「ドローンの機体管理台帳には、どの項目を入れればいいのか」
「登録期限、リモートID、点検、保険、使用予定が別々で、案件前の確認に時間がかかる」
このような悩みはありませんか?
機体名と型番だけの一覧を作っても、案件当日にその機体を使えるかは判断できません。登録期限、リモートID、点検整備、保険、修理中かどうか、予備機の有無まで見ないと、現場前に別ファイルを探すことになります。
この記事では、ドローン事業者が機体管理台帳に入れる項目と、案件前の見落としを減らす運用方法を解説します。
結論から言うと、機体管理台帳は「所有機体の一覧」ではなく「案件日に使える機体かを判断する表」にします。標準項目は、基本情報、登録記号、有効期限、リモートID、対応業務、点検整備、保険、使用不可期間、予備機、最終更新日です。
1人で1〜2台を使う段階なら、Excelやスプレッドシートでも十分です。複数機体、複数案件、点検中の機体、外注先への貸出、予備日が重なる運用になったら、機体台帳を案件管理とつなげる必要があります。
機体管理台帳は購入リストではなく使用可否を判断する表にする
機体管理台帳で最初に決めるべきことは、何のために見る表なのかです。購入日や型番を残すだけなら、資産リストとしては使えます。ただし、ドローン案件の現場前には足りません。
業務で使う機体台帳は、次の問いに答えられる形にします。
- この機体は案件日に登録期限が切れていないか
- リモートIDの状態は問題ないか
- 直近の点検や整備で使用不可になっていないか
- この案件の業務内容に対応できる機体か
- 保険の対象機体・対象業務に入っているか
- 同じ日や予備日に別案件へ入っていないか
この6つが見えない台帳は、現場前に別の表やチャットを探す運用になります。台帳の目的は、情報をきれいに残すことではありません。案件を受ける時に、どの機体を出せるかを早く判断することです。
まず登録記号・有効期限・リモートIDを同じ行で見る
機体台帳の最初の列は、機体の基本情報と登録情報です。ここを別シートに分けると、案件前の確認が重くなります。
国土交通省の登録ポータルでは、100g以上の無人航空機は登録が義務化され、登録されていない100g以上の機体は飛行できないとされています。機体登録の有効期間は3年です。業務で使うなら、登録記号と有効期限は台帳の上位項目に置きます。
| 項目 | 入れる内容 | 案件前に見たいこと |
|---|---|---|
| 機体ID | 社内で使う管理番号 | 案件台帳から同じ機体を参照できるか |
| 機体名・型式 | メーカー、モデル名、社内呼称 | 現場で機体を取り違えないか |
| 登録記号 | 登録された機体の記号 | 対象機体として管理されているか |
| 登録有効期限 | 登録の満了日 | 本番日・予備日に期限切れがないか |
| 所有者・使用者 | 所有者、使用者、管理担当 | 更新や変更時の責任者が分かるか |
| リモートID | 内蔵、外付け、書込済み、対象外理由 | 現場前に設定状態を追えるか |
| DIPS2.0の状態 | 登録、変更、更新、確認待ちなど | 公式手続きの状態を社内で見えるか |
この表で避けたいのは、登録期限だけを別の期限表に置くことです。機体を選ぶ時に、登録記号、有効期限、リモートID状態が同じ行に見えていれば、案件前の確認が短くなります。
根拠:
・国土交通省:無人航空機登録ポータルサイト
・国土交通省:ドローン情報基盤システム2.0
・国土交通省:DIPS2.0 利用ガイド・マニュアル
点検整備の記録は飛行日誌と分けつつ機体台帳から辿れるようにする
機体管理台帳には、点検整備の詳細をすべて書き込むより、最新状態と記録の場所を持たせます。点検整備記録そのものは、飛行日誌や定められた様式・運用に沿って残します。台帳側では「この機体を次の案件で使えるか」が分かれば十分です。
国土交通省は、特定飛行に関して飛行・整備・改造などの情報を飛行日誌に記載する制度を説明しています。飛行日誌は、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録を含む領域です。機体台帳はその代替ではなく、案件前に状態を見に行く入口として使います。
| 項目 | 入れる内容 | 判断できること |
|---|---|---|
| 最終点検日 | 直近の日常点検・定期点検の日付 | 古い状態のまま案件へ入れていないか |
| 次回点検予定 | 次に点検する日、目安、担当者 | 案件日と点検予定がぶつからないか |
| 整備・修理状態 | 使用可、点検中、修理中、部品待ち | 案件へ割り当ててよい機体か |
| 不具合メモ | 症状、発生日、対応状況 | 同じ不具合を見落としていないか |
| 点検整備記録の場所 | PDF、フォルダURL、記録番号 | 必要な時に正式な記録へ辿れるか |
点検中や修理中の機体は、案件表で選べる状態にしない方がよいです。Excelで運用するなら、機体ステータスを選択式にして、使用不可の機体を目で分かるようにします。
根拠:
・国土交通省:飛行計画の通報・飛行日誌の作成
・国土交通省:無人航空機の飛行日誌の取扱要領
対応業務と搭載機材を入れて案件ごとの機体取り違えを防ぐ
機体管理台帳には、法規や期限だけでなく、どの業務に使える機体なのかも入れます。空撮向け、点検向け、測量向け、農薬散布向けでは、見るべき条件が変わります。
たとえば、同じ「撮影できる機体」でも、屋根点検でズームが必要な案件、測量でRTKが必要な案件、広い農地で散布装置が必要な案件では、選ぶ機体が違います。型番だけでは、案件条件に合うかを毎回人が思い出すことになります。
| 項目 | 入れる内容 | 使い道 |
|---|---|---|
| 対応業務 | 空撮、屋根点検、橋梁点検、測量、農薬散布など | 案件内容から使える機体を絞る |
| 搭載機材 | 通常カメラ、ズーム、赤外線、RTK、散布装置など | 顧客要件と機体条件を合わせる |
| 運用上の制約 | 風、雨、飛行時間、離着陸場所の制約 | 現場条件に合わない機体を避ける |
| 予備バッテリー | 本数、状態、充電管理の担当 | 長時間案件の準備漏れを減らす |
| 付属品 | プロペラ、送信機、充電器、ケース、散布部品など | 機体だけ持って現場へ行く事故を防ぐ |
この項目は、機体スペックを細かく書きすぎるためのものではありません。案件を見た時に、使える機体をすぐ絞るためのものです。特に複数機体を持つ事業者では、対応業務の列を作るだけでアサイン判断が軽くなります。
保険と証明書は対象機体・対象業務・提出先まで持つ
保険情報は、機体台帳と離しすぎない方がよいです。案件前に見たいのは、単に保険へ入っているかではありません。その機体が対象か、その業務内容が対象か、証明書の提出が必要かです。
機体台帳では、保険の詳細な約款を丸ごと管理する必要はありません。案件前の一次確認に使う項目を入れ、正式な証券や証明書へ辿れるようにします。
| 項目 | 入れる内容 | 案件前に見たいこと |
|---|---|---|
| 保険種別 | 賠償責任保険、機体保険など | 案件で求められる保険に近いか |
| 保険期間 | 開始日、満了日 | 本番日・予備日に期限切れがないか |
| 対象機体 | 対象となる機体名・登録記号 | 今回使う機体が対象に入っているか |
| 対象業務 | 空撮、点検、測量、散布などの扱い | 案件内容と保険の前提がずれていないか |
| 証明書の場所 | PDF、フォルダURL、提出済みメモ | 顧客提出時に探さず出せるか |
| 事故時連絡先 | 保険会社、代理店、社内担当 | 現場トラブル時に連絡先を探さないか |
保険期間だけを期限台帳に置くと、対象機体や対象業務の確認が抜けます。機体台帳には、最低でも保険期間、対象機体、証明書の場所を持たせます。
使用不可期間と予備機を入れない台帳は現場前に崩れやすい
機体管理で見落としやすいのは、使える機体ではなく使えない機体です。修理中、点検中、貸出中、保険更新待ち、部品待ちの機体が、案件候補に残っていると事故のもとになります。
機体台帳には、使用不可期間と理由を入れます。カレンダーだけで管理すると、なぜ使えないのかが見えません。台帳側に理由が残ると、代替機の判断が早くなります。
- 修理中で使用不可
- 点検予定が案件日と重なる
- 外注先へ貸出中
- 保険更新待ち
- リモートID設定待ち
- バッテリーや付属品が不足している
予備機も同じ台帳で見ます。主機だけを管理していると、天候延期や急な不具合の時に代替機を探すことになります。予備機は「空いている機体」ではなく、「その案件条件に合う代替機」として管理します。
Excelで始めるなら選択式と更新担当を先に固定する
機体管理台帳は、Excelやスプレッドシートから始めて問題ありません。最初から大きなシステムを入れるより、入力項目と更新ルールを固める方が先です。
Excelで始めるなら、次のルールを固定します。
- 機体ステータスは選択式にする
- 対応業務は表記を統一する
- 登録期限、点検予定、保険期限は日付形式にする
- 更新担当者と最終更新日を必ず入れる
- 証明書や点検整備記録の保管場所をリンクで残す
- 使用不可の機体を案件候補から外す運用を決める
自由入力が多い台帳は、数か月で崩れます。たとえば、ステータスが「使用可」「利用可」「OK」のように分かれると、検索やフィルタが効きにくくなります。業務内容や機体ステータスは、最初から選択肢を決める方が運用は安定します。
複数機体になったら案件台帳と機体台帳をつなげて管理する
機体が1〜2台なら、機体台帳だけでも回ります。複数機体になり、同じ日に複数案件や予備日が入ると、機体台帳だけでは判断が重くなります。
その段階では、案件台帳と機体台帳をつなげます。案件ごとに、使用予定の主機、予備機、必要な機体条件、保険・点検・登録の状態を同じ流れで見られる形にします。
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まとめ:機体管理台帳は案件日に出せる機体を決めるために作る
ドローンの機体管理台帳は、所有機体の一覧ではなく、案件日に出せる機体を決めるための表です。機体名、登録記号、有効期限、リモートID、点検整備、保険、対応業務、使用不可期間を同じ流れで見られるようにします。
1人・少数機体ならExcelで始めて問題ありません。複数機体、複数案件、予備日、点検中の機体が増えてきたら、案件台帳と機体台帳をつなげて、機体アサインを判断できる管理へ移るのが現実的です。
ドローン機体管理台帳でよくある質問
ドローン機体管理台帳はExcelで作れますか?
作れます。1人で少数機体を使う段階なら、Excelやスプレッドシートで十分です。機体名だけでなく、登録記号、有効期限、リモートID、点検整備、保険、使用不可期間まで入れると運用しやすくなります。
機体管理台帳に最初に入れるべき項目は何ですか?
機体ID、機体名、型式、登録記号、登録有効期限、リモートID、対応業務、最終点検日、次回点検予定、保険期間、使用不可期間、最終更新日を先に入れます。案件日に使えるかを判断できる項目を優先します。
飛行日誌や点検整備記録も機体台帳に書きますか?
正式な記録そのものは、飛行日誌や定められた様式・運用に沿って残します。機体台帳には、最終点検日、次回点検予定、整備状態、記録ファイルの場所を入れ、必要な時に正式な記録へ辿れるようにします。
登録期限と保険期限は別の期限台帳で管理してもよいですか?
期限台帳を別に作っても構いませんが、機体台帳から同じ情報へ辿れる形にします。案件前に機体を選ぶ時、登録期限、点検予定、保険期間が同じ流れで見えないと確認作業が増えます。
専用ツールへ移る目安はいつですか?
複数機体、複数案件、予備日、点検中の機体、外注先への貸出が増えた時です。機体台帳、案件表、予定表、保険証明書を毎回見比べているなら、案件と機体をつなぐ管理へ移る価値があります。
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