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日本株の小型株投資には、企業が伸び始める段階に出会える面白さがあります。その反面、売りたい時に買い手が見つからず、思いどおりに手放せないことも。初心者は株価の安さに引かれず、時価総額と流動性をセットで見ていきましょう。
小型株投資の本は候補条件や分析手順を扱います。時価総額と流動性の基礎を押さえ、企業の数字から判断する視点を得るために読み進めると役立ちます。
小型株の入口
小型株には、全国共通の明確な線引きがあるわけではありません。投資本では時価総額300億円以下を目安とする例もありますが、それだけで割安か、成長性が高いかまでは分かりません。
小型企業の事業が伸びれば、売上や利益が大きく変わり、株価にも成長への期待が映ることがあります。大企業ほど注目されていない分、事業の変化を早く見つけられる可能性も。そこは魅力ですね。
一方、取引量の少ない銘柄は株価が急に動くことがあります。業績が計画を下回れば大きく値下がりしたり、買い手が少なく売却に時間がかかったりする場合もあるため、注意が必要です。
時価総額が表すのは企業の規模、流動性が表すのは売買のしやすさ。同じ小型株投資でも、見る対象は別です。事業の成長性や財務の余力まで確かめるのが基本ですね。
小型株本の早見
4冊は扱う軸が異なります。企業分析を深める本、財務やリスク管理を学ぶ本、値動きを扱う本、会社四季報の読み方を知る本。それぞれの特徴を並べました。
| 本 | 主な内容 | 参考価格 |
|---|---|---|
10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 | 成長企業の分析と保有中の確認 | 1,540円 |
10万円から始めて資産を200倍にする小型成長株投資 | 財務諸表と分散、損切り | 1,650円 |
改訂新版 個人投資家のための「小型株」で賢く儲ける方法 | 値動き、IPO、売買タイミング | 1,650円 |
会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方 | 四季報を使った候補探し | 1,540円 |
価格はいずれも税込の参考価格です。販売店や時期によって実売価格は変わるため、購入時に表示を確認してください。すべて紙版の単行本です。
時価総額の意味
時価総額は株価と発行済み株式数を掛けた企業規模の目安です。発行株数が多ければ株価が低くても時価総額は大きくなります。1株の値段だけでは会社の規模を比べられません。
株価1,000円で株数400万株なら時価総額は40億円。別の会社は株価が200円でも株数1億株なら200億円です。株価だけ眺めると、規模を誤認しやすいですよね。
時価総額が小さい会社は、事業が大きく成長した場合に企業規模が何倍にもなる余地があります。ただし、成長が止まれば株価が下がる可能性も。規模の小ささだけを買う理由にするのは避けてください。
売上高と並べると評価の輪郭も見えてきます。たとえば時価総額40億円、年間売上高20億円なら、時価総額は売上高の2倍です。成長率や利益率、借入金も見て判断してください。
流動性の現実
流動性は希望する価格や数量で株を売買しやすいかを示すものです。出来高に加え、売買代金や買い注文と売り注文の価格差、注文板の厚さを確認すると実態が見えてきます。
出来高20万株でも株価150円なら売買代金は3,000万円です。株価3,000円で2万株なら6,000万円になります。株数だけ眺めても、動いた金額までは分かりません。
買い気配と売り気配の差が広ければ、買った直後に売るだけで不利になることもあります。注文板が薄い銘柄で大きめの成行注文を出すと、複数の価格帯に及び、想定より高く買ったり安く売ったりする可能性があります。
普段の売買代金に比べて自分の注文が大きくなりすぎないよう注意し、初心者は指値注文で価格を指定するのが現実的です。ただし、指値でも約定するとは限りません。売りたい時に相手がいるか、そこまで考えておきたいですね。
10万円から始める本
遠藤洋著『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円』は2019年12月刊の176ページです。時価総額300億円以下を含む条件を軸として、上場年数・経営者や株主・商品・チャートなど8項目から成長株を見ます。
候補のビジネスモデルや将来業績、利益の使い道、商品が選ばれる理由まで掘り下げていきます。企業そのものをじっくり調べたい人に役立つ一冊です。
買い時や売り時、チャートの活用に加え、保有後の業績や経営方針の点検も扱います。投資した理由が今も成り立つかを確かめたい人には実務的な内容です。
資産200倍を掲げる本
長田淳司著『10万円から始めて資産を200倍にする小型成長株投資』は2021年刊で、上場10年未満・独自性のある事業・時価総額300億円未満・増収増益などを候補条件に挙げています。
損益計算書と貸借対照表の見るべき点を扱い、会社四季報の業績、特色、株主欄の読み方も紹介します。株価の期待だけでなく、企業の財務から投資判断したい初心者に取り組みやすい内容です。
5〜10銘柄への分散や購入時期を分ける考え方、損切り、価格変動への注意も扱っています。投資に使える時間が限られる会社員が、候補探しと資金管理をまとめて学ぶ時に役立ちます。
改訂新版の小型株本
小山哲著『改訂新版 個人投資家のための「小型株」で賢く儲ける方法』は2021年2月刊で、208ページです。小型株の基本や注意点に加え、仕手系銘柄の見分け方や新規公開株を取り上げます。
チャートを使った買い・売りのシグナルや売買タイミングを学びたい人には、値動きに焦点を当てた内容が役立ちます。企業の成長性を深く分析する本とは主眼が異なるため、事業分析の資料も確認しましょう。
値動きの大きい小型株で短期の上昇だけを追うと高値づかみになりがちです。チャートの形だけで判断せず、売買代金や業績の変化も合わせて見ると、判断材料を整理しやすくなります。
四季報で探す成長株
渡部清二著『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』は2018年6月刊の256ページです。会社四季報を使って日本株の候補を探す方法に軸を置いています。
増収率・営業利益率・オーナー経営者や筆頭株主・上場5年以内などの視点を紹介し、時価総額も株価の成長余地を考える材料として扱います。四季報を眺めるだけで終わらせたくない人に役立つでしょう。
過去の誌面や四季報オンラインのスクリーニングに加え、分散購入や投資ストーリーに基づく売却も扱います。2018年刊のため、当時の銘柄情報は現在の判断に使わず、考え方を直近の決算や開示に当てはめてください。
結論
初心者が最初の一冊を選ぶなら、銘柄条件から財務諸表、分散、損切りまで学べる長田淳司著の本が実務的です。値上がりへの期待と資金管理を一緒に考えられます。
一社ずつ企業を深く分析したくなったら、遠藤洋著の本を次に読むとよいでしょう。四季報で候補を探す方法や値動きの見方は、必要に応じて残る2冊で補えます。
どの本を読んでも、時価総額だけで個別株を買うのは避けてください。売買代金や業績の質、株数の変化を一次情報で確かめ、事業の見立てと実際に売却できるかの両方を見てから判断しましょう。
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