C++ 本のおすすめ6選|C++20・RAII・スマートポインタ・テンプレート【中級者向け】

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C++20を学ぶ中級者が知りたいのは、新機能の一覧だけではありません。RAIIで資源の寿命を管理し、スマートポインタで所有権を表し、テンプレートで型に依存しないコードを書く。この三つの考え方が結びつく本なら、実装時にも内容を思い出しやすくなります。

用語を知っていても、unique_ptr と shared_ptr の使い分けや、Conceptsを加える理由は曖昧になりがちです。経験に合った解説を読むと、コードのどこを見ればよいかも定まりやすいですよね。

早見表

C++20を基礎から学ぶ教程から、経験者向けの専門書、日本語の逆引き本まで並べました。対象読者や扱う内容には、それぞれ違いがあります。

書名主な内容向く読者
C++20 for Programmers: An Objects-Natural ApproachC++20 for Programmers: An Objects-Natural ApproachRAII・スマートポインタ・コピー/ムーブ・Concepts。960ページ、200以上の例他言語経験者から中級者
Exploring C++20: The Programmer's Introduction to C++Exploring C++20: The Programmer’s Introduction to C++小さなレッスンとプロジェクトで学ぶ。667ページC++経験が少ない人
C++20 - The Complete GuideC++20 – The Complete GuideConcepts、Ranges、Modules、Coroutines。130以上の例C++経験者
A Tour of C++A Tour of C++ISO C++20の主要機能を320ページで概観経験者、全体像をつかみたい人
Professional C++Professional C++C++23、メモリ管理、テンプレートを広く扱う。1,376ページ実務経験者、上級者
[改訂第5版]C++ポケットリファレンス[改訂第5版]C++ポケットリファレンスC++23対応。スマートポインタやテンプレートを逆引き日本語で項目を確認したい人

C++20対応の本でも、基礎を順に学ぶ教程と新機能を掘り下げる専門書では読み進め方が違います。コード例を調べる用途には、逆引き本が役立ちます。

RAII、スマートポインタ、テンプレートは別々の用語に見えますが、資源の寿命と所有権の流れを追うと理解がつながります。この視点を押さえると、各機能の役割も見分けやすくなります。

RAIIの役割

RAIIは、リソースの確保と解放をオブジェクトの寿命に結びつける考え方です。ファイルやロック、動的メモリをスコープ単位で管理でき、例外が発生してもデストラクタが後始末を担います。

ロックを表すオブジェクトを作ると、スコープを抜けるときにロックが解放されます。関数の出口ごとに解放処理を書く場合と比べ、早期returnや例外があっても漏れを防ぎやすい仕組みです。

この考え方はスマートポインタにも使われています。標準ライブラリのコンテナやロック管理クラスにも見られます。コードを読むときは、どのオブジェクトが資源を所有し、いつ寿命を終えるのかを追います。

所有権の設計

std::unique_ptr は単独所有を表すスマートポインタです。所有権を移すときはムーブし、所有者がスコープを抜けると管理対象が解放されます。単独所有をコードで示せるため、持ち主を追いやすくなります。

複数の場所で寿命を共有する必要があるなら、std::shared_ptr が候補になります。最後の所有者がいなくなると対象が解放される便利な仕組みですが、所有関係が見えにくくなり、循環参照では対象が解放されないこともあります。

std::weak_ptr は共有所有に加わらず、対象がまだ生きているかを確かめる用途に使えます。所有せず参照だけを渡すなら、通常のポインタや参照も使えます。コード上で所有権の有無を区別することが大切ですね。

テンプレート

テンプレートを使うと、型を固定せずに関数やクラスを記述できます。たとえば、さまざまな数値型に使える最大値を返す関数を作れます。便利な反面、使えない型を渡したときにエラーが読みにくくなる場合もありました。

C++20のConceptsは、テンプレートが受け入れる型の条件を明示します。比較できる型を受け取る、といった意図をコードに表せるので、呼び出し条件も読み取りやすくなります。Conceptsはテンプレートに添える形で制約を記せる機能です。

RAIIやスマートポインタを学んでからテンプレートを見ると、標準ライブラリが型の違いをどう扱うかも読み取れます。具体的な型でコードを動かしたうえで汎用化の理由を学ぶと、中級者にも理解しやすいでしょう。

段階を追う二冊

Paul Deitel、Harvey Deitelの『C++20 for Programmers: An Objects-Natural Approach』は、他の高級言語を経験したプログラマー向けの教程です。2022年刊の第3版で960ページあり、C++11、C++14、C++17、C++20を扱います。一部にC++23の話題も載っています。

RAII、スマートポインタ、コピー/ムーブセマンティクスをまとめて学べます。メモリ管理を用語の暗記で終わらせず、オブジェクトの寿命や所有権と結びつけたい人におすすめです。関数テンプレートやC++20 Concepts、メタプログラミングも範囲に含まれます。

実践的なコード例は200以上あり、サンプルコードはGitHubで公開されています。960ページと分量が多く、基礎から中級へ順に理解を積み上げたい人におすすめの一冊です。

C++20 for Programmers: An Objects-Natural Approach

C++20 for Programmers: An Objects-Natural Approach

Pearson

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Ray Lischnerの『Exploring C++20: The Programmer’s Introduction to C++』は、C++経験が少ない人も対象にした2020年刊の第3版です。667ページの小さなレッスンを重ね、標準ライブラリやジェネリックプログラミングへ進みます。

スマートポインタやテンプレートに加え、Traits/Policies、コンパイル時プログラミングも扱います。固定小数点数やBMI計算などのプロジェクトがあり、学んだ内容を小さな実装につなげやすい構成です。

この本はC++全体の理解を進める教程です。C++経験が浅く、基礎から実用的なプロジェクトまで順を追って学びたい人におすすめします。

Exploring C++20: The Programmer's Introduction to C++

Exploring C++20: The Programmer’s Introduction to C++

Apress

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C++20を深掘る

『C++20 – The Complete Guide』は、すでにC++を知っている人が新しい言語・ライブラリ機能を学ぶための本です。2021年に初公開され、ハードカバー版は764ページ。Modules、Concepts、Ranges、Coroutinesなどを解説します。

130以上のサンプルを通じて、機能が加わった背景や日々の開発での活用まで追えます。文法の基礎から始めたい人には負荷が高めですが、C++20への移行や各機能の意図を深く知りたい経験者におすすめです。

C++20 - The Complete Guide

C++20 – The Complete Guide

Nicolai M. Josuttis

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Bjarne Stroustrupの『A Tour of C++』第3版は、2022年刊、320ページのコンパクトな概観書です。オブジェクト指向やジェネリックプログラミングの文脈から、ISO C++20の主要機能と標準ライブラリを紹介します。

Modules、Concepts、Coroutines、Rangesにも触れます。経験者がC++20の全体像を短くつかむための本です。基礎からRAIIやスマートポインタを学びたい人には、別の教程をおすすめします。

A Tour of C++

A Tour of C++

Addison-Wesley Professional

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実務と参照

Marc Gregoireの『Professional C++』第6版は、2024年刊の1,376ページです。C++23の機能をほぼ網羅し、メモリ管理を221〜257ページ、テンプレートによるジェネリックコードを451〜499ページで扱います。WindowsとLinuxでテストしたコード付きケーススタディも収録されています。

範囲が広く、専門性も高い本です。実務経験者がメモリ管理やテンプレートを独立した章で調べ、C++23まで知識を広げるときに役立ちます。中級者には必要な章から読む方法がおすすめです。

Professional C++

Professional C++

Wiley

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『[改訂第5版]C++ポケットリファレンス』は2024年4月26日発売、592ページの日本語書籍です。目的から項目を探す逆引き形式で、スマートポインタの共有方式・専有方式や、オブジェクトの生死の監視をコード例とともに確認できます。

テンプレートやクラステンプレートの型推論に加え、コルーチン、レンジ、ロック管理も扱います。C++23対応で、税込3,520円は公式定価です。実売価格は時期や店舗によって変わります。学習中に項目を日本語で調べたい人には便利な一冊です。

[改訂第5版]C++ポケットリファレンス

[改訂第5版]C++ポケットリファレンス

技術評論社

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結論

C++20、RAII、スマートポインタ、テンプレートをまとめて中級まで学ぶ主教材には、『C++20 for Programmers』が最も条件に合います。 960ページと厚めですが、リソース管理からConceptsまで続けて学べ、具体例も豊富です。

C++経験が浅ければ『Exploring C++20』から始めるのがおすすめです。経験者が新機能を深掘りするなら『C++20 – The Complete Guide』、短く全体を見渡すなら『A Tour of C++』が候補になります。C++23や実務の章まで広げたい人には『Professional C++』が合います。

日本語でスマートポインタやテンプレートの項目をすぐ確認したい人には『C++ポケットリファレンス』がおすすめです。体系的な教材と逆引き本を役割に応じて使えば、C++20の理解を実装や日々の調査に結びつけられます。

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