PR:この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。
個別株に投資するとき、PERやPBRだけで割安と決めてよいのか、迷う場面がありますよね。決算書から理論株価を考える方法として知っておきたいのが、残余利益モデル(RIM)です。
RIMが見るのは自己資本から株主の期待を超える利益を生み出せるかどうかです。決算書でROEと株主資本コストを比べると、PBRの背景も数字から考えやすくなります。
学べる5冊
RIMを扱う本には、財務の基礎から始まるものや評価理論を掘り下げるもの、実際の財務諸表を使うものがあります。学べる内容と税込定価を並べました。
| 書籍 | 主な学び | 参考価格(税込) |
|---|---|---|
1からのファイナンス(第2版) | 財務の基礎とRIM・DCF・DDM | 2,970円 |
新訂 証券アナリストのためのファイナンス理論 | CAPMなどを踏まえた株式評価 | 2,860円 |
株式の計量分析入門 | RIMとデータ解析・ファクターモデル | 3,080円 |
財務諸表分析〈第9版〉 | 決算書分析とRIMの実践適用 | 3,740円 |
アナリストのための財務諸表分析とバリュエーション | 財務諸表から予測・評価まで | 6,160円 |
価格は税込定価を目安に掲載しています。実売価格や在庫は時期や店舗によって変わるため、購入時に確認してください。
入門書から理論書、実務寄りの分析書まで、扱う範囲は幅広めです。RIMの考え方をつかんでから財務諸表分析や数値予測へ進むと、学んだ内容を個別株の判断に結びつけやすくなります。
RIMが見る価値
残余利益とは、株主が求めるリターンを差し引いた後に残る利益です。黒字でも利益が株主の期待に届かなければ、RIMでは価値を上乗せしません。
自己資本が大きくても、そこから生まれる利益が資本コストを下回るなら、資本を効率よく使えていない可能性があります。反対に、資本コストを超える利益を継続して生み出す企業には、簿価を上回る価値が付きうるわけです。
PBRは株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。将来ROEが株主資本コストを上回るかを考えるRIMは、PBRが1倍を超えたり下回ったりする背景を読む手がかりになります。
理論株価の式
1株当たりの基本形は理論株価=現在のBPS+将来の残余利益の現在価値です。BPSは1株当たり純資産を指し、EPSは1株当たり利益を指します。
各年の残余利益はRIₜ=EPSₜ−r×BPSₜ₋₁で計算します。rは株主資本コストで、前年のBPSに株主が求める収益率を掛け、予想EPSから差し引きます。
予測期間後の利益も評価に入ります。残余利益が年率gで成長する想定なら、継続価値は翌年の残余利益÷(r−g)で計算し、予測期間分を現在価値に割り引きます。前提はrがgを上回ることです。
数字で試算
BPSが1,000円、今後のEPSが120円、株主資本コストが8%だとします。資本に求められる利益は1,000円×8%で80円。ここから算出する残余利益は40円(120円−80円)です。
毎年同じ利益を稼ぎ、BPSは横ばいで、残余利益40円が続くと仮定します。この場合、残余利益の価値は40円÷8%で500円となり、簿価1,000円を足した理論株価は1,500円です。
市場価格が1,300円なら、この単純な試算では理論株価を200円下回ります。ただし、残余利益が長く続く前提が崩れれば評価額も下がりますから、1,500円を確定した価値とは見なせません。
財務分析で確認
最初に確かめたいのは利益の質です。一時的な資産売却益や補助金でEPSが膨らめば、その水準が翌年以降も続くとは限りません。売上高、営業利益、純利益を複数年で追うと、利益の背景を読み取りやすくなります。
ROEは純利益を自己資本で割った指標です。RIMの評価を左右するのは、予想ROEが株主資本コストを何年間上回るか。借入や一時利益の影響でROEが高くなっていないかも点検してください。
株主資本コストとは株主がその会社への投資で求めるリターンです。CAPMでは国債利回り、β、株式リスクプレミアムを使って推定します。会社が約束する利回りではなく、見積もりには幅があります。
自己資本の増減が利益と配当だけでは説明できない場合もあります。為替換算差額などが直接自己資本に入ることもあり、簿価と利益の関係が崩れるとRIMの計算に影響します。だから決算書の注記まで目を通したいところです。
基礎から理論へ
『1からのファイナンス(第2版)』は榊原茂樹・岡田克彦編著、碩学舎刊の304ページの入門書です。2026年1月17日発売で、税込定価は2,970円。実売価格は時期や店によって変わります。
身近な事例で企業と家計のファイナンスを基礎から学びます。第8章は決算書の仕組みと企業財務分析、第10章はDDM・RIM・DCFがテーマです。
第8章ではゲーム関連3社を分析し、第10章には公開情報から企業価値を推定するコラムがあります。財務諸表の基礎から評価モデルまで学びたい初心者が、順に読み進められる構成です。
理論の背景まで
『新訂 証券アナリストのためのファイナンス理論』は佐野三郎著、ビジネス教育出版社刊の312ページです。2017年7月発行で税込定価は2,860円、実売価格は時期や店によって異なります。
文系実務家向けにファイナンス理論の基礎を解説する本です。株式評価に先立ち、期待効用からポートフォリオ理論、CAPM、ファクターモデルまで扱います。第9章では配当割引モデルと残余利益モデルを解説。
RIMの式だけでなく、株主資本コストやリスクの考え方まで整理したい人に適しています。CAPMなどの章も含むため、必要な理論を確認しながら読むと評価モデルの位置づけが見えやすくなります。
計量分析につなぐ
『株式の計量分析入門―バリュエーションとファクターモデル―』は津田博史・吉野貴晶著、朝倉書店刊の176ページです。2016年刊行で税込定価は3,080円。実売価格は時期や店で変わります。
株式分析の基礎や企業利益、株式評価を扱った後、割引超過利益モデルとデータ解析に進みます。モデル推定やファクターモデルも含む構成です。
目次には残余利益モデルの章もあります。理論を定量分析へつなげたい人に合う内容です。刊行は2016年のため、最新の市場データや制度は別途確認してください。
財務諸表で実践
『財務諸表分析〈第9版〉』は桜井久勝著、中央経済社刊の384ページです。2024年3月5日発行で定価は3,740円(税込)。実売価格は時期や販売店によって変わります。
企業を収益性や生産性、安全性から捉え、不確実性と成長性も分析します。第14章では複数の株式価値評価モデルを扱い、モデル間の同等性や優劣、資本コストの推定にも触れています。
第14章第7節は残余利益モデルの実践適用です。セブン&アイ・ホールディングスとイオンの連結財務諸表を使った分析があり、理論を実際の決算書に当てはめて読みたい人に適しています。
分析を深める一冊
『アナリストのための財務諸表分析とバリュエーション 原書第5版』はS.H.ペンマン著、荒田映子・大雄智・勝尾裕子・木村晃久訳、有斐閣刊です。2018年4月発行、544ページで税込定価6,160円。実売価格は時期や店で変わります。
簿価や利益が株価にどう反映されるかを軸に、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を分析し、将来予測とバリュエーションまで扱います。財務諸表を投資評価へつなぐ理論を幅広く学べる内容です。
残余利益割引法を扱う大学院講義の参考文献にも挙げられています。入門書より説明が詳しく読み応えはありますが、簿価・利益・予測の関係を深く学びたい人に合います。
結論
RIMは簿価と将来利益を同じ計算に置き、企業が株主の期待を超える利益を生めるか確かめるモデルです。理論株価は将来のROEと株主資本コスト、超過利益が続く期間で変わります。
個別株を購入候補にするのは、保守的な利益予測と高めの資本コストを使っても試算価値が市場価格を上回る場合に絞りましょう。楽観シナリオでしか割安にならない株は、RIMだけを根拠に買わない判断が堅実です。
初めて学ぶなら、財務の基礎とRIMを一続きで学べる本から始め、決算書分析や計量分析へ広げると実践しやすくなります。モデルの数字だけで結論を出さず、利益の質と前提が妥当かも見て投資判断に生かしてください。
Amazon の PC をスコア化してみた
Amazonにある8〜14インチの小型WindowsタブレットやノートPCを、スペック別にスコア化して比較・ランキング。






