追加ドライバーが不要です。WindowsはWindows Update経由、macOSにはSilicon Labsのドライバーを案内しています。TXとRXのLED、モデム制御信号ピンも搭載。ログを見ながら作業しやすい構成です。
最大通信速度は3Mbps。Linuxマシンから3.3V機器のコンソールを開きたい人におすすめです。5V信号を出力する機器ではないため、信号レベルは事前に確かめてください。
CH343ボード
WaveshareのCH343ボードは、ジャンパーで3.3Vと5Vの信号レベルを切り替えます。外部電圧を使う場合は2.5Vと1.8Vにも対応。電圧の選択肢が広い製品です。
USB端子はType-A・Type-C・Micro-USB・Mini-USBから選べます。PCや手持ちケーブルに合う形状を確かめましょう。ターゲット側は6ピンの直角ヘッダーで、6ピンケーブルが付属します。
通信速度は50bpsから6Mbpsです。今回の4製品では上限が最も高い製品。実際の速度はマイコンや配線、端末ソフトの設定にも左右されます。端末のボーレートを接続先に合わせてください。
Linuxではドライバー不要です。対応OSはWindows 7~11、macOS、Android。リセッタブルヒューズ、ESD保護、I/O保護ダイオードを搭載しています。WindowsではCDCが標準で、VCPを使う場合は手動でドライバーを導入します。
結論
3.3Vと5Vの信号を切り替えて試す人には秋月電子通商のFT232RQキットがおすすめです。3.3V信号と5V入力許容、制御線が必要ならPololuのCP2102Nキャリアを選びましょう。Type-C接続とLinuxでの手軽さを重視するならAdafruit、広い電圧対応や6Mbpsを求めるならCH343がおすすめです。
価格は販売店や時期によって変わります。参考価格が掲載されている場合は、購入時点の金額を確認してください。ケーブルやヘッダーが別売りかまで見ると、実際の出費を把握しやすくなります。
最後に確認するのは、接続先のUART電圧とTX・RXの配列、そしてアダプターから給電する必要があるかです。条件が決まれば、Linux用ドライバーやUSB端子、はんだ付けの有無を照らし合わせて機種を絞れます。
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