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Kubernetesのネットワークを本で学ぶなら、CNI・Service・DNS・Ingressをひとまとめに暗記せず、通信がどこで切り替わるかを順に追うのが近道です。おすすめ本を入門から障害調査まで用途別に紹介します。
Pod同士の通信、Service名の名前解決、クラスタ外からの入口。それぞれ別の仕組みで動いています。どこまで届き、どこで詰まるのかを描ける本なら、現場の調査にもつながりますよね。
早見表
| 書籍 | 主なテーマ | 参考価格 |
|---|---|---|
[改訂新版]イラストでわかるDockerとKubernetes | CNI、kube-proxy、Serviceアクセス | 2,860円(税込) |
つくって、壊して、直して学ぶ Kubernetes入門 | Service障害演習、kubectl、監視 | 3,278円(税込) |
Kubernetes: Up and Running, 3rd Edition | Service DNS、LoadBalancer、Ingress | US$79.99 |
Networking and Kubernetes: A Layered Approach | CNI、IPAM、NetworkPolicy、調査ツール | US$65.99 |
Kubernetes – An Enterprise Guide, Third Edition | MetalLB、ExternalDNS、Istio Gateway | Can$69.99 |
| Cilium: Up and Running: Cloud Native Networking, Security, and Observability | Cilium CNI、Hubble、Gateway API | US$79.99 |
価格は公式の希望小売価格や定価を参考にした目安です。実売価格は時期や販売店によって変わるため、購入時に最新の表示を確認してください。洋書はUSドルまたはカナダドル表記です。
日本語で概念をつかむ本、手を動かして障害を直す本、英語でネットワークの階層を追う本。読後に得られるものはそれぞれ違います。表では各書籍の主題を並べました。
全部を一冊で覚えなくても大丈夫です。CNIの構成か、Service名で接続できない問題か、Ingressの入口か。気になる通信区間に合わせて読むと、本ごとの特徴が見えてきます。
通信の見取り図
PodネットワークはPodにIPアドレスを割り当て、Pod間で通信できるようにする仕組みです。CNIはコンテナのネットワーク設定をつなぐ役割を担います。具体的な経路や機能はプラグインごとに異なります。
次はServiceです。Podが入れ替わってIPが変わっても、安定した宛先を保ちます。ClusterIPはクラスタ内向け、NodePortは各ノードのポート、LoadBalancerは外部ロードバランサーとの連携が中心です。通信転送にはkube-proxyなどが関わります。
Service DNSはService名をIPアドレスに対応づける仕組みです。同じ名前空間では短いService名で参照でき、別の名前空間のServiceなら名前空間名も含めます。DNSで名前を引けても、通信経路やNetworkPolicyの状態は別に確認が必要です。
IngressはHTTPやHTTPSの通信をクラスタ外からServiceへ導くルールです。処理を担当するIngress Controllerも必要。ホスト名、パス、TLSを設定しただけでは通信経路は完成せず、入口からServiceまで順に追う視点が大切ですね。
日本語の入門書
徳永航平著、技術評論社刊の『[改訂新版]イラストでわかるDockerとKubernetes』は2024年3月発売です。A5判208ページの紙書籍で、イラストとコマンド操作を使いDockerとKubernetesの基礎を学べます。
ネットワークではPodへのServiceアクセスやServiceの外部公開を扱い、CNIプラグインとkube-proxyにも触れます。通信要素を日本語で一度整理したい人には、この本がおすすめです。
『つくって、壊して、直して学ぶ Kubernetes入門』は高橋あおい著、五十嵐綾監修の翔泳社刊です。2024年4月発売のB5変型368ページ。Kubernetesを実践形式で学べる紙書籍です。
Serviceを壊してkubectlで原因を調べる演習を収録。クラスタ構築からアプリのデバッグ、オブザーバビリティとモニタリングまで扱います。障害調査を実際に練習したい初学者や経験者におすすめです。
英語で総合
『Kubernetes: Up and Running, 3rd Edition』はBrendan Burnsら4名が著したO’Reilly Media刊の第3版です。2022年発行の英語書で、328ページあります。Service Discoveryから外部公開まで、通信に関わる要素を横断して扱います。
Service DNSとkube-proxyを扱い、ClusterIPやLoadBalancerからContourによるIngressへと進みます。Ingressではホスト名やパスの指定、TLSの設定を学べます。通信経路を英語で順に追いたい中級者におすすめです。
『Kubernetes – An Enterprise Guide, Third Edition』はMarc BoorshteinとScott Surovichが著したPackt Publishing刊の第3版です。2024年8月発行で、全682ページ。企業利用を幅広く扱います。
Serviceの種類・DNS・Ingress・MetalLB・NetworkPolicyを取り上げています。ExternalDNSとCoreDNSの連携に加え、Istio Gatewayやグローバルロードバランシングも扱う構成です。企業環境の外部公開や運用を広く学びたい人には、この本がおすすめです。初めてのネットワーク本としては分量が多く、必要な章が見えてから読むと活用しやすいでしょう。
CNIを掘る
『Networking and Kubernetes: A Layered Approach』はJames StrongとVallery Lanceyの共著で、O’Reilly Mediaから刊行されています。2021年刊行。LinuxやコンテナのネットワークからCNI仕様とプラグイン、IPAMやkube-proxyを経てNetworkPolicyへと進みます。
Service・DNS・Ingress・Ingress Controller・Service Meshも扱います。ping・traceroute・dig・nmap・netstat・netcat・curlなどの調査ツールも登場。Pod IPやCNIを深く理解したい中級者には、本書がおすすめです。
『Cilium: Up and Running: Cloud Native Networking, Security, and Observability』はO’Reilly Media刊で、2026年発行の370ページです。Ciliumのネットワーク、セキュリティ、可観測性を扱う専門書。
対象はCilium CNI・IPAM・データパス・Service Networking・NetworkPolicyです。Cilium Ingress・Gateway API・L7ルーティングも扱います。Hubbleによる通信観測、Day 2運用、トラブルシューティングも学べます。Ciliumの運用に関わる人におすすめの専門書です。
Cilium: Up and Running: Cloud Native Networking, Security, and Observability
O’Reilly Media
Amazonで探す結論
日本語で基礎を押さえるなら『[改訂新版]イラストでわかるDockerとKubernetes』。Serviceの障害対応を実地で練習したい人には『つくって、壊して、直して学ぶ Kubernetes入門』がおすすめです。概念理解を先に進めるか、調査方法を練習するか。目的に応じて選べます。
英語でネットワークの階層を学ぶなら『Networking and Kubernetes: A Layered Approach』、Service DNSからIngressまで通して学ぶなら『Kubernetes: Up and Running, 3rd Edition』が有力です。仕組みを深く調べるか、通信経路を広く見るかが判断の目安になります。
企業利用の構成を広く学びたい人には『Kubernetes – An Enterprise Guide, Third Edition』がおすすめです。外部公開と運用の選択肢をまとめて確認できます。
Ciliumを実環境で扱う人には『Cilium: Up and Running: Cloud Native Networking, Security, and Observability』がおすすめです。担当する範囲に近い内容から学ぶと、知識を実務に結びつけやすくなります。
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