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STM32開発で書き込み後の動作まで追うなら、USB接続のデバッグプローブが役立ちます。プログラムを止めて変数を確認できるので、不具合の場所も探しやすくなります。SWD、CMSIS-DAP、JTAGの違いを基板と開発環境に当てはめると、一台を絞りやすいですよ。
早見表
各製品の規格と端子、追加機能をまとめました。STM32を中心に使う場合と、別メーカーのマイコンにも広げる場合では、必要な機能が変わります。
| 製品 | 主な規格 | USB・ターゲット端子 | 主な特徴 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|
STLINK-V3SET | SWD・JTAG | Micro-B・STDC14 | STM32・STM8、仮想COM、各種バスブリッジ | 販路・時期で変動 |
| Raspberry Pi Debug Probe | SWD・CMSIS-DAP | USB・3ピンJST-SH | OpenOCD対応、USB-UART | 販路・時期で変動 |
| J-Link BASE Compact | SWD・JTAGほか | USB-C・20ピン | 幅広いマイコンとIDEに対応 | 販路・時期で変動 |
| ARM-USB-TINY-H | JTAG | USB・標準2×10ピン | OpenOCD向け、RTCK対応 | 販路・時期で変動 |
価格は販売店、為替、在庫状況で変わります。購入時の表示を確認してください。ターゲット端子や対応環境も、一覧の特徴と合わせて見ておきましょう。
STLINK-V3SET
STM32が中心で、SWDとJTAGの両方を扱うならSTLINK-V3SETが有力です。SWDは最大24 MHz、JTAGは最大21 MHz、SWOは最大16 MHzで、STM8にも対応します。ST製マイコンを複数使う環境に便利な一台ですね。
パソコンとはUSB 2.0 High-SpeedのMicro-Bで接続し、ターゲット側には1.27 mmピッチのSTDC14端子を使います。付属のフラットケーブルで接続できます。試作基板が別のピンヘッダーなら、ピン配列と変換方法を確かめてください。
開発環境はSTM32CubeIDEのほか、IAR Embedded WorkbenchやKeil MDK-ARMに対応しています。Windows 10、64-bit Linux、macOSでも使えるので、チーム内でOSが異なる場合にも導入しやすい構成です。
仮想COMポートでシリアルログを扱えます。さらに、SPI、UART、I²C、CAN、GPIOのブリッジ機能とドラッグ&ドロップ書き込みも備えています。デバッグと試作作業を一台にまとめたい人には便利です。
Pi Debug Probe
Raspberry Pi Debug Probeなら、SWD接続のCMSIS-DAPを手軽に使えます。STM32など、SWD端子と3.3 V I/Oを備えたArmマイコンが対象です。OpenOCDにも対応します。
ターゲット側は3ピンJST-SH端子です。付属ケーブルは0.1インチ間隔のヘッダーにも接続でき、配線をまとめやすくなります。基板のピン配置は必ず照合してください。
公式のOpenOCD設定例には、adapter speed 5000の指定があります。これは設定例で、どの基板でも同じ速度で安定するという意味ではありません。通信が途切れたら、配線やターゲットに合わせて速度を下げます。
USB-UARTブリッジを内蔵し、USBケーブル、JST-SHケーブル、ヘッダー用ケーブル2本が付属します。Windows、macOS、一般的なLinux環境に対応。少なくとも2030年1月まで生産予定なので、長く使える製品を探す入門者にも扱いやすいでしょう。
Raspberry Pi Debug Probe
Amazonで探すJ-Link BASE
SEGGERのJ-Link BASE Compactは、STM32に加えて複数メーカーのマイコンを扱う人に便利です。ARM CortexやARM legacy、PIC32、Renesas RX、RISC-Vなどに対応し、JTAG、SWD、SWO、cJTAGを使えます。
ターゲットとの接続速度は最大15 MHzで、端子は20ピンのJTAG/SWDです。パソコン側はUSB-C。18 cmの20ピンリボンケーブルが付属し、小型基板では端子からの変換が必要になる場合もあります。
主要IDE、GDB Server、SEGGERのソフトウェアに対応し、Windows、Linux、macOSで使えます。複数のプロジェクトでプローブを共用する人には、対応環境の広さが便利です。
CMSIS-DAPにも対応しますが、使える版は本体のバージョンで異なります。V10以降はCMSIS-DAP v1、V12以降はv2に対応。購入時や手持ちの機器を確認するときは、本体のバージョンを見てください。
ARM-USB-TINY-H
OlimexのARM-USB-TINY-Hは、JTAG端子付きARMマイコンをOpenOCDでデバッグするときに使えます。標準のターゲット端子は2×10ピンJTAG。IAR EW via GDB Server、Rowley CrossWorks、CooCox IDEにも対応します。
ターゲット電圧は2.0~5.0 V、RTCK適応クロックは最大30 MHzです。クロック追従を使う構成にも対応しますが、最大値だけで実際の動作速度を決めず、マイコンや配線に合った設定を使ってください。
標準ではSWDに対応しません。SWDしか引き出されていないSTM32基板にはそのまま接続できず、SWDの利用には別売りのARM-JTAG-SWDアダプタが必要です。
Windows、Linux、macOSに対応し、Olimex公式ページでは在庫があります。JTAG配線とOpenOCDの構成が整っている人には実用的です。一方、STM32のSWDデバッグを始める初心者には、SWD対応機種のほうが扱いやすいでしょう。
結論
STM32のSWDデバッグを始める人には、STM32CubeIDEと組み合わせるSTLINK-V3SET、CMSIS-DAPとOpenOCDを使うRaspberry Pi Debug Probeがおすすめです。どちらを使う場合も、基板の端子と電圧を確かめてください。
複数メーカーのマイコンやIDEを扱うならJ-Link BASE Compact、JTAG端子とOpenOCDの環境があるならARM-USB-TINY-Hが候補です。後者でSWDを使うには別売りアダプタが必要になります。
速度の数字だけに注目せず、基板の信号、ケーブル、IDE、OSをまとめて確認するのが近道です。STM32の基本的なSWDデバッグに絞るなら、STM32CubeIDEまたはOpenOCDとの接続実績が明確な機種を選ぶと、開発を始めやすくなります。
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