分散システムの形式検証を学ぶ本は、数学の前提や扱う題材の違いから、どれを選べばよいか迷いますよね。
本によって、TLA+でコンピューターシステムの仕様を書く内容や、モデルチェッカーで設計を検証する方法を扱っています。
今回は、ソフトウェアやハードウェアの仕様記述から並行・分散プログラムの検証までを扱う4冊をご紹介します。
おすすめ商品の早見表
| 商品名 | 参考価格 | 扱う対象・用途 | 対象読者 | 前提知識 |
|---|---|---|---|---|
Specifying Systems | 7,798円(2026-10-11時点) | TLA+によるコンピューターシステムの仕様記述(ソフトウェア・ハードウェア) | ハードウェア・ソフトウェアのエンジニア | 工学・コンピューターサイエンスの学部生相当のコンピューティング基礎と数学知識 |
実践TLA+ | 3,850円(2026-10-11時点) | 送金システムの例、分散システム・最終的な整合性の指定 | — | — |
Correct by Design with TLA+ | 1,649円(2026-10-11時点) | TLA+とモデルチェッカーによる設計の正しさの記述・検証 | — | — |
A Science of Concurrent Programs | 12,663円(2026-10-11時点) | 並行・分散計算アルゴリズムの数学的な記述・推論 | 理論計算機科学・並行性・分散システム分野の大学院生・研究者 | 数学上の前提知識はごく少ない |
Specifying Systems
ソフトウェアやハードウェアのシステム仕様をTLA+で書く方法を学びたい方には、『Specifying Systems』がおすすめです。
本書では、TLA+を使ったコンピューターシステムの仕様記述を扱っています。TLA+はソフトウェアにもハードウェアにも使えるため、本書ではどちらのシステムの仕様についても学べます。
前提となるのは、工学またはコンピューターサイエンスを学ぶ学部生に期待される程度のコンピューティングの基礎と数学の知識です。
本書を商業目的で複製・配布する場合や、個人利用以外の目的で複製・配布する場合は、出版社の事前の書面許可が必要です。

実践TLA+
分散システムや最終的な整合性をTLA+で指定する方法を学びたい方には、『実践TLA+』がおすすめです。
TLA+の演算子や論理、関数のほか、PlusCalやモデルも扱い、送金システムの小規模な仕様例も取り上げています。
付属データは提供されていないので、書籍に付随するデータも使うつもりの方は、その点を購入時の判断材料にできます。

Correct by Design with TLA+
TLA+とモデルチェッカーを使い、設計の正しさを記述・検証する方法を学びたい方には、『Correct by Design with TLA+』がおすすめです。
システムを状態の集合として表し、不変条件を指定する方法を扱っています。分散アルゴリズムの例もあり、分散系の設計を状態や条件から考える題材になっています。

A Science of Concurrent Programs
並行・分散計算のアルゴリズムを数学で記述し、TLA+ツールで例を検査する方法を学びたい方には、『A Science of Concurrent Programs』がおすすめです。
理論計算機科学、並行計算、分散システム分野の大学院生や研究者を対象にしています。
数学上の前提知識はごくわずかです。
並行・分散計算のアルゴリズムを数学で記述して推論し、Safety、Liveness、Fairness、Refinementも取り上げています。多くの例はTLA+で書かれており、TLA+ツールで検査できます。
本書の例の多くに対応するTLA+仕様と使い方の説明は、zipファイルにまとめられています。本文の例と仕様を照らし合わせながら学ぶ際の補足資料として活用できます。

学びたい内容に合わせて選ぶ
- ソフトウェアとハードウェア双方のシステム仕様をTLA+で学びたい人
- 最終的な整合性の指定方法も学びたい人
- TLA+とモデルチェッカーで設計の正しさを記述・検証したい人
- 理論計算機科学・並行計算・分散システム分野の大学院生や研究者の場合
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