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機械学習を始めたとき、コードは動くのに「なぜこの式で予測がよくなるの?」と止まってしまうことがありますよね。数学の本を読むと、計算の流れを追いながら疑問をほどけます。
とはいえ、大学数学を全部やり直す必要はありません。ベクトル、微分、確率がモデルのどこで使われるかをつかむだけでも、式の読みやすさは変わります。
今回は、基礎から式を学ぶ本、Pythonで計算を試す本、数学分野の関係を学ぶ本を紹介します。進め方も前提知識も異なるので、自分が知りたいことに近い一冊を探してみてください。
| 本 | 主な範囲 | 学び方 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
中学・高校の基本から学ぶAIの数学 | 微分・線形代数・確率分布・ベイズ統計など | 式の説明と穴埋め問題 | 3,630円(税込) |
Pythonで動かして学ぶ!あたらしい数学の教科書 第2版 機械学習・深層学習に必要な基礎知識 | 線形代数・微分・確率統計 | PythonやNumPyで計算 | 3,080円(税込) |
データサイエンスのための数学入門 Pythonで学ぶ線形代数、確率、統計の基礎 | 微積分・確率・線形代数・統計 | コード例で手法と結びつける | 3,960円(税込) |
機械学習のための数学 | 線形代数・微積分・確率統計・最適化など | 分野どうしの関係を整理 | 3,520円(税込) |
価格は税込の希望小売価格を目安にしています。実際の販売価格は時期や店舗によって変わるため、購入時は各書店の表示をご確認ください。
数学を学ぶ意味
機械学習で数学を学ぶ目的は、公式の丸暗記ではありません。入力から予測までの計算を追い、モデルが何を調整しているのかを自分の言葉で説明するためです。
身長や面積など複数の特徴をまとめる計算には、ベクトルや行列が登場します。行列を使うと、多数の値をまとめて扱い、モデルの計算を簡潔に表せます。
確率や統計では、データのばらつきや予測の確からしさを考えます。平均だけでは見えない偏りや、予測と正解のずれを捉えるときに必要な知識です。
式のつながり
面積から家賃を予測する単純な回帰を例にしましょう。家賃を「面積×重み+調整分」と表し、データに合うよう重みを変えていく。これが学習の基本です。
重みをどちらへ動かせば誤差が減るのでしょう。微分を使うと、値を少し変えたとき誤差がどう動くかを調べられます。微分や偏微分が学習時の値の更新につながります。
アルゴリズムの中では、行列計算や誤差の微分、確率的な考え方が関わり合います。数式がモデルの中で果たす役割に注目すると、分野ごとの知識がつながり、理解が進みます。
中高数学から
『中学・高校の基本から学ぶAIの数学』は羽山博さん著で、近代科学社から2025年7月に発売されました。232ページあり、参考価格は税込3,630円です。実売価格は時期や店によって変わります。
テーマは微分・偏微分やベクトル・行列、確率分布です。さらに積分・ベイズ統計・回帰分析・ニューラルネットワークまで扱い、機械学習の数式へ進めます。
公式の意味や式の展開を説明し、穴埋め問題も掲載しています。読んだ内容を自分で補えるので、式を眺めるだけでは覚えにくい人も内容を確かめながら学べます。
高校数学を学んだものの、機械学習の式にはまだ慣れていない人におすすめです。Pythonの実装を始める前に数式の読み方を押さえたいなら、この本が出発点になります。
Pythonで試す
我妻幸長さんの『Pythonで動かして学ぶ!あたらしい数学の教科書 第2版』は翔泳社から2025年6月に発売されました。320ページで、参考価格は税込3,080円。実売価格は時期や店舗によって異なります。
線形代数、微分、確率・統計をPythonの計算と一緒に学べます。Python 3.12に対応し、NumPy、matplotlib、Jupyter Notebookも扱います。数式とコードを往復して結果を確かめられる構成です。
Python、NumPy、数学の各章に演習があり、数学を機械学習で実践する章もあります。コードを動かしながら出力と数式を照らし、理解を確かめられます。
AI学習で数学が壁になっている人や、仕事でAIを扱うビジネスパーソン、文系・非エンジニアも対象読者です。計算を動かして感覚をつかみたい初心者には、この本をおすすめします。
手法と結ぶ
『データサイエンスのための数学入門 Pythonで学ぶ線形代数、確率、統計の基礎』はThomas Nieldさん著、江川崇さん訳です。オーム社から2025年9月に発売され、424ページあります。参考価格は税込3,960円で、実売価格は時期や店によって変わります。
微積分、確率、線形代数、統計を扱い、線形回帰、ロジスティック回帰、ニューラルネットワークにも触れます。数学の各テーマが機械学習の手法とどう関わるのか、具体例から見えてくる構成です。
数式による説明を抑え、SymPy、NumPy、scikit-learnなどのコード例を使って数学の意味をつかみます。数式より実装から理解したい人におすすめです。
データサイエンスや機械学習に関心があり、学んだ数学をモデルに結びつけたい人に合います。ページ数は4冊中最多の424ページ。関連テーマまで幅広く読み進めたい人におすすめです。
分野を体系化
飯塚秀明さんの『機械学習のための数学』はコロナ社刊。2024年8月発行、240ページで、参考価格は税込3,520円です。実際の販売価格は時期や店によって変わります。
論理・集合・線形代数・微分積分・確率統計を扱い、最適化も取り上げています。公式や数学分野どうしの関係を、最適化とのつながりも含めて学べる構成です。
出版社が想定する前提知識は、理工系大学2年生程度です。中学・高校数学から始める人には負担が大きくなります。大学レベルの数学を学んだあと、機械学習での位置づけを整理したい人に合います。
線形代数、微積分、統計を別々に覚えたままだと、機械学習でのつながりをつかみにくくなります。この本は数学分野どうしと最適化の関係を扱うため、理工系の基礎を学んだあとの整理におすすめです。
結論
中学・高校数学からAIの式へ進みたいなら『中学・高校の基本から学ぶAIの数学』。Pythonで計算を確かめながら学びたい人には『Pythonで動かして学ぶ!あたらしい数学の教科書 第2版』がおすすめです。数学の基礎か、実行結果の確認かで最初の一冊が分かれます。
コード例から機械学習の手法までつなげたい人には『データサイエンスのための数学入門』が合います。理工系大学2年生程度の数学が身についていて、分野の関係を整理したい人には『機械学習のための数学』をおすすめします。
数学に不安がある初心者は、前提知識に合う本から始めるのが堅実です。式の意味を確かめたいのか、Pythonで試したいのか。その違いを軸に選ぶと、数学の知識を機械学習の学びへつなげやすくなります。
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