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Raspberry Piを常時動かしていると、短い停電やケーブル抜けで書き込み途中のデータが失われることがあります。外部電源が途切れるとバッテリーへ切り替えるUPS HATは、こうした電源断への備えです。
ただし、給電が切り替わってもOSが安全に終了するとは限りません。対応するPiや出力、電池構成に加え、終了処理の仕組みも確認しましょう。ここを押さえておけば、導入後に想定と違う事態を減らせます。
UPS HATの役割
Raspberry Pi用UPS HATは、対応するPiに重ねて取り付け、外部電源が途切れたときにバッテリーから給電する基板です。監視カメラや小型サーバーの電源断に備えるなら、対応するUPS HATが役立ちます。
とはいえ、UPS HATがあれば停電中も長時間動かせる、というわけではありません。稼働時間は電池の容量やPi本体、接続した周辺機器の消費電力で変わります。短い電源断への備えか長めの運転かで、必要な構成も変わってきます。
もうひとつ見逃せないのが、低残量時の終了処理です。給電を続けられなくなる前にOSへ終了を指示し、保存中のデータを閉じる設定が必要な機種もあります。HATを載せるだけで安全終了まで済むと思い込まないようにしましょう。
早見表
最初にRaspberry Piの対応機種と、電池が付属するかを確かめてください。出力値や電池の種類、残量低下時の終了機能も製品ごとに異なります。
| 製品 | 対応Pi | 出力・電池 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Waveshare UPS HAT (C) | Zeroシリーズ | 5V・1000mAh付属 | 小型。I2Cで残量監視 |
| Waveshare UPS HAT (B) | Pi 5/4B/3B+ | 5V最大5A・18650×2別売 | GPIOを電源接続に使わない |
| Waveshare UPS HAT (E) | Pi 5/4B/3B+ | 5V最大6A・21700×4別売 | USB-C最大40W、残量警告 |
Geekworm X1209 | Pi 5/4B/3B/3B+ | 5.1V最大6A・電池別売 | 対応セルを並列接続 |
Geekworm X728 V2.5 | Pi 4B/3B+ほか | 5.1V最大5A・18650別売 | RTCと電池残量監視 |
価格は販売時期やセット内容によって変わります。電池や充電器が別売なら、本体価格だけで比べず、必要な部品をそろえた合計で見るのが現実的ですね。
Zero向けの一枚
Raspberry Pi Zeroシリーズには、Waveshare UPS HAT (C)がおすすめです。803040 LiPoバッテリーが付属し、出力は5V。基板サイズは65×30mmで、Zeroを使った小型構成にまとめやすい製品です。
外部電源で給電しながらバッテリーを充電し、電源がなくなると自動でバッテリーへ切り替わります。バッテリー用ヘッダーを搭載しており、GPIOピンヘッダーは自分ではんだ付けする必要があります。
I2C経由で電圧、電流、電力、残量を確認できます。低電圧を監視し、データを保存して終了するにはソフトウェアの設定が必要です。Pi Zeroで電源断後の短い猶予を確保したい人に、Cをおすすめします。
Waveshare UPS HAT (C)
Amazonで探すUPS HAT (B)
Waveshare UPS HAT (B)はPi 5、4B、3B+に対応し、5Vで連続最大5Aを出力します。18650電池を2本使いますが、電池は別売です。セルによって容量が変わるため、稼働時間も電池構成次第となります。
Pogoピンで給電するので、GPIOを電源接続に使わずに済みます。5V USB出力も備えており、Piとは別のUSB機器へも電源を出せます。基板サイズは56×85mmです。
8.4V・2A充電器は購入時に選ぶオプションです。18650電池と充電器がセットに含まれるか、購入時に確認してください。低電圧時の安全終了には、I2C監視とソフトウェア設定が必要です。
Waveshare UPS HAT (B)
Amazonで探すUPS HAT (E)
最大6Aの出力を求めるなら、Waveshare UPS HAT (E)がおすすめです。Pi 5、4B、3B+に対応し、21700電池を4本使います。電池は別売で、基板サイズは56×88mmです。
USB-Cは双方向の急速充電に対応し、最大40Wで充電できます。燃料計ICとI2Cで電池やUSB-Cの状態を監視でき、MCUが電源接続を検出すると自動起動します。
残量が5%を下回ると警告し、60秒後にシステムを終了する仕様です。低電圧時にデータを保存して終了するソフトウェア手順も使えます。高出力と終了処理の両方を重視する人におすすめです。
Waveshare UPS HAT (E)
Amazonで探すX1209の特徴
Geekworm X1209はPi 5、4B、3B、3B+に対応し、5.1V±5%で最大6Aを出力します。電池ホルダーはなく、3.7Vのリチウム電池を別に用意してXH2.54端子につなぎます。電池の種類や容量を自分で決めたい人向けです。
18650、21700、4680など、満充電電圧が4.2Vのセルに対応します。接続は並列のみで、直列につないで電圧を上げる構成にはできません。電池は外付けになるため、ケース内への収め方も組み立て時に考えておきましょう。
入力はDC 6〜18VまたはUSB-Cの5V・5Aで、充電電流は2.1Aです。外部電源との自動切替や、電源復帰時の自動起動にも対応します。低電圧時の終了はプログラムできるため、配線と充電条件を把握して扱える人におすすめです。
X728の特徴
Geekworm X728 V2.5はPi 4B/3B+/3B/2B/B+/3A+に対応し、5.1V±5%で最大5Aを出力します。Pi 5には対応していません。18650電池は別売です。
メーカーが案内する稼働時間は10〜30時間で、電池の種類や本数によって変わります。実際の時間はPiの負荷や周辺機器でも変わるため、目安として捉えましょう。I2Cで電圧と残量を確認でき、DS1307 RTCも搭載しています。
本体ボタンを3〜7秒押す方法と、ソフトウェアによる方法の両方で安全終了できます。電圧が3.0V以下になったときの自動終了は、ASDジャンパーで有効にします。電源復帰時の自動起動もジャンパー設定で有効にできます。
結論
Pi Zeroには、1000mAh電池が付属するUPS HAT (C)がおすすめです。Pi 5で最大6A出力と終了手順を重視するならUPS HAT (E)を、18650を2本使う最大5A出力ならUPS HAT (B)を選ぶとよいでしょう。
電池の種類や容量を自分で決めたい人にはX1209がおすすめです。ただし、並列接続と外付け配線を正しく扱えることが前提。Pi 4Bなどの旧世代ボードでRTCや本体ボタン、長めの稼働時間を重視するならX728が合います。
迷ったときは、まず対応Piを確認し、電池の入手性と安全終了の方式で候補を絞りましょう。必要な電池や充電器まで含めて構成を整えれば、電源断への備えを無理なく始められます。
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