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レイトレーシングのおすすめ本を調べると、数式を掘り下げる専門書・自分でレンダラーを作る実践書・GPU APIの技術集まで幅があります。C++でパストレーシングを実装する人にとっては、数学とコードの扱いが自分の段階に合うかが肝心です。
ここでは言語に依存しないテスト駆動の本からCG基礎の教科書、C++17対応レンダラーを追う大著、リアルタイム技術集まで4冊を紹介します。最初の一枚を描くのか、実用レンダラーの中身を知りたいのか。目的に応じて読む本は変わります。
本の早見表
| 書名 | 主な内容 | 参考価格 |
|---|---|---|
The Ray Tracer Challenge: A Test-Driven Guide to Your First 3D Renderer | テスト駆動で基本的な3Dレンダラーを実装 | — |
IT Text コンピュータグラフィックスの基礎 | CGの基礎からパストレーシングまで学ぶ | 3,520円(税込・定価) |
Physically Based Rendering 4th Edition 日本語版 | 理論とC++17対応レンダラーの実装を広く扱う | 19,800円(税込・定価) |
Ray Tracing Gems II: Next Generation Real-Time Rendering with DXR, Vulkan, and OptiX | GPU APIを使うリアルタイム技術の専門書 | — |
早見表には公式定価が示されている2冊の価格を載せました。IT Text版は税込3,520円、PBRT日本語版は税込19,800円です。実売額は時期や販売店で変わるため、購入時に確認してください。
英語書の紙版は販売先によって価格が異なります。『The Ray Tracer Challenge』の出版社ページからは書店案内へ進めます。『Ray Tracing Gems II』には紙版とオープンアクセス版があります。
4冊の範囲は幅広く、レンダラーを自作する課題からCG全般の基礎・フルレンダラーの実装・GPU APIの個別技術まで収まっています。同じレイトレーシング本でも、読後に身につく内容は一様ではありません。
レイの仕組み
レイトレーシングはカメラから画面上の点へ仮想の光線を飛ばし、球や三角形などの物体と交差する位置を求める描画法です。交点の材質や光源の情報から、その点の色が決まります。
最初に組むのはベクトルやレイと球の交差判定です。続いてカメラと画像出力を用意します。見た目を整える前に、式が正しい交点を返すか確かめます。地味な処理ですが、ここを正しく動かすのが大切です。
鏡面反射では光線の方向を反射ベクトルへ更新し、屈折では屈折率を使って進行方向を変えます。交点処理に材質の振る舞いを加えると、レンダラーらしさが出てくるところです。
その先には複数の光路や間接照明を扱うパストレーシングがあります。交差と材質の計算を確かめておけば、確率的な処理の誤りも追いやすくなります。
パストレーシング
パストレーシングは表面で次に進む向きを確率的に選び、光源から届く光の寄与を積算します。一度の計算ではノイズが残るものの、サンプルを増やして平均すると結果が安定していきます。
大事なのはサンプル数だけではありません。どの方向をどんな確率で選んだのかを記録し、その確率に応じて結果を重み付けします。数学と実装が直結する部分ですね。
モンテカルロ積分や重要度サンプリング、反射モデルなどの用語は、コードが何を推定しているのかを表します。式と照らして読むと、処理の意味が見えやすくなりますよ。
基礎レンダラーを組む本と、光輸送を物理や数理から掘り下げる本では範囲に差があります。パストレーサーを実装するなら、交差判定からサンプリングまでどこを扱うか確かめるとよいでしょう。
テスト駆動の本
『The Ray Tracer Challenge: A Test-Driven Guide to Your First 3D Renderer』はJamis Buck著。2019年2月刊のPaperbackで、全290ページあります。対象レベルはIntermediateで、コードを動かしながら幾何計算を学びたい人におすすめです。
課題は特定の言語に依存せず、テスト先行でレンダラーを組み立てていきます。ベクトルや行列から図形との交差や影へ進み、結果はテストで確かめる構成です。
反射・屈折・CSGまで扱うため、色付きの球を表示するだけで終わりません。C++ではベクトル・レイ・交差結果を自分の型で表現し、各処理の仕様をテストで確かめられます。
言語固有の構文を前提としないため、自分のC++実装へ課題を移しやすい本です。出版社ページからは紙版の購入案内を開き、Bookshopや書店情報へ進めます。

The Ray Tracer Challenge: A Test-Driven Guide to Your First 3D Renderer
Pragmatic Bookshelf
Amazonで見るCGの基礎
『IT Text コンピュータグラフィックスの基礎』は2020年刊の292ページ、A5判です。情報系大学の学生やCG初級技術者向けの日本語教科書で、CGの基礎を順に学べます。
座標変換や3次元図形処理、行列を学び、レイと形状の交点計算や鏡面反射・屈折へ進みます。パストレーシングやフォトンマッピングも登場します。
各章に演習問題があり、知識を読み流さずに確認できます。CG全体の中でレイトレーシングがどこに位置するかもつかめます。
公式定価は税込3,520円。実売価格は時期や書店で変わります。サンプルプログラムは擬似ソースコード形式で、完成済みのC++コードをそのまま使う本とは役割が異なります。
PBRT第4版
『Physically Based Rendering 4th Edition 日本語版』は2024年3月発売です。1286ページのB5正寸・オールカラーで、中本浩氏が翻訳しています。物理ベースの描画と実装全体を調べる大著です。
モンテカルロ積分・ジオメトリー・交差判定の高速化を扱い、サンプリングや反射モデル・マテリアル・光輸送にも範囲を広げます。
書籍で扱うレンダラーのソースコードはウェブサイトで公開されています。関連するpbrt-v4の公式ソースはC++17に対応。理論の記号と実際のクラスや処理の境界を照らし合わせられます。
GPUレイトレーシングとGPUのウェーブフロントレンダリングも掲載しています。公式定価は税込19,800円で、実売価格は時期や販売店によって変わります。理論と参照用のC++実装を一冊に求める読者におすすめです。
GPU技術の本
『Ray Tracing Gems II: Next Generation Real-Time Rendering with DXR, Vulkan, and OptiX』は2021年発行のSoftcoverです。前付け別で858ページ。ゲーム・グラフィックス開発者向けに、専門家による50章を収録しています。
DXR・Vulkan Ray Tracing・OptiXを用いるリアルタイムレイトレーシングを、ゲーム・グラフィックス開発者向けに50章で扱います。GPU APIや個別の処理課題を調べる際に参照できる技術集です。
パストレーシングではReference Path Tracerの章を収録し、Multiple Importance SamplingやDXRでのCPU性能にも触れます。光輸送の基礎を学ぶ本とは役割が異なり、具体的な実装や高速化を扱います。
紙版のほかにオープンアクセス版もあります。C++レンダラーを自作した後にGPU APIへ広げる人には、実装を調べる参照資料になります。

Ray Tracing Gems II: Next Generation Real-Time Rendering with DXR, Vulkan, and OptiX
Apress(Springer Nature)
Amazonで見る結論
初めてC++で自分のレイトレーサーを完成させるなら、私は『The Ray Tracer Challenge』を最初にすすめます。言語非依存の課題をテストで確かめ、交差や影、反射を形にできるからです。
日本語で座標変換や3D形状、パストレーシングの全体像を学びたい人には、『IT Text コンピュータグラフィックスの基礎』がおすすめです。本書はCGの背景知識を固める役割が中心で、完成コードを主役にしていません。
PBRT第4版はC++17対応の参照コードを読みながら、実用レンダラーの中身を調べたい人にすすめます。DXRやVulkanのリアルタイム開発には、『Ray Tracing Gems II』を加えるとよいでしょう。
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