物流AIのおすすめ本5選|配車・倉庫最適化を学ぶ

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物流現場のAI活用と聞けば、需要予測や自動配車を思い浮かべる方が多いでしょう。けれど、結果を左右するのは予測モデルだけではありません。荷量や車両容量、納品時間、倉庫内の作業順をどう扱うかも大切です。

物流AI関連の本は、AIの概要だけで選ぶと配車や倉庫の具体策まで届かないことがあります。今回は数理最適化や倉庫DX、物流改革を異なる角度から学べる5冊を紹介します。

物流AI本の早見表

自社の課題が配車計画、倉庫運営、導入全体のどこにあるかを考えてみましょう。下の5冊は物流の最適化を異なる入口から学べる実用書です。

書名主なテーマ参考価格(税込)
物流アルゴで世が変わる サプライチェーンの最適化物流アルゴで世が変わる サプライチェーンの最適化配車・拠点配置・ピッキング2,750円
Pythonによる実務で役立つ最適化問題100+ (3) ―配送計画・パッキング・スケジューリング―Pythonによる実務で役立つ最適化問題100+ (3) ―配送計画・パッキング・スケジューリング―Pythonで配送計画を演習3,300円
物流現場の最適化DX物流現場の最適化DX倉庫のデータ活用・自動化1,540円
崖っぷちの物流DX導入マニュアル ロジスティクスの最適化を急げ!崖っぷちの物流DX導入マニュアル ロジスティクスの最適化を急げ!DX導入・データ連携2,420円
物流改革大全―改善を進めるための実践ノウハウ物流改革大全―改善を進めるための実践ノウハウ物流改革・WMS・AI活用3,960円

価格は税込みの希望小売価格・定価を参考にしています。実売価格と在庫状況は販売店や時期によって変わります。購入時に確認してください。

ここで紹介する本は機械学習のコード集ではありません。需要や作業条件を物流の判断につなぐ方法、最適化やシステム導入を現場に根づかせる考え方が中心です。

アルゴリズムの基礎

『物流アルゴで世が変わる サプライチェーンの最適化』は伊倉義郎氏・高井英造氏の共著です。2020年11月発行のA5判224ページで、物流拠点の配置から配車、倉庫内ピッキングや製品配置まで扱います。

各業務の条件を整理し、最適化問題として捉える視点が本書の軸です。Excel Solverを使った最適化計算の章もあり、数理最適化を手元で確かめられます。

事例にはZaraとTNT Express、UPSやFedEx、Amazon Japanなどが登場します。配車から物流ネットワーク全体へ視野を広げたい人や、現場課題を数式で考える入口がほしい人におすすめです。

物流アルゴで世が変わる サプライチェーンの最適化

物流アルゴで世が変わる サプライチェーンの最適化

日本評論社

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配車計画をコードで

配送計画を自分で試したい人には、『Pythonによる実務で役立つ最適化問題100+ (3) ―配送計画・パッキング・スケジューリング―』がおすすめです。久保幹雄氏著で2022年12月刊、A5判200ページです。Jupyter上で100強の最適化手法を実践する構成です。

配車計画では車両の容量に加えて、納品時間の枠や複数の配送拠点、分割配送も考慮します。本書はこうした制約やメタヒューリスティクスを扱い、配送計画の条件をコードで考える方法を学べます。

条件を変えながら計画がどう動くかを確かめたい技術者やデータ担当者におすすめです。演習を重ねると、配車の制約をコードで表現して検討できます。

Pythonによる実務で役立つ最適化問題100+ (3) ―配送計画・パッキング・スケジューリング―

Pythonによる実務で役立つ最適化問題100+ (3) ―配送計画・パッキング・スケジューリング―

朝倉書店

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倉庫のDXを描く

『物流現場の最適化DX』は岡澤一弘氏・西尾浩紀氏の共著で、2022年7月発売です。倉庫のデータ活用や作業運営、自動化・ロボティクスを主題に、現場の課題を改善へつなげる道筋を扱います。

現状把握や目的設定から要件定義へ進み、設計・テストを経てトレーニングや保守計画まで扱います。導入の流れを追える点が実務的です。システム導入をゴールにせず、改善したい内容を先に決める視点が身につきます。

大手3PLや食品卸、部品卸、通販事業者など複数業種の事例も掲載されています。自社に近い課題を見つけやすいでしょう。倉庫業務や人手不足、自動化を検討する担当者におすすめです。

物流現場の最適化DX

物流現場の最適化DX

ディスカヴァー・トゥエンティワン

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導入の壁を読む

中小企業やベンチャーの経営者・担当者には、『崖っぷちの物流DX導入マニュアル ロジスティクスの最適化を急げ!』がおすすめです。鈴木邦成氏・中村康久氏著で、2023年11月発売のA5判240ページです。

物流DXの基本に加え、プラットフォームやデジタルサプライチェーン、既存のレガシーシステムへの対応も扱います。新しい仕組みを加える際に、今ある業務やシステムとのつなぎ方を検討する材料になります。

AIや物流システムを導入したい一方、社内のデータ連携や既存環境が気になる担当者におすすめです。企業事例を通じて導入前の確認点を整理でき、経営層と現場の論点共有にも役立ちます。

崖っぷちの物流DX導入マニュアル ロジスティクスの最適化を急げ!

崖っぷちの物流DX導入マニュアル ロジスティクスの最適化を急げ!

NTT出版

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改革を横断して見る

物流部門に配属された人から改革推進担当者までを対象にした本が、『物流改革大全―改善を進めるための実践ノウハウ』です。船井総研ロジ株式会社のロジスティクスコンサルティング部が編者で、A5判332ページ。幅広い工程を扱います。

物流拠点や輸配送、調達物流から物流システム、マテハン導入まで横断し、DX・AIの活用や導入のハードルにも触れます。WMSの活用事例に加え、ベンダー選定やハードの条件、スケジュールとコストも扱います。

一工程の改善を越えて、物流部門全体を担当する人におすすめです。基礎からシステム導入までを広く押さえられ、個別技術を検討する前に改革全体を見渡せます。

物流改革大全―改善を進めるための実践ノウハウ

物流改革大全―改善を進めるための実践ノウハウ

中央経済社

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配車AIが扱う条件

需要予測は荷量や注文の見通しを立てます。配車最適化では車両容量や配送時間、拠点の条件を踏まえて計画を組み立てます。

たとえば、午前指定の納品先が複数あり、車両ごとに積載上限もある場合です。距離を短くするだけでは計画が成立しないこともあります。納品時間を守りつつ、車両と訪問順を決める必要があります。

条件を概念から学ぶなら『物流アルゴで世が変わる』、制約をコードで試すなら『Pythonによる実務で役立つ最適化問題100+ (3)』がおすすめです。前者は現場への説明に、後者はモデル検証の演習に役立ちます。

倉庫AIが変える工程

ロボットの導入は倉庫最適化の手段の一つです。商品の配置やピッキング順、作業者の動きに入出荷の波を重ねると、時間のかかる工程が見えやすくなります。

たとえば出荷量の多い商品が遠い棚に分散している場合、配置を見直すことで移動負担を抑えられる可能性があります。作業データを確認して対象商品や時間帯を定め、設備を検討する流れは『物流現場の最適化DX』が扱う導入手順と合います。

倉庫管理システムやマテハンまで改革に含めるなら、『物流改革大全』も参考になります。作業改善とシステム導入をあわせて考えることで、現場で続けられる運用を検討できます。

現場の導入で起きる差

注文や在庫と車両の情報が古ければ、最適化で出した計画を現場で使いにくくなります。運用設計ではデータ連携と担当者の作業の両方を考えます。

全拠点への一斉展開よりも、対象業務と改善目標を絞った検証のほうが結果を評価しやすくなります。テストやトレーニング、保守計画まで扱う実務の流れは『物流現場の最適化DX』で学べます。

既存システムとの接続や投資の進め方を整理するには、『崖っぷちの物流DX導入マニュアル』や『物流改革大全』が参考になります。現場の改善案を経営判断やシステム要件につなぐ材料として活用できます。

結論

配車の仕組みを理解するなら『物流アルゴで世が変わる』を、Pythonで配送計画を動かすなら『Pythonによる実務で役立つ最適化問題100+ (3)』をおすすめします。前者で数理最適化の考え方を学び、後者ではJupyter上で演習できます。

倉庫のデータ活用や自動化には『物流現場の最適化DX』、既存システムを含む導入課題には『崖っぷちの物流DX導入マニュアル』をおすすめします。物流全体を担当するなら『物流改革大全』を読むと、工程をまたぐ改善を広く捉えられます。

本を読む目的を配送計画の演習に置くのか、倉庫の改善に置くのか。あるいは導入設計全体を知りたいのか。課題の範囲を決めれば、実務に必要な知識から読み始められます。

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