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製造業の外観検査に機械学習を取り入れるとき、精度だけを追ってもうまく進まないことがあります。撮像条件や欠陥画像の集め方まで考えると、学ぶ順番も見えてきます。
画像認識や物体検出を初めて学ぶ方にも読みやすいよう、画像処理の基礎から現場での運用まで、役立つ6冊を紹介します。何から手をつけるか迷っている方は、まず全体像からどうぞ。
検査を分解する
外観検査は、製品を撮って良品・不良品に分ければ完了、という単純な工程ではありません。安定して写すこと、欠陥を検出すること、判定を工程に返すことまでが一続きです。
たとえば金属部品のキズを見つけるとき、表面の反射が強ければキズと光の映り込みが似た模様に見えることがあります。画像のばらつきが大きいまま学習を進めても、モデルは違いをつかみにくいですよね。ここが現場で悩みやすいところです。
検査の自動化には、対象物の位置決めや画像の前処理、学習用データの準備が関わります。カメラやレンズ、照明といった設備側の条件も欠かせません。
本を読むときも、アルゴリズムの説明に加えて、画像の撮影条件や正解ラベルの付け方に目を向けると、検査の流れがつながって見えてきます。製造業の検査を学ぶうえで、こうした知識が実装と運用の基礎になります。
本の早見表
一覧では、基礎から現場導入まで6冊の主なテーマを確認できます。価格やページ数とあわせて、扱う内容の広さも見てみましょう。
価格は各書籍の参考価格です。販売時期や店舗によって実売価格は変わるため、購入時に最新価格をご確認ください。
| 書籍 | 読みどころ | 参考価格(税込) |
|---|---|---|
画像処理と画像認識 – AI時代の画像処理入門 – | 前処理、CNN、産業応用 | 3,410円 |
図解即戦力 画像センシングのしくみと開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書 | カメラ、照明、外観検査 | 2,860円 |
深層学習による画像認識の基礎 | CNN、ViT、物体検出、PyTorch | 3,960円 |
PyTorchによる物体検出 | SSDの実装と評価 | 3,300円 |
外観検査の実務とAI活用最前線 | データ準備、評価、現場事例 | 62,700円 |
製造DX推進のための外観検査自動化ガイドブック | 撮像系、画像処理、運用 | 88,000円 |
画像認識を初めて学ぶ方には、画像処理や撮像の基礎から扱う本が入りやすいでしょう。実装を深めるなら、検出モデルの実装や評価方法を解説する本が手がかりになります。
現場向けの2冊は入門書より価格が高めです。検査工程の企画や改善を担う人が、事例・設備・運用も含めて調べる際に役立ちます。
画像の土台を作る
コロナ社の『画像処理と画像認識 – AI時代の画像処理入門 –』は2022年10月刊で、206ページです。画像表現やファイル形式、入力装置と訓練データの作成を扱っています。画像を学習に渡すまでの流れもつかめます。
ノイズ除去やコントラスト改善、領域分割を扱い、CNNと転移学習も取り上げます。組立工程・検査工程の産業応用も紹介。画像処理と機械学習を検査に結びつけて学びたい方におすすめです。
技術評論社の『図解即戦力 画像センシングのしくみと開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書』は、2023年6月刊の240ページ本です。カメラやイメージセンサーのほか、光学系と照明も解説し、撮像条件の基礎を学べます。
外観検査や検品タスク、異常検知にも触れているのが特徴です。画像のデジタル化や色、ファイル形式を学べるため、照明や撮像環境の見直しが課題の新人エンジニアや学生におすすめです。
認識を実装する
オーム社の『深層学習による画像認識の基礎』は、2024年4月刊の368ページです。CNNやVision Transformerを扱い、画像分類・物体検出・領域分割まで学べます。
自己教師あり学習の実例とPython、PyTorchのサンプルコードも収録されています。物体検出の性能評価も扱う内容です。検査画像に合う課題と評価方法を考える若手技術者や学生に適しています。
同じくオーム社の『PyTorchによる物体検出』は、2020年9月刊で192ページ。SSDを中心に、PyTorchで検出モデルを実装する流れを扱います。DataLoaderとデータ拡張に加え、検出システムの評価方法も学べます。
画像内の対象の位置とカテゴリを検出するコードを学びたいなら、テーマを絞った実践書として役立ちます。画像認識を広く学ぶ段階なら前の本、SSDの実装を確かめたい段階ならこちら。2冊の役割が分かれています。
現場の条件を見る
情報機構の『外観検査の実務とAI活用最前線』は、2018年12月刊で297ページです。画像分類・物体検出・領域分割を扱います。ラベル付けやデータ収集、データ拡張と前処理など、検査データを準備する話題も豊富です。
車載部品や医薬品に加え、フィルムや金属加工品の外観検査事例を収録しています。交差検証や過学習、ROC曲線、AUCも扱うため、品質管理や生産技術の担当者が事例と評価方法をあわせて学べます。
シーエムシー・リサーチの『製造DX推進のための外観検査自動化ガイドブック』は、2022年1月刊でA4判139ページです。画像入力系と光学、照明や撮像素子を解説。前処理や特徴抽出をはじめ、セグメンテーションと深層ニューラルネットワークも扱います。
検査装置の導入や改良に携わる生産技術者には、撮像系・画像処理・運用を一冊でたどれる点が魅力です。参考価格は88,000円。個人学習よりも工程の自動化を担う担当者におすすめの専門資料です。
結論
画像認識を基礎から学ぶ方には、『画像処理と画像認識 – AI時代の画像処理入門 –』がおすすめです。前処理から機械学習までを一冊で追えるので、学ぶ内容のつながりをつかみやすいでしょう。
カメラや照明、撮像の基礎も押さえたいなら、『図解即戦力 画像センシングのしくみと開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書』を組み合わせてください。画像認識の前段にある撮影環境まで学べます。
画像認識の手法を広く学ぶ方には『深層学習による画像認識の基礎』を、SSDのコードを実装する方には『PyTorchによる物体検出』をおすすめします。目的に応じて本を使い分けられます。
製造業の現場担当者には、事例と評価を扱う『外観検査の実務とAI活用最前線』がおすすめです。撮像や運用まで確認するなら、『製造DX推進のための外観検査自動化ガイドブック』が適しています。
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