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OpenStackをPython SDKから扱う開発では、NovaやNeutronのAPIを覚えるだけでなく、認証やリソースの関係も把握する必要があります。まず基盤全体をつかみ、その後にコード例へ進むと理解がつながります。
OpenStack本のおすすめは、目指す作業で変わります。基盤設計、Python SDKによる開発、ネットワーク運用。それぞれに役立つ5冊を紹介します。
どの本も英語のペーパーバックです。発行年と扱うリリースは本ごとに異なります。手順を参考にするときは、その違いも見ておきましょう。
五冊の早見表
| 書名 | 主な対象 | 発行年・ページ | 強み |
|---|---|---|---|
Mastering OpenStack, Third Edition | 基盤管理・設計 | 2024年・392ページ | 設計から運用までの全体像 |
OpenStack Cloud Computing Cookbook, Fourth Edition | 構築・運用 | 2018年・398ページ | 100以上のレシピ、CLIとAnsible |
Hybrid Cloud for Developers | Python開発 | 2018年・280ページ | OpenStack SDKを使ったアプリ開発 |
Hands-On Enterprise Automation with Python | 管理自動化 | 2018年・398ページ | PythonとAnsibleでの運用作業 |
Learning OpenStack Networking, Third Edition | ネットワーク運用 | 2018年・462ページ | Neutronの構成と高度な機能 |
SDKでNovaやNeutronを操作したい人には『Hybrid Cloud for Developers』がおすすめです。基盤全体の設計まで知りたい場合は『Mastering OpenStack』を併読すると、API操作の背景にある運用要件もつかめます。
構築や設定を手順に沿って学ぶなら『Cookbook』が適しています。Neutronを掘り下げる人には『Learning OpenStack Networking』、Pythonによる幅広い管理自動化には『Hands-On Enterprise Automation with Python』をおすすめします。
価格は版や在庫、為替の影響で時期ごとに変わります。購入時点の販売価格を確認してください。どの本も英語なので、技術書を英語で読む負担も考えておきたいところです。
SDKを掴む
OpenStack SDKは、PythonプログラムからOpenStackのサービスを呼び出すライブラリです。認証情報を使って接続し、インスタンスやネットワークなどをコードから操作できます。
たとえば、管理画面で確認していた仮想サーバーの一覧を定期的に取得したり、社内ツールからサーバーを作成したりできます。繰り返しの作業をまとめられるのが、SDKを使う利点ですね。
認証を担うのがKeystoneです。SDKからの要求は認証を経て各サービスへ届き、Computeを担当するNovaやネットワークを担当するNeutronが、それぞれのリソースを操作します。
接続先やプロジェクト、利用するリージョンを整理しておくと、接続エラーの原因を追いやすくなります。認証情報はソースコードに直接書かず、設定ファイルや環境変数で管理するのが基本です。
NovaとNeutron
Novaは仮想サーバー、つまりインスタンスの作成や状態管理を担当します。CPUやメモリーのフレーバー、起動元のイメージなどを指定すると、NovaがCompute基盤で処理を進めます。
Neutronは仮想ネットワークのサービスです。ネットワークやサブネット、ポート、ルーター、セキュリティグループを管理し、インスタンスに通信経路と接続口を用意します。
両サービスはインスタンスの起動時に連携します。Novaがサーバーを作る際にNeutronのポートへ接続する、と押さえておけば、SDKの操作と画面上のリソースの関係も理解しやすくなります。
基盤全体を学ぶ
Omar Khedher著『Mastering OpenStack』第3版は、2024年刊の392ページ。OpenStack Antelopeおよびそれ以降の更新を扱い、設計、コントロールプレーン、Compute、Storage、Networking、DevSecOps、運用監視を取り上げます。
サービスの呼び出し方に加え、各サービスの組み合わせ方や本番運用の構成も学べます。OpenStack管理者、クラウドアーキテクト、DevOpsエンジニアが、個々のAPI操作を基盤全体の設計につなげるのに役立つ内容です。
Pythonのコード例を集中的に探す人には、少し方向が違います。まず構成要素と運用上の論点を把握し、その後にSDKの実装書へ進むと自然です。新しいリリースを意識して全体像を学ぶなら、手に取る価値の高い一冊でしょう。
レシピで構築
『OpenStack Cloud Computing Cookbook』第4版は、Kevin Jackson、Cody Bunch、Egle Sigler、James Dentonによる398ページの実践書です。OpenStack-Ansibleによる構築のほか、Keystone、Neutron、Novaなどの設定や運用を100以上のレシピで扱います。
Pythonクライアントの導入と設定に加え、OpenStackClientを使ったCLI操作も登場します。コマンドを実行しながら、サービスや設定項目への理解を深めたいクラウドエンジニアにおすすめです。
例はPikeを中心に、QueensやRockyのブランチにも触れる2018年刊です。手順は現行環境にそのまま当てはめず、構築作業の分解や設定項目を学ぶ資料として読むのが現実的。コマンドの細部は利用するOpenStackの版に合わせて確認しましょう。
SDK開発を学ぶ
『Hybrid Cloud for Developers』はManoj Hirway著、280ページの開発者向け書籍です。OpenStack SDKの導入と開発環境づくりから、最初のアプリ作成までをソースコード例付きで学べます。Python SDKが目的なら、内容がまっすぐ重なります。
扱うのはImage、Compute、Networking、Identity、Block Storage、Heatです。イメージの選択や認証から、Novaでのインスタンス作成、Neutronのネットワークへの接続まで、サービスをまたぐアプリの流れを考える手がかりになります。
AWSとのハイブリッドクラウドも範囲に含みます。2018年刊なので、認証やサービス呼び出しの考え方をつかみつつ、SDKのメソッド名や設定方法は現行の公式リファレンスで確認しましょう。コード例から学びたい人におすすめの主教材です。
Pythonで自動化
『Hands-On Enterprise Automation with Python』はBassem Aly著、398ページ。Python、Ansible、FabricでネットワークやLinux、クラウドの管理作業を自動化する方法を扱います。主題はインフラ運用の自動化です。
OpenStack関連では、Keystoneへのリクエスト、Pythonでのインスタンス作成、Ansibleによるインスタンス管理が登場します。日々の管理作業にPythonを取り入れる具体例を学べる本ですね。
PythonとLinuxシェルの基礎があるシステム管理者やDevOpsエンジニアにおすすめです。SDK開発やNova・Neutronの詳しい解説は別の本で学び、この本で自動化の幅を広げると役割が明確になります。
Neutronを深掘る
James Denton著『Learning OpenStack Networking』第3版は462ページです。ネットワーク、サブネット、ポートの基本から、プラグインやエージェントの設定までNeutronを中心に扱います。ネットワークの基礎知識がある運用者におすすめです。
DVRやVRRPによる高可用ルーティング、ロードバランサー、セキュリティグループ、VPNaaSも詳しく取り上げます。ポートやルーターの役割を理解していれば、ネットワーク障害の調査やSDKの呼び出し結果の確認にも役立ちます。
2018年刊で、Ubuntu 16.04 LTS上の導入手順も含みます。インストール工程は現在の環境に合わせて読み替えましょう。Neutronの構成要素を詳しく学びたい人に、具体的な材料を与えてくれる本です。
結論
Python SDKによるOpenStack開発が目的なら、最初の一冊は『Hybrid Cloud for Developers』です。SDKの導入から複数サービスを使うアプリまで範囲が合い、NovaとNeutronの連携をコード例から追えます。
設計や本番運用の判断力も身につけたいなら、2024年刊の『Mastering OpenStack』を併読しましょう。構築手順には『Cookbook』、Python自動化には『Hands-On Enterprise Automation with Python』、ネットワークには『Learning OpenStack Networking』がそれぞれ役立ちます。
古い版のコマンドや導入手順は現行環境と照らして使ってください。全体像、SDKの実装、担当サービスの専門知識を順に押さえれば、OpenStackクラウド基盤の開発へ着実に進めるでしょう。
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