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VHDL 本のおすすめを調べると、構文の入門書からFPGA実装やテストベンチの専門書まで並び、違いが見えにくいですよね。学びたい工程に沿って、5冊を紹介します。
VHDLは回路の動きを文字で表すハードウェア記述言語です。文法を覚えるだけでなく、回路の考え方やシミュレーション、論理合成へと知識をつなげることが、FPGAのRTL設計への近道になります。
早見表
| 書名 | 主な内容 | 著者・ページ数 | 参考価格(税込) |
|---|---|---|---|
図解 VHDL実習[第2版] ゼロからわかるハードウェア記述言語 | 入門、設計フロー、シミュレーション | 堀 桂太郎・240ページ | 2,860円 |
VHDLによるディジタル電子回路設計 | 回路の基礎、カウンタ、演算回路 | 兼田 護・160ページ | 2,420円 |
改訂 VHDLによるハードウェア設計入門 | 基本文法、RTL、シミュレーション | 長谷川 裕恭・208ページ | 2,860円 |
Verilog HDL&VHDLテストベンチ記述の初歩 | テストベンチ、期待値比較、検証 | 安岡 貴志・240ページ | 2,860円 |
VHDLによるマイクロプロセッサ設計入門【オンデマンド版】 | CPU設計、検証、FPGA実装 | 仲野 巧・304ページ | 4,400円 |
価格はいずれも税込の参考価格です。実際の販売価格は時期や店によって変わるので、購入時に確認してください。
発行年の古い本も含まれます。設計の考え方を学ぶ内容と、現在使っている開発環境の操作手順を分けて読むと、目的に合う知識を拾いやすいでしょう。
文法から始めるなら実習型や回路例が多い本、RTL記述を深めるなら設計上の注意点が載った本が候補です。テストベンチやCPU設計を扱う本は、基礎を学んだ次の段階で役立ちます。
最初に学ぶ軸
VHDLでは、命令を順番に実行するプログラムと異なり、回路の各部分が同時に動く様子を記述します。信号の入出力や論理演算から始めて、書いた内容がどんな回路になるのか結び付けてみましょう。
組合せ回路は入力に応じて出力が決まる回路です。一方、順序回路はクロックに合わせて状態を記憶します。カウンタを例にすると、値を計算する動きと次のクロックまで保持する動きの違いがつかみやすくなります。
RTL設計では、意図した動きを書くだけでは足りません。論理合成で回路に変換できる形にし、シミュレーションで動作を確かめてからFPGAへ実装します。この流れを意識すると、本の章立ても読みやすくなるはずです。
テストベンチは、設計した回路に入力を与え、出力が期待どおりか確かめる記述です。回路の設計と検証を分けて考えると、各書がどちらを詳しく扱うのか見通しが立ちます。
実習で始める
『図解 VHDL実習[第2版] ゼロからわかるハードウェア記述言語』は、VHDLが初めての人に適した実習型の入門書です。CPLDやFPGAの設計フローをたどり、組合せ回路、順序回路、階層設計、シミュレーションを学べます。
著者は堀桂太郎氏。森北出版から2009年2月に発行された240ページの本で、参考価格は税込2,860円です。設計の手順と回路の動きを一緒に確かめたい人におすすめです。
ツール例はISE WebPACK 10.1で、対象OSはWindows Vistaです。操作手順を今の開発環境にそのまま当てはめるより、設計フローやシミュレーションの考え方を学ぶ本として読むのが現実的でしょう。
例題を読むときは、入力と出力、クロックで変わる状態を書き添えてみてください。動作を自分の言葉で説明すれば、コードを写すだけで終わらず、回路として理解できます。
回路例を広げる
『VHDLによるディジタル電子回路設計』は、ディジタル回路の基礎とVHDL記述をまとめて学べる教科書です。著者は兼田護氏、森北出版刊。2007年9月発行の160ページで、参考価格は税込2,420円です。
階層記述や多ビット信号に加え、カウンタ、演算回路、乗算器、シリアルデータ回路、周波数カウンタ、ディジタルフィルタを扱います。基本的な論理回路から、データを処理する回路へ例を広げたい人におすすめです。
演算回路やフィルタを読むときは、信号の幅や値の扱いに注目しましょう。ビット数や入出力の役割、クロックに同期する箇所を追えば、RTLがどう動くのかを具体的に考えられます。
回路の仕組みから学び直したい人や、構文だけでは実際の回路を想像しづらい人に合います。テストベンチを中心に学ぶ場合は、検証を主題にした本も合わせると、学ぶ範囲を広げられます。
RTL設計へ進む
『改訂 VHDLによるハードウェア設計入門』は、基本構文からプロセス文、カウンタ、データタイプ、パッケージ、サブプログラムまで扱います。著者は長谷川裕恭氏。CQ出版から2004年4月に発行された208ページの紙版です。
入門者から上級者までを対象に、RTL記述の注意点や高度な文法、シミュレーション記述と手法を解説しています。文法を一通り学び、RTL設計やシミュレーションの理解を深めたい人に適しています。
プロセス文を読むときは、クロックを待つ記述なのか、入力の変化に応じて出力を決める記述なのかを見分けてみましょう。似たコードでも意図する回路が異なることがあり、シミュレーション結果との照合が役立ちます。
2004年発行で、参考価格は税込2,860円です。VHDLの文法と設計上の注意点をまとめて押さえたい人におすすめします。
検証を深める
『Verilog HDL&VHDLテストベンチ記述の初歩』は、回路を動かすテストベンチを中心に扱います。著者は安岡貴志氏、CQ出版刊。2010年10月発行の240ページで、参考価格は税込2,860円です。
組合せ回路と順序回路のテストに加え、遅延、ファイル入出力、期待値との比較を取り上げます。入力を与えた後に出力を何と照らし合わせるか、複数の試験データをどう扱うかを学べます。
ランダム検証やコードカバレッジ、テストパターンの検討も含まれます。たとえばカウンタなら、リセット直後や最大値付近、桁あふれ後を試す方法があります。通常の動作だけでは見つけにくい境界も確かめられます。
Verilog HDLとVHDLの両方を扱い、目次にはModelSimも登場します。テストベンチの知識を言語をまたいで学びたい人におすすめです。回路を書く工程から、正しさを確かめる工程へ進めます。
FPGAでCPU設計
『VHDLによるマイクロプロセッサ設計入門【オンデマンド版】』は、VHDLの基礎や基本回路からマイクロプロセッサ設計、FPGA実装まで扱います。著者は仲野巧氏で、CQ出版から2002年7月に発行された304ページの本です。
組合せ回路と順序回路のほか、テストベンチI〜VIの章があります。付属CD-ROMのPC版シミュレータで動作を確認し、設計したマイクロプロセッサをFPGAへ実装する流れも学べます。参考価格は税込4,400円です。
シミュレーション、論理合成、配置配線まで扱うため、CPUを題材に設計フロー全体を追いたい高専生、大学生、初級技術者に適しています。単機能の回路例から進んで、複数の機能を組み合わせる設計に取り組めます。
オンデマンド版で発行年も古いため、付属シミュレータやCD-ROMの動作環境は購入前に確認してください。テストベンチを使った動作確認からFPGA実装まで、ひとつの題材で追える内容です。
結論
VHDLが初めてなら、設計フローを実習できる『図解 VHDL実習[第2版] ゼロからわかるハードウェア記述言語』がおすすめです。回路の基礎や演算例を学ぶなら、160ページにまとまった『VHDLによるディジタル電子回路設計』が合います。
RTL記述や設計上の注意点を押さえるなら『改訂 VHDLによるハードウェア設計入門』、テストベンチを重点的に学ぶなら『Verilog HDL&VHDLテストベンチ記述の初歩』を選んでください。必要な知識が決まれば、候補を絞りやすくなります。
CPU設計を通してFPGA実装まで取り組むなら、『VHDLによるマイクロプロセッサ設計入門【オンデマンド版】』をおすすめします。学びたい工程に合う一冊を読み、シミュレーションや実装まで進めると、知識を設計に生かせます。
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