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ElectronでTypeScriptのデスクトップアプリを作るなら、画面とアプリ本体をつなぐIPCは避けて通れません。おすすめの本を探すときは、入門、IPC、TypeScriptの実例のうち何を学びたいかを決めると、候補が見えてきます。
今回の5冊は得意な範囲が異なります。日本語で作例を追う本がある一方、英語でTypeScriptの実例や配布まで扱う本もあります。
刊行年の確認も欠かせません。IPCの章があっても、掲載APIが現在のアプリで使えるとは限らないためです。
候補5冊の早見表
| 書籍 | 特徴 | 参考価格 |
|---|---|---|
React+Electronで作る デスクトップアプリ開発入門 | 日本語、Reactで作例を作りビルドまで学ぶ | 2,930円+税 |
Electronではじめるデスクトップアプリケーション開発 | 日本語、プロセスとIPCの章がある | 2,750円(税込) |
Cross-platform Desktop Application Development: Electron, Node, NW.js, and React | 英語、TypeScriptとReactのRSSリーダー例 | US$48.99 |
Electron in Action | 英語、IPC、複数ウィンドウ、配布まで幅広い | US$44.99 |
Electron Projects: Build over 9 cross-platform desktop applications from scratch | 英語、複数のアプリ例と自動更新 | US$40.99 |
日本語でElectronを学ぶなら、前半の2冊が入り口になります。TypeScriptの実例を優先すると英語書が中心。読みやすさと扱うテーマの両方を見ておきたいですね。
表の価格は参考価格です。実売価格は時期や販売店で変わり、海外書は為替の影響も受けます。購入時に表示価格を確かめてください。
ElectronのIPCとは
Electronでは、画面を表示するレンダラープロセスとアプリ全体を管理するメインプロセスが、別々に動きます。たとえば画面のボタンからファイルを開くとき、二つのプロセスの橋渡しをするのがIPCです。
画面から処理を頼んで結果を受け取るなら、ipcRenderer.invokeとipcMain.handleの組み合わせが基本です。一方、返事がいらない通知には別の方法があります。用途に合わせて通信方法を変える点が肝心です。
TypeScriptでは、送る値や戻り値に型をつけておくと、データ形式の間違いに気づきやすくなります。ただし型だけでは実行時の入力を検査できません。受け取った値の確認も必要です。
もう一つ大切なのが、画面に渡す機能を絞ることです。preloadを使って必要な機能だけ橋渡しすれば、画面側のコードを整理しやすく、安全性を意識した構成にもつながります。
日本語で基礎固め
『React+Electronで作る デスクトップアプリ開発入門』は2022年10月発売、192ページの日本語書です。ReactとElectronを使い、Webの技術でデスクトップアプリを組み立てる流れを実践できます。
ToDoリストや画像検索クイズ、ハガキ印刷用PDFアプリを扱います。データベースを使ったToDoリストも登場し、画面表示に加えてPDF出力やデータの扱いに触れられます。
第7章ではElectronのビルドとテストを扱います。手元で動かす段階からアプリにまとめる工程まで学べる点が魅力です。192ページで基本の作例を追いたい人におすすめします。
本書ではReactとElectronを軸に、HTML5やJavaScript、CSSを扱います。希望小売価格は2,930円+税。ReactとElectronの日本語入門を探している人におすすめです。
IPCを深く読む
『Electronではじめるデスクトップアプリケーション開発』は2020年11月発売、352ページです。第4章ではメインプロセスとレンダラープロセス、IPCを扱い、日本語で通信の役割を学べます。
Electronの基本に加えて、データアクセスやReactの利用を扱います。テストとビルドも含まれており、データをどこで扱うか、処理をどう分けるかまで読み進められる構成です。
注意したいのは第4章のremoteです。Electron v14で削除された機能なので、掲載コードを現行プロジェクトへそのまま移すことはできません。プロセスの考え方を学び、実装時は現行APIを確認してください。
参考価格は2,750円(税込)です。日本語でプロセスやIPCの基本を知りたい人におすすめです。TypeScriptで現行IPCを実装するなら、新しいAPI資料も併せて確認しましょう。
TypeScript実例
『Cross-platform Desktop Application Development: Electron, Node, NW.js, and React』は2017年7月刊、300ページの英語書です。Electron、TypeScript、React、Reduxを使ったRSSリーダーを題材にしています。
TypeScriptのコードでReactやReduxとElectronを組み合わせる構成を追えるのが魅力です。型のあるデスクトップアプリの例を見たい人には、5冊の中でも具体的な候補になります。
本書はNode.jsやNW.jsも扱います。Electronだけに絞った内容ではないため、章ごとの技術を確かめながら読むとよいでしょう。英語書なので、その点も購入前に考慮したいところです。
2017年刊なので、現行ElectronのAPIは公式資料を参照しながら読み進めてください。ペーパーバックの参考価格はUS$48.99。TypeScriptの構成例を主に学びたい人におすすめします。
配布まで追う
『Electron in Action』は2018年10月刊で、376ページの英語書です。中級程度のJavaScriptとNode.jsの知識がある読者を想定しています。デスクトップアプリの経験は必要ありません。
第4章ではネイティブのファイルダイアログとプロセス間通信を扱います。画面からOSの機能へ処理を頼む流れが題材なので、IPCを実際の機能と結びつけて理解しやすいでしょう。
複数ウィンドウやファイル操作、OS連携、テストも扱います。IPCに加えて幅広い内容を取り上げており、機能が増えたときのプロセス間通信を複数の題材に沿って学べます。
ビルド、更新、Mac App Store向けの配布も扱います。対象OSはWindows、macOS、Linux。印刷版の通常価格はUS$44.99で、IPCから配布まで読みたい人におすすめします。
作例を広く見る
『Electron Projects: Build over 9 cross-platform desktop applications from scratch』は2019年11月刊、436ページの英語書です。Markdownエディター、画面キャプチャやチャットの作例があります。電子書籍生成とデジタルウォレットも扱います。
Angular、React、Vue.jsとの連携を扱います。フロントエンドとNode.jsの知識がある人なら、題材を変えながらElectronの機能を追えます。複数の実例から使いどころをつかみやすいでしょう。
複数OS向けのパッケージ化と自動更新も扱います。アプリを配布した後の工程まで学びたい人には参考になります。ペーパーバックの参考価格はUS$40.99です。
Reactとの連携も含まれます。TypeScriptやIPCの型設計を学びたい人は、作例と併せて別資料も読み、型定義や通信部分を確かめるとよいでしょう。
結論
最初に選ぶ日本語の本なら、『React+Electronで作る デスクトップアプリ開発入門』がおすすめです。作例を動かし、第7章でビルドとテストにも触れられます。
IPCの概念を日本語で読むなら『Electronではじめるデスクトップアプリケーション開発』。ただしremoteは削除済みなので、掲載コードを読む際は現行APIも確認してください。ファイル操作や複数ウィンドウ、配布まで学ぶなら『Electron in Action』をおすすめします。
TypeScriptの実例を優先する人には『Cross-platform Desktop Application Development』が候補です。英語書で刊行年も古いため、IPCの実装は現行資料と照らして読みましょう。入門、実例、API確認と役割を分けると、目的に合う本を選びやすくなります。
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