建設株の分析本おすすめ5選|初心者が個別株・ゼネコンの受注残と工事採算を学ぶ

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建設株の値動きは、PERや配当利回りだけではつかみ切れません。ゼネコンの受注残は将来の仕事量を示す手掛かりですが、工事が薄利なら利益は伸びにくい。まずはこのつながりを押さえましょう。

個別株の分析では、受注高から受注残、工事の利益率、営業キャッシュフローまでを一続きに見ます。業界の基礎から決算の読み方まで、役割の違う5冊をまとめました。

書籍主に学べること参考価格(税込)
図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本業界の仕組み、企業類型、受注・原価管理1,650円
初めての人でもわかる 〔入門〕建設業会計の基礎知識初めての人でもわかる 〔入門〕建設業会計の基礎知識建設業特有の会計、工事原価、財務諸表2,420円
会社四季報公式ガイドブック 改訂版会社四季報公式ガイドブック 改訂版業績予想、企業の財務や安全性の見方1,980円
中小建設業のための “管理会計”読本中小建設業のための “管理会計”読本個別工事の採算、経営判断、資金管理3,080円
今日から役立つ工事原価管理の解説119今日から役立つ工事原価管理の解説119現場での工程・原価管理の実務3,520円

表の価格は希望小売価格・定価が目安です。実売価格は時期や販売店によって変わるため、購入時にご確認ください。

建設株の基本

ゼネコンは発注者から工事を請け負い、協力会社や資材会社と連携して建物やインフラを完成させる会社です。受注から完成まで年単位に及ぶ案件もあります。そのため、売上や利益の動きには製造業と異なる時間差が生まれます。

建設会社はどこも同じ稼ぎ方をするわけではありません。土木・建築を担うゼネコンに加え、専門工事会社、プラント建設業、住宅会社があり、顧客や収益源も異なります。まず企業の分類を押さえると、銘柄情報を読み違えにくくなります。

業界を広く知るなら、阿部守著『図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』がおすすめです。秀和システム新社刊の第5版で、2024年発行。A5判262ページです。

業界の仕組みや仕事に加え、課題、技術革新、将来展望も扱っています。受注産業の特徴や積算・原価管理、資材価格の上昇、人材不足まで押さえられるため、建設業を初めて調べる人にも読み進めやすい一冊です。

図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本

図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本

秀和システム新社

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受注残と利益

受注残とは、受注した工事のうち、まだ完成工事高として計上されていない分です。将来の仕事量を考える目安になります。ただし、その金額だけで将来の利益まで見通せるわけではありません。

たとえば売上高1兆円の会社で受注残が9,000億円なら、売上高に対する比率は0.9倍です。目を引く数字ですが、工期や完成時期が異なる会社を単純には比べられません。同業他社の数年分の推移も追いましょう。

受注残が膨らんでも、資材費や人件費が契約金額を上回れば利益率は下がり得ます。採算の低い大型案件が多い場合も同様です。受注高と受注残に加えて、完成工事の利益率も確かめてください。

決算短信や決算説明資料では、受注高、受注残、完成工事高の推移を追います。土木・建築や国内・海外などの内訳も確認すれば、どの分野で受注が増えたのか、金額の背景までつかめます。

工事採算を見る

売上高が伸びても、工事費がそれ以上に増えれば利益は細ります。完成工事総利益率も合わせて追いましょう。受注の勢いと稼ぐ力は、それぞれ確かめる必要があります。

受注時には、人員や資材、工期を見積もって請負金額を決めます。ところが着工後に想定外の作業が増えると、予算と実際の原価に差が出ます。案件が重なれば、小さなずれも会社の利益を圧迫します。

資材価格や労務費の上昇を、契約変更や価格転嫁で吸収できるかも重要です。受注が好調でも、費用増を発注者へ反映できない工事が続けば、受注残は利益に結びつきにくくなります。

利益率が改善したときは、その理由まで確認しましょう。一時的な大型案件の影響か、複数事業で続いている変化か。受注方針や原価管理の動きも見れば、改善が続きそうか考えやすくなりますね。

会計の時間差

建設業会計を基礎から学ぶなら、一般財団法人 建設産業経理研究機構編『初めての人でもわかる 〔入門〕建設業会計の基礎知識』がおすすめです。清文社刊、2016年発行のA5判204ページで、簿記や財務諸表の基本も扱います。

工事収益を完成時に計上する工事完成基準と、進行度に応じて計上する工事進行基準があります。適用する会計処理によって四半期ごとの売上や利益の見え方が変わるため、数字が急に動いたときは決算書の方針も確かめましょう。

本書は建設業特有の勘定科目や工事別の原価集計を取り上げ、経営分析の基本や共同企業体(JV)の会計にも触れています。決算書の項目と現場の工事とのつながりを、用語を学びながら整理できます。

刊行は2016年です。会計の基礎を学ぶ本として読み、各社の最新の処理や開示方針は直近の有価証券報告書で確かめてください。企業資料と照らし合わせると、実際の決算数字にも知識を当てはめやすくなります。

初めての人でもわかる 〔入門〕建設業会計の基礎知識

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清文社

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四季報で企業を見る

個別企業の情報を投資判断につなげたい人には、会社四季報編集部編『会社四季報公式ガイドブック 改訂版』がおすすめです。東洋経済新報社刊、2024年発行のA5判258ページ。企業情報や業績予想、財務、安全性の見方を扱います。

建設株の業績予想を読む際は、予想値と受注や事業内容に関する記述を照らし合わせます。上方修正の背景が受注増なのか、工事の採算改善なのかで、利益の伸びが続くかどうかの見立ても変わるでしょう。

本書では、会社四季報の業績予想が作られる仕組みや企業分析の考え方を学べます。ただし建設業に特化した内容ではありません。受注残や工事別の採算は、各社の決算説明資料で補いましょう。

株価には将来の業績への期待が反映されることがあります。利益が伸びていても、株価水準によって投資の見通しは変わります。業績予想、財務、安全性、株価をまとめて見て、ひとつの数字に頼りすぎないことです。

会社四季報公式ガイドブック 改訂版

会社四季報公式ガイドブック 改訂版

東洋経済新報社

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現場管理と原価

管理会計を掘り下げるなら、建設産業経理研究機構 管理会計研究会編著『中小建設業のための “管理会計”読本』があります。清文社刊、2017年発行のA5判304ページ。組織業績や個別工事の原価管理、経営判断、キャッシュフローを扱う専門書です。

工事ごとに予算と実績を照らす管理の考え方が中心です。現場の原価のずれが会社全体の利益率にどう表れるのか、資金管理に無理がないか。採算を経営の視点から学びたい人におすすめです。

中小建設業のための “管理会計”読本

中小建設業のための “管理会計”読本

清文社

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現場の管理に焦点を当てるなら、小久保優著『今日から役立つ工事原価管理の解説119』。技報堂出版刊、2015年発行のB5判238ページで、工程表や工事作業日報を使った管理サイクル、原価低減、安全施工などを取り上げます。

どちらも株価や個別銘柄の分析が中心ではありません。材料費・人件費の変化が現場でどう利益に響くのか、具体的に考える手掛かりになります。財務の基礎を押さえてから採算の背景を学ぶ人に合う本です。

今日から役立つ工事原価管理の解説119

今日から役立つ工事原価管理の解説119

技報堂出版

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結論

最初の一冊には、業界全体とゼネコンの役割を学べる『図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』をおすすめします。建設会社が何を受注し、どんな費用を抱えるのかが分かり、受注残や利益率を読む基礎になります。

工事原価や会計処理まで追うなら『初めての人でもわかる 〔入門〕建設業会計の基礎知識』を加えましょう。個別企業の情報を投資判断に生かす段階では、『会社四季報公式ガイドブック 改訂版』が役立ちます。

工事採算を深く学ぶ人には管理会計読本を、現場の原価管理を知りたい人には解説119をすすめます。業界の基礎を押さえたうえで、受注残・利益率・キャッシュフローを会社の最新資料と照合する。この流れなら、ゼネコン各社の違いを自分の言葉で捉えやすくなります。

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