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Linuxのカーネルトレーシングや性能解析を実務に生かすためeBPFの本を探すと、基礎書から実務書まで並び、どれを読むか迷いますよね。本によって得意分野は違います。仕組みを学ぶものもあれば、現場の調査例を豊富に載せたものもあります。
ここでは、初心者向けの日本語書籍から専門的なツール集まで4冊を紹介します。いま知りたい内容に近い本を見つけてください。
4冊の早見表
| 本 | 主な内容 | 向いている読者 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
入門 eBPF ― Linuxカーネルの可視化と機能拡張 | eBPFの基礎、libbpf、CO-RE、bpftrace、BCC | 初めてeBPFを学ぶ人 | 3,300円(税込) |
BPF Performance Tools: Linux System and Application Observability | BCC、bpftraceによる性能調査ツールと実例 | Linux運用・開発の実務者 | US$69.99 |
Systems Performance, 2nd Edition | 性能解析の方法論、perf、Ftrace、BPF | OSやアプリの調査力を広げたい人 | US$69.99 |
Linux Observability with BPF | BPFのライフサイクル、C・Go・Python、XDP | 実装も学びたい中級以上の人 | 販売店で確認 |
日本語で基本を押さえるなら『入門 eBPF』がおすすめです。調査例を多く読みたい実務者には『BPF Performance Tools』、性能解析を広く学びたい人には『Systems Performance』が合います。
価格は参考価格で、時期や販売店によって変わります。英語書籍は為替や送料も購入額に関わるため、注文前に最新の表示を確認しておきましょう。
eBPFの役割
eBPFはLinuxカーネルの決められた箇所にプログラムを取り付け、イベントを観測したり処理したりする仕組みです。カーネルを再構築せずに情報を集められるのが特徴。
観測できる対象は取り付け先で変わります。トレースポイントやkprobeはカーネルの処理、uprobeはユーザー空間の関数を扱います。XDPはネットワークパケットの処理に使われます。
使える機能はカーネルの版や設定、利用権限によっても異なります。本で見たコマンドが動かないときは、環境の対応条件も確認してください。手順だけが原因とは限りません。
入門書の軸
『入門 eBPF ― Linuxカーネルの可視化と機能拡張』はLiz Rice著、武内覚・近藤宇智朗訳の日本語書籍です。2023年12月刊で228ページ。初めてeBPFを学ぶ人が仕組みから読み進められます。
検証器やBTF、プログラムのアタッチ方式も扱います。カーネルにプログラムをロードする流れを追えるため、コマンドの暗記に終わらず、カーネル側で何が動くのかも理解できます。
libbpf、CO-RE、BPFスケルトンも取り上げています。CO-REはBTF情報を利用し、カーネル間の構造差に対応しやすくする仕組みですが、どの環境でもそのまま動くわけではありません。
bpftraceやBCCの入口も含まれています。税込3,300円が参考価格。日本語で基礎を固めたい初心者には、まずこの本をおすすめします。
性能ツールの本
『BPF Performance Tools』はBrendan Gregg著の英語書籍で、2019年刊です。全880ページあり、BCCとbpftraceを使ったLinuxシステムやアプリケーションの性能調査を扱います。
150以上の実行可能な解析・デバッグツールを掲載。CPUやメモリからファイルシステム、ディスクI/Oまで扱い、ネットワークやコンテナも対象です。実務の調査例を数多く確認できます。
メトリクスやスタックトレース、レイテンシヒストグラムなど、性能調査で使うパターンを具体例から学べます。症状に合わせて観測方法を組み立てたい実務者におすすめです。
参考価格はUS$69.99で、実売価格は時期や販売店で変動します。880ページを英語で読む負担はありますが、Linux運用や障害調査でBPFを使う人には頼れる資料になるでしょう。

BPF Performance Tools: Linux System and Application Observability
Addison-Wesley Professional
Amazonで見る解析全体の地図
『Systems Performance, 2nd Edition』もBrendan Gregg著です。2020年刊の第2版で928ページ。Linuxを主な例に、OSやアプリケーションの性能解析、調査手法、チューニングを広く解説します。
CPUやメモリからネットワーク、クラウド環境まで幅広く取り上げています。ファイルシステムやディスクの分析も収録。perfやFtraceによる分析に加えて、BCCやbpftraceも扱います。
BPFの知識だけでは症状の原因を絞り込んだり、仮説を立てたりする力まで身につけるのは難しいものです。どの領域を調べ、結果をどう関連づけるか。システム調査の基本も学べます。
参考価格はUS$69.99。eBPFに限らずLinuxの調査力を伸ばしたい人や、特定のツールに頼りすぎない視点が欲しい人におすすめです。価格は購入時に確認を。
BPF実装の一冊
『Linux Observability with BPF』はDavid CalaveraとLorenzo Fontana著の英語書籍です。2019年刊で177ページ。BPFプログラムのライフサイクルや観測・変更の方法を扱い、中級以上の読者を対象にしています。
C、Go、Pythonのコード例を掲載。プログラム種別やMaps、BTF、XDPも取り上げます。カーネルから情報をどう受け取り、プログラムをどう構成するかを学ぶ手掛かりになります。
入門書の後にコードを書きたい人や、ネットワーク観測を掘り下げたい人におすすめです。初めての一冊としては前提知識が多めなので、日本語の基礎書を先に読むと理解しやすくなります。
177ページと比較的短く、BPF実装の輪郭をつかみやすいのも利点です。英語でコードを追える中級以上の人が、実装を深める本として手に取るとよいでしょう。
結論
初めてeBPFを学ぶ人には『入門 eBPF』をおすすめします。仕組みからCO-REやbpftraceまで日本語で読み進められるため、Linuxカーネルトレーシングの学習を始める人にぴったりです。
実務のツール例を集めるなら『BPF Performance Tools』、解析手法を広く学ぶなら『Systems Performance』、コード実装を深めたい中級以上の人には『Linux Observability with BPF』がおすすめです。
価格はいずれも時期や販売店によって変わります。知りたい領域に合う一冊から読み始め、必要に応じて別の本で知識を補っていきましょう。
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