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組み込みRustの本を探すと、Rustの文法を学ぶ総合書とno_stdでマイコンを動かす本が並びます。Cortex-M開発でどちらも役立ちますが、実機演習で扱う範囲は本によって違います。
Wio Terminalで実機演習をする本、Rust全般を扱う本、Tock OSの内部まで学ぶ英語書籍を紹介します。no_stdやembedded-halなど、入門者が迷いやすい言葉も各書の内容に沿って補います。
早見表
| 書籍 | 扱う内容 | 参考価格(税込) |
|---|---|---|
基礎から学ぶ 組込みRust | Wio Terminal、no_std、embedded-hal、周辺機能 | 4,202円 |
実践Rustプログラミング入門 第2版 | Rust全般と組み込み章、embedded-hal、alloc | 3,960円 |
Getting Started with Secure Embedded Systems | micro:bit v2、Raspberry Pi Pico、Tock OS | 8,579円 |
価格は税込みの希望小売価格を目安にしています。実売価格は販売店や時期で変わるため、注文時に最新価格を確認してください。
3冊のページ数は335、472、533ページです。内容もWio Terminalの実機演習からRust全般、Tock OSのカーネル内部まで異なります。
最初の2冊はプログラミング経験者向けで、Tockの本はOSの概念に慣れた読者を想定しています。Tockの本は英語書籍です。
no_stdの基本
Rustの標準ライブラリstdにはOSの機能を前提にする処理が含まれます。マイコンではその環境がない場合も多く、no_stdでcoreを中心に動かします。ヒープを使うなら、アロケータも必要です。
Cortex-Mはマイコンに使われるCPUコアの系列です。RAM容量やGPIO、タイマなどは搭載チップで異なり、ボードの回路も開発環境を左右します。ボード名とMCU名をセットで確認してください。
embedded-halはGPIOやUARTなどの周辺機能を共通のインターフェースで扱う仕組みです。HALを介すとチップ固有のレジスタ操作を隠し、似た書き方で機能を試せます。
割り込み処理とメインループが同じ値に触れる場面もあります。所有権や排他制御の扱いは文法だけでは分かりにくく、組み込み特有の実装課題です。実機のコードで具体的に確かめられます。
Wio実機演習
中林智之さんと井田健太さん共著の『基礎から学ぶ 組込みRust』は2021年4月20日発行で335ページです。題材はWio Terminalで、搭載MCUはARM Cortex-M4FのMicrochip ATSAMD51P19、RAMは192KBです。
no_stdとembedded-halから始まり、GPIOやUART、PWMやADCのほかタイマ割り込みと加速度センサも扱います。周辺機能をマイコン上でどう使うかを学べる構成です。
実機演習はLチカ、ストップウォッチ、簡易スペクトルアナライザの製作です。LED点灯から計時やスペクトル解析まで題材が広がり、周辺機能を使った処理を具体的に試せます。
LCD表示の章にはWebAssemblyシミュレータがあり、画面表示を実機なしで試せます。RustツールチェーンやWio Terminalの開発環境の準備とGDBデバッグも扱います。著者FAQでは高度な組み込みRustを対象外としています。税込参考価格は4,202円で、紙版は書店に取り寄せ注文でき、実売価格は時期や店によって変わります。
Rustの全体像
『実践Rustプログラミング入門 第2版』は2025年10月3日発売で、472ページです。JavaやPythonなどの開発経験者を主な対象に、Rustの基本とWeb・WebAssembly・UI・開発ツール・リリースを扱います。
Chapter 8の組み込み章では、Hello WorldとLチカを作り、embedded-halやallocも扱います。Rustの文法を全体的に学ぶ中で、組み込みの基礎にも触れられる構成です。
出版社が公開する目次にno_stdの記載はありません。allocを使うコードにも触れるため、この本だけでヒープを使わないCortex-M開発を一通り学べると考えないほうがよいでしょう。
発展編Chapter 11ではunsafeを扱い、第2版のサンプルコードは著者らのGitHubで公開されています。税込参考価格は3,960円で、実売価格は時期や販売店によって変わります。Rust全般と組み込み章の両方を読みたい人におすすめです。
TockとIoT
『Getting Started with Secure Embedded Systems』はApress刊の英語書籍で、2022年1月2日発行、533ページです。micro:bit v2とRaspberry Pi PicoでRust製のTock OSを使い、組み込みシステムを学びます。
本書はアプリ開発に加えて、Tockのカーネル内部やカスタム構成、ドライバ開発を扱います。OS側の機能と利用者のプログラムがどう関わるかも追えます。
発展内容は同期・非同期のsyscall capsuleとuserspace driver、Tockシステム管理です。capsuleはカーネル内でドライバやサービスを構成する単位として登場します。周辺機能を一つ動かす入門より複雑な話題も含みます。
OSの概念に慣れたIoT設計者や開発者を想定した本です。税込参考価格は8,579円で、実売価格は時期や販売店によって変わります。
結論
no_stdとCortex-Mを実機で学ぶ本なら、『基礎から学ぶ 組込みRust』をおすすめします。Wio Terminalの演習ではGPIOやタイマ割り込み、LCD表示を扱い、実機で動作を確かめられます。
Rustの基礎から学びたい人には『実践Rustプログラミング入門 第2版』がおすすめです。no_stdの実機開発を別教材で補うと、Rust文法とハードウェアの関係を整理しながら学べます。
TockのカーネルやIoT OSを英語で読みたい人にはApressの本をおすすめします。私はWioの本を実機演習向けに、第2版をRust全般の学習用にすすめます。
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